★先頃のCubic Zero名義の一作「Creeping Melibe」が好評だった、主に北海道で活動する急進派の女性アルトサックス奏者:吉田野乃子(1987年生まれ、北海道岩見沢市出身)(NYでのジョン・ゾーンとの出会いがきっかけで前衛音楽へ傾倒するようになり、ネッド・ローゼンバーグに師事)と、武井庸郎(ds)を中心とするこちらもラジカルな福岡のギター・トリオ(w./波多江崇行-elg&河内和彦-elb):Hattacre、とがガッチリ組み合った4人バンドによる中々過激な一編。
★キュキュッと絞りの利いた音色でシャープに哀愁を歌い上げたり、ヒズんだフリーキー・トーンで苛烈に絶叫したり、奇異頓狂な記号的サウンドを出して見せたり、かと思えば端麗さを保ってスピリチュアルかつ神妙にバラード節を唸ったりと、縦横無尽で変幻自在なアルトの吹鳴が飄々と軽やかに華のある魅力を放ち、
アブストラクト&ノイジーな掻き鳴らし攻勢で執拗に突っ掛かってくるエレキギターや、多彩そして屈強に神出鬼没なゲリラ・アタックの手を休めない黒幕オーラ漂うドラム、空間底部のグルーヴを意外と堅実に担保するエレキベース、らの活躍もそれぞれ強烈なインパクトで際立った、全体を通じアナーキーで破壊的ではあるが至って分かりやすい活劇エンタテインメント・タイプのヴァイオレント・アクション熱演が連続して、スカッと壮快に昂揚させられる突き抜けた会心打内容。
★オーネット&プライム・タイムやジョン・ゾーンのネイキッド・シティまたはペインキラー、辺りの成果を踏まえた所謂"フリー・ファンク"のスタイルを大凡のところ旨としており、激しく暴れ回る異種格闘技戦(場外乱闘の様相も...)的な遊撃コースの中で、吉田(as)や波多江(elg)の奔放燃焼や武井(ds)の後方支援などには決して甘んじない獰猛体当たり!、といったイキのいいフリー・インプロヴィゼーションの数々が結構ノリノリに愉しめる寸法だ。
★吉田(as)の、J・ゾーンの流れを汲みながらより日本的なスピリチュアリティの強化された印象のあるアグレッシヴ咆哮が、只ならぬ切迫感とスター性満点に一座の花形を堂々飾っていて、その爆発力と旨味に溢れた威勢のいいサウンドのあり様は文句なく格別で爽やかささえ感じさせ、かたや波多江(elg)の、F・フリスやJ・B・ウルマーらを土台に独自のフューチャー・ノイズへ昇華させた怪しい暗躍弾鳴も生鮮度抜群。
★そうした2人の鬩ぎ合いが見せ場のメインを成すが、隙あらばその勢力分布図を転覆させんと荒っぽくけたたましく出張ってくる武井(ds)の豪胆不敵な侵攻ぶりも、ナイス・スパイス効果。
01. Osa-sai (吉田 野乃子)
02. Trio X (武井 庸郎)
03. Song For Che (Charlie Haden)
04. 14 or 9 (吉田 野乃子)
05. 吉田とHattacreのブルース (吉田 野乃子)
06. Dee Dee (Ornette Coleman)
07. Pat (武井 庸郎)
08. そうつく (吉田 野乃子)
09. Take The F Train (吉田 野乃子)
10. Shiba-rel (吉田 野乃子) (as-elg-ds trio)
11. Jump Street (Ornette Coleman)
12. 大雨のあと (波多江 崇行)
13. 離合 (吉田 野乃子)
14. Trio X (take 2)*bonus track (武井 庸郎)
吉田 野乃子 Nonoko Yoshida (alto saxophone)
Hattacre:
波多江 崇行 Takayuki Hatae (electric guitar)
河内 和彦 Kazuhiko Kouchi (electric bass except 10)
武井 庸郎 Tsuneo Takei (drums)
2025年7月5日福岡県福岡市東区箱崎、箱崎水族館喫茶室録音
レーベル:
Ito Music Cultivation Factory
在庫有り
国内制作・紙ジャケット仕様CD
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