★ブラック・スピリチュアル・フリー派アルトサックスの最尖端名手=ユニークなスタイリスト:マリオン・ブラウン(1931年米ジョージア州アトランタ生まれ、2010年フロリダ州ハリウッドで死去)の、本盤は、ヨーロッパで録られた2つの未発表ライヴ→、第1は、ギュンター・ハンペル(vib)、バール・フィリップス(b)、スティーヴ・マッコール(ds)とのカルテットによる1968年3月16日フランス-パリのメゾン・ドゥ・ラ・ラジオ・フランスでの録音、第2は、スティーヴ・マッコール(ds,per)とのデュオによるブラウンはアルトの他バンブーフルートやパーカッションも奏する1972年8月22日フランス-オリウルで催されたシャトーヴァロン音楽祭出演時の録音、以上2種の公演音源をまとめた発掘アルバム。
★先ず'68年編では、スピリチュアルとアブストラクトの間を自在に往来するアルトの苛烈さを帯びた執拗な即興咆哮が、ヒンヤリ感あるクール&メタリックなヴィブラフォン以下サイド陣の遊撃的躍動に上手くプッシュされつつ、アナーキーかつ結構グルーヴィーに味わい濃い見せ場を飾ってゆく、この時代の硬派フリー・ジャズらしい生々しい気魄と破壊力に溢れた白熱の敢闘内容。
★フリーキー・トーン交じりでエモーションを絞り出すように吠え、叫び、唸るブラウン(as)が過激さの中にも歌性やブルース・フィーリングを潤沢に秘めたイキのいいインプロヴィゼーションを敏活屈強に繰り出して、堂々たるテイスティーな華を成し、打楽器性と幻覚トリップ効果の両輪でミステリアスに迫るハンペル(vib)や、バネを利かせてスピリチュアリティ一杯にウネウネと大きく波打つフィリップス(b)、半ばパルス状ながらしっかり歯切れよくスイングするマッコール(ds)、らの活躍もあって、無駄のない密度と色彩感でそれらが絶妙に重なり合った充実の鮮麗音空間に仕上げられている。
★一方、後半の'72年編では、腰を据えてマイペースで情魂味の強い唸り鳴きに没頭していたアルトがいつしかパーカッションにも転じて嬉々として座を掻き回し、対するドラムのこちらもパーカッションを併用しつつの何げにネチっこい絡みつき様も圧倒的サスペンスとグルーヴをシャープに齎す、といった具合で、カルテット版に比してより自由度と実験色を増した、しかし「フリー・ジャズ」の本道から決して外れない迫真熱演が展開されて大いに昂揚させられる抜群の生鮮内容となっている。
★両者がパーカッションを使う辺り、或いはブラウンがバンブーフルートらしきものを吹く辺り、ではちょっとエキゾティックな秘境音楽の様相も呈するが、基本はあくまでアメリカ産のスピリチュアル系フリー・ジャズを旨とするパッショネート&ソウルフルな行き方が貫かれ、ヴァイブや木琴を思わせるブラウンの不思議な打楽器演奏も好アクセントを成しながら、ブラウンの研ぎ澄まされたアルト・ブロウとマッコールのドシャバシャけたたましいドラム叩きが真っ向から激突する臨場感満点のエキサイティング世界だ。...というわけで両編ともブラウンの清新なクリエイティヴィティーが全開した無双の卓越作。
1. Current Events (Marion Brown) 12:08
2. Epiphanie (Gunter Hampel) 10:03
3. 61 To Erie Basin (Marion Brown) 10:37
4. Djinji's Corner (Marion Brown) 22:07
5. Afternoon Of A Georgia Faun (Marion Brown) 17:24
#1-#3:
Marion Brown (alto saxophone)
Gunter Hampel (vibraphone)
Barre Phillips (bass)
Steve McCall (drums)
1968年3月16日フランス-パリ(Salle 105)のMaison de la Radio Franceでのライヴ録音
#4,#5:
Marion Brown (alto saxophone, bamboo flute?, percussion)
Steve McCall (drums, percussion)
1972年8月22日フランス-オリウル(Ollioules)で開催されたFestival de Châteauvallonでのライヴ録音
レーベル:
No Business
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輸入盤CD