★ニューヨークのジャズクラブ:「スモールズ」並びに「メズロウ」のオーナーでもあり、作品毎に様々に趣向を違えた気合の入ったアルバム群を次々と発表して好評を得てきた、現代NY主流派シーンを代表するヴェテラン・ピアニスト:スパイク・ウィルナー(1966年米ニューヨーク市のマンハッタン生まれ)の、SteepleChase初登板となる今回は、レギュラーのピアノ・トリオを率いてフランス-パリへ赴き、現地の2人の旧友、アルトサックスのドゥミトゥリー・バエフスキーとギターのイヴ・ブルキの加わったクインテットを基本に(一部カルテットやトリオの演奏もある)チャーリー・パーカーに捧げられた妙演を聴かせるトリビュート・アルバム。
★クール・サウンド風だったり軽妙洒脱さが強調されていたりなどの息の合ったアンサンブルも爽やかに、パーカー〜スティット〜キャノンボール辺りの系譜を汲む(ちょっとP・デスモンドっぽいソフト&クーリッシュな風合いがあったりもする)アルトが朗々と流麗に美メロを歌って清々しい華を成し、潤いと旨味に鋭い尖りの加わった音色でブルージーに躍動するギターの調べが翳ったスモーキーな魅力を揮い、ソリッド・スクエアー感の強いピアノの殺陣の型ふうの硬質な立ち回りも燻し銀的妙味を放つ、といった具合で全編極めてバップ色の濃い娯楽活劇タイプのダイナミック・スウィンギン快演が簡潔さをもって続いて、スッキリと愉しませるフレッシュな好投内容。
★ひたすら陽気に唄うメロディーの美と安定律動的ノリのよさを何より大切にした、ブルース感覚にも富む和気あいあいにして歯切れよくイキのいいダイナミズム溢れる明朗で晴れ晴れしたリリカル・アクション調の行き方が、生鮮清新な中に程好い陰影・昏さを含んだ形で溌溂と進められてゆき、ハード・バップと云うよりは更にオールド・ファッション=昔気質なビ・バップに躙り寄った感もある快活コースの中で、一座の花形バエフスキー(as)や激渋コンビのウィルナー(p)&ブルキ(elg)らのアドリブ活躍が、確固と骨芯を据えて小気味よく鋭敏にスイングするギル(b)&ストラッサー(ds)の鉄板サポートにガッチリ支えられて、超デリシャスかつ中々コク深い醸熟感ある見せ場を代わる代わる濃密に飾ってゴキゲンだ。
★バエフスキー(as)の、パーカー・ライクではあるものの、つまり、パーカーを出発点としスティットやキャノンボールの成果も踏まえつつ、しかしどちらかと云うとハード・バップへの方向でなくウエストコースト・ジャズへ接近してゆく風な、マイルドで柔らか&涼やかなテンダネスに満ちたその寛ぎ吹鳴のあり様が何とも心地よい煌めきを湛えていて格別で、またブルキ(elg)のクリスチャン〜ケッセル系バップ・ギターの正統スタイルにファーロウやバレルに通じる分厚いドライヴ感も時折加えて見せる立ち働き、並びにウィルナー(p)のバップ・イディオムを重んじての結構カクカクした固い凹凸感あるアクティヴ技、もそれぞれ質素で滋味ある魅惑の個性を発揮していたりと、道程は徹頭徹尾伝統志向の耳寄りな聴きどころが目白押し。この、ジャム・セッションのようでいてさりげなくチームワークやアレンジ構成にも秀でた快演の連続を、決して出しゃばらずあくまでチームの一員としてキッチリ支えるウィルナー(p)のリーダーとしての適度に控えめで実直真摯な姿勢にも好感が持てる。
01. Dewey Square
02. Chasing The Bird
03. Lover Man (as-elg-b-ds quartet)
04. The Gypsy (p-b-ds trio)
05. Si Si
06. Quasimodo
07. I'll Walk Alone (elg-p-b-ds quartet)
08. Segment
09. Marmaduke
10. Parker's Mood
11. Constellation
*all compositions by Charlie Parker
except track 03 (Ram Ramirez)
track 04 (Billy Reid)
track 07 (Jule Styne)
Dmitry Baevsky ドミトリー・バエフスキー (alto saxophone except 04, 07)
Yves Brouqui イヴ・ブルキ (electric guitar except 04)
Spike Wilner スパイク・ウィルナー (piano except 03)
Paul Gill ポール・ギル (bass)
Joe Strasser ジョー・ストラッサー (drums)
2025年6月フランス-パリ録音
2026年デンマーク作品
レーベル:
SteepleChase
在庫有り
輸入盤CD