CATFISH RECORDS

★ヨーロッパ・ハード・バップ・トランペットの最高峰名手：デュシュコ・ゴイコヴィチ(ダスコ・ゴイコヴィッチ)(1931年旧ユーゴスラヴィアのヤイツェ＝現ボスニアのヘルツェゴヴィナ生まれ)の、本盤は、人気作「After Hours」と同じく1971年スペインを訪れていた折に吹き込まれた、テテ・モントリュー(p)、フェルディナンド・ポヴェル(ts)らとのクインテット基本による傑作(1971年11月8日バルセロナ録音、原盤:Ensayo ENY-48)、の日本盤CD化。

★張りとキレと破裂(爆発)感があり、しなやかな伸びや弾性も備わった、イキイキとした表情変化を見せる生鮮トーンのトランペットが、硬派で勇み肌っぽいバピッシュなアクションやブルージーな吟醸フレーズと、明るく晴れやかな親しみやすい歌謡節、を掛け合わせながら勢いよくも滑脱に突き進んでゆく躍動的テイスティー・プレイ、を歯切れよく敏活に紡いで、煌めくような実に鮮麗なる華を成し、一方、エネルギッシュ&パッショネートに疾駆するピアノや、ワイルド&アグレッシヴに咆哮するテナー、らの熱のこもった奮戦もトランペットとは上手くコントラストを描きながらしっかり濃厚な魅力を際立たせた、全編正々堂々と直線コースを驀進する「ハード・バップらしいハード・バップ」が横溢してスカッと壮快に昂揚させてくれる、胸のすくクリーンヒット編。

★勇猛で精悍軒昂そしてダイナミックな苦味走った雄々しき立ち回りが決め込まれるも、歌心やブルース・フィーリングを潤沢に有した、ハードボイルドでいて粋渋な旨味溢れる白熱したスウィンギン敢闘が覇気も一杯に展開され、前のめりで猛烈にスイングしまくるサイド陣の、この時代ならではの生々しさ・荒々しさを含んだハッスルぶりの中にあって、ゴイコヴィチ(tp)の、どんなに激しい大アクション攻勢に臨んでいようとも決して汗をかいていない感じの、ひたすら端正で巧緻な、そして精確なシャープネスを身上とする、情感濃やかでこの上なく美しいアドリブ妙技が眩いほどに冴え渡って全く素晴らしい。

→一陣の青嵐が吹き抜けるが如くダイナミック&スピーディーな激動・激震を見せながらしかし、折り目正しく精巧緻密なその音響の安定具合にブレるところは一瞬もなく、一貫して独特の「クール・ブルー」なダンディズムめいた閃きが放たれ続けるという、そうした、激烈な中にも沈着なセンシビリティやジェントルマンらしさを絶やさない吹鳴のあり様は抜群にカッコよく超アザやか!!!　モーダル・エモーショナルに少々荒削りな煮え立ち具合・沸騰ぶりを見せるモントリュー(p)や、純正ハード・バップと熱血モード路線の間を烈しく往来するポヴェル(ts)、らの鬼の完全燃焼の様もエキサイティング至極。

1. イッツ・アバウト・ブルース・タイム
2. オールド・フォークス
3. ジ・エンド・オブ・ラヴ
4. ボスナ・コーリング
5. ユー・ノウ・アイ・ケア (ts-p-b-ds quartet)
6. ネームレス・チューン

Dusko Goykovich ダスコ・ゴイコヴィッチ (trumpet except 5)
Ferdinand Powell フェルディナンド・ポヴェル (tenor saxophone)
Tete Montoliu テテ・モントリュー (piano)
Robert Langereis ロバート・ランゲライス (bass)
Joe Nay ジョー・ネイ (drums)

1971年11月8日スペインのバルセロナ録音

レーベル：Solid ウルトラ・ヴァイヴ(Ultra-Vybe) Ensayo Timeless

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国内制作・最新リマスターCD
日本語解説書き下ろし
オリジナルジャケット使用