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ホーム2025年4月REVIEW野太く豪放磊落で粘っこい、ハード・ドライヴ感溢れる重厚ダイナミック・テナー咆哮が少々荒削りに圧倒的醸熟感を見せた痛快作 輸入盤CD DAVID MURRAY QUARTET デイヴィッド・マレイ / BIRDLY SERENADE
商品詳細
★お馴染みロフト派アメリカン・ブラック・スピリチュアル・テナーの大御所:デイヴィッド・マレイ(1955年米カリフォルニア州オークランド生まれ)の、Impulse!への移籍第1弾となる本盤は、レギュラーの鉄壁カルテットに、女性ヴォーカル(英語)もしくは女性ポエトリー・リーディング(フランス語)を一部交えながらの、鳥の囀り・鳥の歌にインスパイアされた「バード・ソング・プロジェクト」の一環としての入魂作。

★バネを利かせて重厚に地を這い転がる肉太ベースのウネり鳴動も雄渾げに際立つ中で、これまた分厚く逞しい、同時に微妙な倦怠感や粘着味を含んだ剛健トーンのテナーが、時折フリーキーとまでは行かぬも音色をヒズませながら豪放磊落に雄叫びを上げる風なドライヴ感みなぎった漆黒のブルージー咆哮を轟かせて、タフ&ストロングな揺るぎない濃い口の魅力を放ち、或いは野太くワイド&ヘヴィーな鳴り様を呈するバスクラの嘶きもコク深くグルーヴィーに映えて、トータルとしては熟したブラック・スピリチュアリティ溢れる勇壮な躍動世界が屈強そうに創出された、昂揚感満点の敢闘内容。

★(大雑把に捉えるなら)硬派で猛々しさあるマレイ流のモーダル・ポスト・バップ熱演が圧倒的スケールでダイナミックに展開され、一部完全なフリー派スタイルとなって強硬に暴れ倒す乱調トラックもあって(#4とか#6とか)不意を衝いてもくるが、大方は中々獰猛な野性味満点ながら調性の枠内にとどまったスピリチュアル・ジャズもしくはハード・バップ演奏が少々荒っぽく(ピリッとスパイス効果を伴いつつ)推し進められて、聴く者を問答無用に興奮させるマレイ・ミュージックの大波が全編に渡り烈々と押し寄せており、気力も充実しきった絶好調のマレイ(ts,bcl)を始め全者一丸となっての悔いなき燃えっぷりが清々しいカタルシスを齎す。

★マレイ(ts,bcl)の、ブルースやバップを朗々と歌いながら例によってほんの少し音程を外したかのようなネバっこさ漂うそのハード・ドライヴィング・ブロウが、超芳醇な醸熟の妙味を悠々と揮っていて何より圧巻で、このマレイと絶妙なる相性のよさを示すマルタ・サンチェス女史(p)のニガみ&辛味の効いたハードかつダークな力学アクションや、ゲスト参加でこってりソウルフルに歌うEkep Nkwelle(vo)の黒々とした熱唱、といった辺りもばっちりテイスティーに奮っていたりと、旨味たっぷりの聴きどころには事欠かない。

1. Birdly Serenade (feat. Ekep Nkwelle)
2. Bald Ego
3. Song Of The World (for Mixashawn Rozie) (feat. Ekep Nkwelle)
4. Black Bird's Gonna Lite Up The Night
5. Nonna's Last Flight
6. Capistrano Swallow
7. Bird's The Word
8. Oiseau Du Paradis (feat. Francesca Cinelli)

David Murray デイヴィッド・マレイ (tenor saxophone except 3, 5) (bass clarinet on 3, 5)
Marta Sanchez マルタ・サンチェス (piano)
Luke Stewart ルーク・スチュワート (bass)
Russel Carter ラッセル・カーター (drums)

*guests:
Ekep Nkwelle (vocal on 1, 3)
Francesca Cinelli (voice = poetry reading on 8)

米ニュージャージー州イングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオ録音
2025年アメリカ作品

レーベル:Impulse!

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在庫有り
輸入盤CD






野太く豪放磊落で粘っこい、ハード・ドライヴ感溢れる重厚ダイナミック・テナー咆哮が少々荒削りに圧倒的醸熟感を見せた痛快作 輸入盤CD DAVID MURRAY QUARTET デイヴィッド・マレイ / BIRDLY SERENADE[IMPULSE 759 1591]

販売価格: 3,000円(税込)
数量:
商品情報
impulse!

★テナー・サックス/バス・クラリネット奏者、デヴィッド・マレイのimpulse!移籍第一弾!

■『Birdly Serenade』は伝統に根ざしながらも大胆で革新的なサウンドに仕上がっており、“元祖即興演奏家”である鳥たちからインスピレーションを得た作品集となっている。レコーディングはいくつもの伝説的な作品が産まれたヴァン・ゲルダー・スタジオで行われた。ピアニストのマルタ・サンチェス、ベーシストのルーク・スチュワート、ドラマーのラッセル・カーターらオールスター・トリオとの共演は、ニューヨーク・タイムズ紙の 2024 年のベスト・ジャズ・アルバムに選ばれたマレイの妻へ捧げられたアルバム『Francesca』に続いて 2作目となる。

★今作はグラミー賞受賞経験を持つ『バードソング・プロジェクト』の最新作。『バードソング・プロジェクト』はランドール・ポスターとスチュワート・ラーマンがプロデュースし、すでにヨーヨー・マ、マーク・ロンソン、ザ・フレーミング・リップスなど、ジャンルを横断してあらゆるアーティストが参加している。
『バードソング・プロジェクト』は全米オーデュボン協会をはじめ、ブルックリン植物園等のパートナーとのコラボレーションにより、鳥類保護の世界で最も活発で影響力のある文化的なプロジェクトのひとつとして台頭してきた。

■このパートナーシップとデヴィッド・マレイの『Birdsong Project』について、グラミー賞受賞プロデューサーで音楽監督のランドール・ポスターは、「Birdsong Project は、デヴィッド・マレイと彼の天才的なカルテットによる『Birdly Serenade』を紹介できることを光栄に思います。鳥の世界にインスパイアされたこれらの音楽は、マレイの素晴らしさに溢れています。デヴィッドの作曲と演奏は比類のないものです。彼とバンドは、私たちが愛する鳥のように、何度も何度も飛び立っていきます。」と語っている。


★2024年のジャズ界の驚異の1つである、デイヴィッド マレーの最新カルテットの結成により、彼は現在の最先端のジャズ芸術を牽引するアーティストとして再び登場しました。Impulse! Records デビューのために、バンドはヴァン ゲルダー スタジオでレコーディングを行い、人類以前の音楽である鳥の歌からインスピレーションを得ました。Birdly Serenade は、 The Birdsong Projectの新作です。オリジナル作品のうち6点は、アディロンダックにあるアーティストの隠れ家で、湖、森、そして果てしなく広がる空の中で制作されました。(新譜インフォより)