★ディレク・ベイリー(g)(1930年英国サウス・ヨークシャー州シェフィールド生まれ、2005年ロンドンで死去)&ジョン・スティーヴンス(per)(1940年英国ミドルセックス州ブレントフォード生まれ、1994年ロンドンのイーリング区=Ealingで死去)という、スティーヴンスの主導するSME(Spontaneous Music Ensemble)を始め長年に渡り頻繁に共演を重ねてきた英国フリー派の名コンビによる、本盤は、1989年3月24日ロンドンのThe Duke of Wellingtonで行なったデュオ・ライヴの模様を捉えた未発表音源の発掘アルバム=300枚限定版。
★鋭く引っ掻きハジく感じで執拗に鉄屑(or針金?)を叩き鳴らすような細く尖ったノイジーなギターのインプロが、頑としてマイペースっぽく怪しい異形のアブストラクト世界をブレなく迷いなく濃密に形作り、これに敏感に呼応しつつ半律動的グルーヴと無作為げな迫真サスペンスの間を忙しなく往来するパーカッションの、スピード感と瞬発力に満ちた刻々と移ろうカラフルな鳴動も中々ダイナミックにその存在を際立たせた、全編に渡りヨーロッパ流インプロヴァイズド・ミュージックの典型らしい地下密室実験風の硬質でアヤしげなやりとりが続いて、密度も高く昂揚させられる鮮やかな充実内容。
★張り詰めた緊迫感のもとに両雄の奇音めいた怪異な即興ワザが速射電撃的にぶつかり合ってゆくが、徹底してアブノーマルにヒネクレまくったノイズ弾鳴を嬉々としてイキイキ繰り出すベイリー(g)と、楽器として、音色としての特性もありシュールで抽象的な中にもジャズのノリが見え隠れするスティーヴンス(per)、とが上手くコントラストを成す各々一歩も引かぬ完全拮抗状態の道程の中で、それぞれの腰を据えて伸びやかに必殺の至芸を決める真性フリー・インプロヴァイザー然たる躍動の様、匠の技の数々がちょっと鍛冶屋の作業場を思わせる荒っぽい猥雑さ・雑色感を伴いながら閃光の如く眩い見せ場を飾って、大いに愉しませる。
★ベイリー(g)の、終始一貫してアンタッチャブルな雑音音楽の極致を探究する風な、そういう音の幾何学立体図形実験に没頭する感じの一切妥協のない行き方が、決して安易に親しみを抱かせぬさすが孤高の絶好調ぶりを、剃刀のキレを示していて見事で、かたやスティーヴンス(per)の、キャッチーでこそないものの多種多様な"グルーヴ"の原始(にして最尖端)形態を手を代え品を代え高濃度に体現してのけた、奔放自在のゲリラ攻勢も全く圧倒的だ。
1. I'm Alright Actually (21:45)
2. What's The Time? (20:30)
3. More (9:49)
Derek Bailey (acoustic guitar) (amplified acoustic guitar on 2, 3)
John Stevens (percussion) (pocket trumpet on 2)
1989年3月24日英ロンドンのThe Duke of Wellingtonでのライヴ録音
レーベル:
Confront Recordings
在庫有り
輸入盤300枚限定・紙ジャケット仕様CD