★アルトサックスの人気才媛:守谷美由貴(1976年生まれ、香川県出身)を首謀格とし、個性派ピアノの永武幹子(千葉県船橋市生まれ)とドラムの実力者:柵木雄斗(1989年生まれ、北海道釧路市出身)の参画した、結成から11年の活動歴があるという珍しいベースレスの変則トリオ:ヤムヤムズの、初アルバムとなる本盤は、2025年12月9日東京・西荻窪のアケタの店で録られたライヴ編。
★キレのあるソリッドで角張ったピアノ弾鳴やシャープネスときめ濃やかさを併せ持ったドラムの躍動が、空間底部の豊かなグルーヴを醸成する中で、ソフトで軽やかな清涼感に溢れていたりより引き締まった筋肉質っぽい厚みを際立たせたりと局面に応じて鳴音を変容させるアルトが、洒脱でマイルドな寛ぎ調だったりアーシー&エネルギッシュなシャウト風だったりの緩急あるアクティヴ・メロディック・プレイを結構悠然と繰り出して、一座の花形然と爽やかな魅力を放ち、伝統的バップ・イディオムを根幹としつつブルージー&パーカッシヴな渋い殺陣節を紡ぐピアノや、打楽器でありながら絶えず雄弁に"歌う心"を露わにしたドラム、らの活躍も美味しい彩りを加えた、全編インティメイトな和気あいあいムードとライヴならではの開放感が一杯の優しい娯楽世界に心地よく浸りきれる、小粋でハートウォーミングな胸弾む快演内容。
★ベースの不在によっていい意味で重厚な芯から解放された独特の軽みや遊泳感、隙間っぽさが音場を支配する、辺りが何とも気持ちよい(ピアノが重低音を叩いてベースの代役を為すところも一部あるがそれほど単純な話でもない)、その中で歌心とスイング感を何より大切にした至って明朗で親しみやすい人情派エンタテインメントの鑑たる行き方が、嬉々として愉しげに進められ、歌謡フィーリングの塊のような守谷(as)の伸びやかな舞い泳ぎっぷりを中心として、全者一丸となってひたすら大きく唄い、大きくスイングするアドリブ妙技の数々が綺羅星の如くテイスティー・グルーヴィーにアジな輝きを、盛り上がりを湛えてゴキゲンだ。
★守谷(as)の、ブルーベックやポール・デスモンドの曲を奏する辺りではちょっとデスモンド風にクール&ライトな滑り出しを見せるもいつの間にか手癖が出てダウン・トゥ・アース&ソウルフルな吟醸方向へ推移したり、バラード(#4とか#7とか)ではジャパニーズ・スピリチュアルな和ジャズ情魂派の本領が全開で発揮されたりと、その、ブルース&バップの濃い本質〜エッセンスと軽妙瀟洒な小唄感覚に貫かれた根は抒情指向のゆとりと節度を欠かさないスウィート&ファンキーな吹鳴が、吹き抜ける青嵐のように殊の外清々しい煌めきを見せており、一方永武(p)の、純正バッパー的な燻し銀の硬質ダイナミズム手法を基調としつつ、やがてはマッコイやハンコックに通じるモーダル・スタイルへも横滑りしてゆく哀愁プレイがまた、コク深くナイス。
1. Three To Get Ready
2. M's Walk
3. Patio De Dom Fradique
4. 道
5. Wanpaku Time
6. Take Five
7. 夜半の冬
守谷 美由貴 (alto saxophone)
永武 幹子 (piano)
柵木 雄斗 (drums)
2025年12月9日アケタの店(東京・西荻窪)でのライヴ録音
2026年日本作品
レーベル:
Coume Music
御予約商品
2026年4月15日発売予定 受注締切:2026年3月25日
国内制作CD