★自己コンボの他、日野皓正や佐藤允彦のグループでも辣腕を揮い、the MOSTやGH4、T.I.A.、Oaky、arbegそしてこのTriarchyといった精鋭ユニットも強力に推進してきた現代J-ジャズ界を代表するアルトサックスのヴェテラン覇者:多田誠司(1960年香川県高松市生まれ)の、本盤は、2023年に立ち上げた菊池太光(p)&楠井五月(b)との三者対等のドラムレス・トリオ=Triarchyのセカンド・アルバムとなる、2025年11月15日北千住バードランドでのライヴ編。
★冒頭、3楽器のクール・サウンド的テーマ・アンサンブルが重厚に響鳴した後、肉太くも引き締まったキレのあるトーンのアルトが、アーシー・バップ・アクションとも云うべき旨味たっぷりのダイナミック・プレイを威勢よく繰り出して精悍凛々の魅力を放ち、ファンキーとモーダルの間を往来する吟醸感に満ちたピアノや、とことん分厚い重圧感をみなぎらせつつウネウネと大きく波打つベース、らの躍動ぶりも各々濃く際立ち、かと思えば清涼感一杯のフルートがそよ風の如く爽やかな息吹きをデリケートに聞かせたりと、全体を通じバップとブルースと歌謡フィーリングを変らず合言葉とした娯楽活劇風のスインギー快演が続いて、スッキリと愉しませる何げに高密度なクリーンヒット内容。
★ドラムレスゆえの滑らかな流れが齎される反面、楠井(b)のひたすらドッシリしたワイド&ヘヴィーウェイトなブットいウネりが奏効してトータル・サウンドはさほど軽くもない(この楠井がグループ全体の錨・重しのような役割を担っていて正に百万馬力!)、中々骨芯の据わったメロディック・バピッシュ快演がノリよく歯切れよく展開してゆき、瞬発力抜群に機動する菊池(p)やこってり感満点の饒舌な楠井(b)も各々コク深い妙味を揮いつつ、彼らに上手くプッシュされて、多田(as)の伸び伸び構えていながら無駄がなく一定の折り目正しさを保ったアドリブ技が鋭敏さをもってアザやかな冴えを、キレを見せており卓抜だ。
→パーカーを出発点としスティットやキャノンボールを経由してマクリーンへ行き着き、そこから更にモーダル・ファンク方向へ行ったりウエストコースト傾向へUターンして見せたりと、ヴァラエティーに富み回り道を巡りに巡る、しかもそれら幾種かの文体スタイルが均衡を保って一つにまとまり、なおかつ文脈全体は巧まず作劇的にキッチリ構成されてもいる、という、独特の端正な風合いに貫かれた吹鳴のあり様はまさしく鮮麗の極み。三者対等を謳っているがしかしやはり多田の整ったスターぶりが断然ズバ抜けている。
1. Taddy's Bright
2. Riverside Memories
3. Don't Cry Over Spilt Milk
4. A House Is Not A Home
5. Lily On The Hill
6. My Funny Valentine
多田 誠司 (alto saxophone except 2) (flute on 2) (vocal on 6)
菊池 太光 (piano)
楠井 五月 (bass)
2025年11月15日北千住バードランドでのライヴ録音
レーベル:
Studio TLive
在庫有り
国内制作・見開き紙ジャケット仕様CD