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ホーム2024年4月REVIEWピリッとスパイシーで背筋の伸びきった精悍鋭敏トランペットとレイジー・スモーキーなゆとりある懐深き純バップ・テナーの粋渋なる競合世界 CD 広瀬 未来 MIKI HIROSE / El valor エル・ヴァロール
商品詳細
★驀進の勢い止まぬ本邦現代トランペットの最高峰にして急先鋒:広瀬未来(1984年兵庫県神戸市生まれ)の、好評だった先年の一作「The Golden Mask」と同じ顔ぶれ、即ち、山口真文(ts)、片倉真由子(p)、中林薫平(b)、山田玲(ds)という最強の布陣を率いた鉄壁レギュラー・クインテットによる待望の第2作;演目は全曲広瀬のオリジナル。

★シャープ&ダイナミックに機敏な動きでプッシュしてくるリズム・セクションの攻勢に上手く触発されながら、ともにキリッと引き締まったトーンのフロント2管の息の合ったアンサンブルがファンファーレの如く勇ましげに旗めき、苦味走った陰影濃くハードボイルドな精悍トランペット始め、バップの旨味溢れる滑脱テナー、剛腕唸る強壮ピアノ、らが次々と鮮烈に、エキサイティングに見せ場を繋ぎ、雄弁に唄う肉太ベースや全方位から縦横無尽にパンチキックをカマしてくるドラム、らの活躍にも要所要所でスポットが当てられメリハリに富んだドラマティックな流れが形作られた、全編徹頭徹尾ストレートアヘッドな現代硬派ハード・バップのこれぞ真髄たる軒昂熱演が連続して、スカッと昂揚させてくれる会心打内容。

★概ね甘さは控えめだが歌心やブルース・フィーリングを潤沢に備える、シリアスな迫真力の中に吟醸的美味さがしっかり満ち溢れた正攻法勝負のモーダル・バピッシュ奏演、が歯切れよくスウィンギンに展開してゆき、律動性と遊撃力を絶妙に併有したリズム隊の生々しくスリリングに迫る気魄十二分の鋭敏アタック!にビシビシ煽られる恰好で、広瀬(tp)のキレのある中々コワモテな大立ち回り(一聴豪放大胆そうでいてバッチリ精確巧緻な高度テクニックに裏打ちされている!)や、山口(ts)のあくまで"バッパー"としてのスタンスにブレるところのないテイスティー・ブロウ、といったソロ活躍が中身のギュッと詰まった充実の盛り上がりを呈して実に壮快だ。

★広瀬(tp)の、ピリッとスパイスが効いていて絶えず背筋の伸びきった、似てはいないが例えばマイルスの60年代フリー・ブローイング期やハバード的ハイ・テクニカルさに通じるところのある結構ビター&ダークな凛然毅然たる咆哮が、ちょっと凄味めいた圧倒的迫力をもって堂々華を成しており(バラードでの繊細な耽美ロマンティストぶりもまた秀逸ではあるが)、対する山口(ts)の、広瀬とは好対照に終始レイジー・スモーキーなゆとりやけだるさを湛えつつ悠々と粋渋節を歌う、懐深いド真っ当ハード・バップ・プレイ(先頃の自己名義のソプラノ・カルテット盤とは打って変わった伸び伸びリラックスぶり?)の醸熟具合がこれまた絶品で、加えて片倉(p)のわりかし厳しい面持ちで硬質な力学的アクションを屈強かつ鋭角にぶつけてくるその雄渾たる態も殊の外頼もしかったり(相変らずの男前でアッパレ!惚れ直しました。)と、ソロ・コーナーは忘れ難い名場面の横溢で云うことなし。

1. Humorless
2. Mr.Calm
3. On-Off
4. Decision (tp-p-b-ds quartet)
5. Sunset Sunrise
6. El valor
7. B & S
8. Citrus

広瀬 未来 (trumpet)
山口 真文 (tenor saxophone except 4)
片倉 真由子 (piano)
中林 薫平 (bass)
山田 玲 (drums)

2023年10月17日 NK SOUND TOKYO(東京都新宿区四谷4丁目)録音
2024年日本作品

レーベル:Days of Delight

在庫有り
国内制作CD

ピリッとスパイシーで背筋の伸びきった精悍鋭敏トランペットとレイジー・スモーキーなゆとりある懐深き純バップ・テナーの粋渋なる競合世界 CD 広瀬 未来 MIKI HIROSE / El valor エル・ヴァロール[DOD 043]

販売価格: 2,640円(税込)
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商品情報
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DAYS OF DELIGHT

日本のジャズシーンをリードする俊英トランペッター・広瀬未来、待望の新譜『エル・ヴァロール』。
トップ奏者たちと生み出すスリリングな展開と圧倒的なドライブ感!

本作は、日本のジャズシーンの中核に位置するトップ奏者、山口真文(ts)、片倉真由子(p)、中林薫平(b)、山田玲(ds)を擁するレギュラークインテットの第2弾で、前作『The Golden Mask』(DOD-008)につづくもの。全曲をオリジナルの書き下ろしで臨んだ意欲作です。全編にわたるスリリングな展開と圧倒的なドライブ感がリスナーを刺激します。

「共演者に音楽的なフリーハンドを保証する。それぞれが“そのときの自分”に正直に演奏できる状況を確保する。それが広瀬未来の考えるバンドリーダー像です。そうであるにもかかわらず、いやそうであるからこそ、バンドサウンドに“生きた個性”が醸成されるのでしょう」――Days of Delight ファウンダー&プロデューサー 平野暁臣