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ホーム2025年6月REVIEWリキみを解いてレイドバックしたスモーキー&リラクシングな煙霧の如きテナー吹鳴とよりアグレッシヴ&パッショネートなソプラノ咆哮がともに無双の熟達ぶりを見せた幽玄深き芳醇編 輸入盤CD JOSHUA REDMAN ジョシュア・レッドマン / WORDS FALL SHORT ワーズ・フォール・ショート
商品詳細
★云わずと知れた当代コンテンポラリー・ジャズ・テナーサックスの最高峰にして個性的スタイリスト:ジョシュア・レッドマン(1969年米カリフォルニア州バークレー生まれ)の、ブルーノートからの2作目となる本盤は、若手を登用した現在のレギュラー・カルテットを基本に、メリッサ・アルダナ(ts)他のゲスト陣も交えつつの、ジョシュア・レッドマン自身がプロデュースを務めた多分に円熟を感じさせる一編。

★力を抜いて鼻唄のように繰り出される幾分掠れ気味な柔らかトーンのテナーのレイジー・スモーキーにして哀愁滲むメロディック・プレイが、幽玄深くもしっかりグルーヴィーな妙味を放ち、ダイナミックに鋭角的リズムをつけつつリリカルなフレージングでこれを盛り立てるピアノ以下、リズム・セクションの中々機略縦横なる遊撃的サポートもノリとスリルを的確に醸成、加えて固く尖った音色のソプラノの一音一音をクッキリ明瞭に浮かび上がらせるビターなメランコリック節も好アクセント然と際立った、全編現代流のポスト・バップには違いないがジョシュア・レッドマン独自の憂きストーリーテリングが利いて何ともアジなスウィンギン抒情世界が創出された、殊の外フレッシュ・テイスティーな会心打内容。

★歌心とスイング感を重んじるも甘さに流されずブルージーな旨味にも富んだ今日版ストレートアヘッド・ジャズの鑑!、たる情緒型アクション調の歯切れよい行き方が続き、ハード・バピッシュな粋渋吟醸感や味のあるグルーヴ傾向と、曲想ならびにレッドマンのとりわけテナーに顕れるアンニュイな思索性、のバランスも絶妙な道程の中で、あくまでマイペースを保ち悠々伸び伸びと得意技をキメるレッドマンの雄姿が、抜きん出て鮮やかな絶好調ぶりそして圧倒的スター性を見せて素晴らしい。

→テナーにおける、終始リキまぬ自然体でちょっぴりけだるいリラクゼーションやレイドバック感を煙霧の如く立ち昇らせる、滑りのいいその半デカダンな愁いの描写が巧まず備わった流麗なるスイング感覚と相まって卓越した無双の魅力を揮いきっており絶品で、一方ソプラノに持ち替えての、より力のこもった凛々しさ・意志の強さを感じさせる半ばアグレッシヴでパッショネートなアプローチも、テナーとは対照的にタフめ・シリアスめの趣を呈してまた一興。

★ちょっとショーター・ライクなアルダナ(ts)、純ハード・バッパーらしいピリッと苦味走ったタン(tp)、翳りある薫り高い妖艶さを切々と繊細に振りまくカヴァッサ(vo)ら、ゲスト陣の活躍も大いに聴きもの。

1. A Message To Unsend メッセージ・トゥ・アンセンド
2. So It Goes ソー・イット・ゴーズ
3. Words Fall Short ワーズ・フォール・ショート
4. Borrowed Eyes ボロード・アイズ
5. Icarus イカロス
6. Over The Jelly-Green Sea オーヴァー・ザ・ジェリーグリーン・シー
7. She Knows シー・ノウズ
8. Era's End エラズ・エンド

Joshua Redman ジョシュア・レッドマン (tenor saxophone on 1, 2, 4, 5, 8) (soprano saxophone on 3, 6, 7)
Paul Cornish ポール・コーニッシュ (piano)
Philip Norris フィリップ・ノリス (bass)
Nazir Ebo ナジル・エボ (drums)

guests:
Melissa Aldana メリッサ・アルダナ (tenor saxophone on 2)
Skylar Tang スカイラー・タン (trumpet on 5)
Gabrielle Cavassa ガブリエル・カヴァッサ (vocal on 8)

2024年11月30日-12月2日米ニューヨーク、オクターヴン・オーディオ録音

レーベル:Blue Note

在庫有り
輸入盤・見開き紙ジャケット仕様CD


リキみを解いてレイドバックしたスモーキー&リラクシングな煙霧の如きテナー吹鳴とよりアグレッシヴ&パッショネートなソプラノ咆哮がともに無双の熟達ぶりを見せた幽玄深き芳醇編 輸入盤CD JOSHUA REDMAN ジョシュア・レッドマン / WORDS FALL SHORT ワーズ・フォール・ショート[BLUENOTE 759 1509]

販売価格: 2,950円(税込)
数量:
商品情報
BLUENOTE

★現代最高峰サックス奏者のブルーノート二作目は、 若きレギュラー・カルテットと練り上げた全曲書き下ろしの充実作‼

★本作は約2年ぶりとなるニュー・アルバム。ポール・コーニッシュ(p)、フィリップ・ノリス(b)、ナジル・エボ(ds)という現在のレギュラー・カルテットを中心とした編成で8曲を収録。

★このメンバーで数多くのツアーを回るうちに新作のインスピレーションが湧き、サウンドチェックの時間も利用してアイデアを練ってきたという本人の言葉通り、収録曲は全て書き下ろしの新曲という充実の内容となっている。うち3曲には、メリッサ・アルダナ(ts)、スカイラー・タン(tp)、そして前作『ホエア・アー・ウィー』にも大きく貢献したガブリエル・カヴァッサ(vo)をゲストとして迎えている。

★人間の不完全性の美しさがテーマだという本作では、これまで以上に楽曲やフレージングにリリカルな表現が見られるのも印象的だ。楽曲のアイデア自体はコロナ禍にできていたという彼は、本作のいきさつについて「サウンドチェックの時、とある曲をプレイしてみようと思ったんだ。いい感じだったから、”もう一度やってみよう”とメンバーに言った。10分ほどで3曲ほど演奏して、”アルバムの準備はできた”と気づいたんだ。バンドを率いる時のアプローチはずっと変わっていない。最高のミュージシャンたちとプレイしているからね。彼らはあらゆるジャズのボキャブラリーを習得しているだけではなく、優れた聞き手でもあり、コラボレーターでもある。つまり、グループの即興演奏と集団的な相互作用を通して、個々の才能を表現する方法をみんな知っているんだ」と語っている。

★また、アルバムの内容については「私たちは未来がどうなるのかという大きな問いに直面している。言語への数学的なアプローチは、『知的』『生産的』『創造的』とはどういうことなのか、という問いさえも私たちに突きつけてくる。私は根っからのヒューマニストであり、言葉の影、テクノロジーでは捉えきれないものを信じているんだ」とコメントしている。

プロデュース:ジョシュア・レッドマン