★先頃の一作「Lovabye」が好評だった、ニューヨーク生まれのボストン育ち、現在32歳のニューヨークで活動している黒人テナーサックス奏者:グレゴリー・グルーヴァー・ジュニアの、クリスクロスでの2作目、通算4作目のリーダー・アルバムとなる本盤は、前作とはジョエル・ロス(vib)以外のメンバーを一新したクインテットによる、自作曲メインの一編。
★丸みや柔らかさと鋭いキレのあるアタックを共存させた、中々味わいに富む音色のテナーが、素早く敏活な立ち回り場面にあっても一定のレイドバック感や歌心を決して失わない、ソフトで優しい風合いの情感豊かなアクティヴ・メロディック・プレイをゆとりと節度をもって流麗に綴って、旨味溢れるジェントル・グルーヴィーな魅力を放ち、ひんやりクールでパーカッシヴな中にブルース由来の吟醸感を滲ませるヴィブラフォンも華々しく対抗馬役を担い、またソリッド&スクエアーなピアノ弾鳴も手堅く抑え効果を揮った、全編至って真っ当な現代ポスト・バップの典型たる好投が続いてスッキリと愉しませる爽快内容。
★親しみやすい旋律の美と安定律動的ノリのよさを何より重んじ、昔ながらのアーシーなブルース・フィーリングやバップ・スピリットを有すると同時にモード以降のインテリジェントなアクティヴィティ加えて仄かなアグレッシヴさも自然に備わった、バランス絶妙の摑みのいいリリカル・アクション的エンターテイニング快演が溌溂と進められてゆき、精悍さと和気、親密性と開放感が混在するメリハリの利いたドラマティックな道程の中で、かつてのトニー・ウィリアムスやジャック・ディジョネットを想起させるところもあるK・スコット(ds)の手数多く芸の細かい遊撃攻勢も絶えず頼もしく、そしてリアル・スリリングに鉄板の光輝を発しつつ、フロントではグルーヴァー(ts)やロス(vib)らの腰を据えて伸びやかに躍動するアドリブ奮戦が何とも清々しい豊作ぶりを呈してゴキゲンだ。
★グルーヴァー(ts)の、ファンキーな純正バッパー風の粋渋さ漂う唄い様を見せたかと思えば、M-BASEファンク辺りを踏まえた上でハード・バップにフィードバックした感じのスタイリッシュな文脈を展開したりもする、一貫してある種のソフィスティケーションやリラクゼーションを手放さないマイルド・ドライヴィング・ブロウが颯爽とした冴えを、映えを示していてこれが何とも余情深く、そうした"今時の寛ぎテナー"たる吹鳴キャラはレスター系などとは全く異なりまたコルトレーンの影響からも外れたダイナミズムが顕されたりもしていて、独自の懐広い悠々とした個性を確立しており見事。
★ボビー・ハッチャーソン辺りを出発点としたロス(vib)の清涼&潤滑にして折り目正しくブルージーなスムース・メタリック技も生鮮度抜群で◎。コーニッシュ(p)の全体の引き締め役を担った硬質弾奏も上手くツボにハマッて好印象。
01. Spaces (3:27)
02. 551 (7:00)
03. Go For Broke (4:45)
04. Rain Shall Fall (5:48)
05. Retrogade (6:38)
06. Sumner (3:03)
07. Good Sir (5:07)
08. Juanita And Betty (3:36)
09. William And Vinson (4:40)
10. Old Knew (7:33)
11. Arrivals (2:02)
Gregory Groover Jr. (tenor saxophone)
Joel Ross (vibraphone)
Paul Cornish (piano) (electric piano on 10)
Harish Raghavan (bass)
Kendrick Scott (drums)
2025年1月6日米ニューヨーク市のthe Sear Sound Studio録音
2025年オランダ作品
レーベル:
Criss Cross
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