★先年の第1作「Charles, Play!」も好評だった、米カリフォルニア州オークランドに本拠を置いてサンフランシスコ〜ベイ・エリアのシーンで活動しているピアニスト:チャールズ・チェン(米カリフォルニア州クパチーノ出身)の、今回は、ランディ・ブレッカー(tp)やボブ・シェパード(ts)らを迎えて、2管クインテットを基本に、3管セクステット、ワンホーン・カルテット、ピアノ・トリオ(CDのみ)にも転じつつの覇気漲った一編。
★スモーキーな陰影とクリーンな透明感が表裏を成し、精妙で端正、と同時に歯切れよくコロコロと小石を転がすような硬質堅牢さや鋭角性も備わった、中々ニュアンス濃やかな明晰タッチのピアノが、ある時はモーダル・アグレッシヴな熱っぽい押せ押せの疾走攻勢で迫り、ある時は吟醸感溢れる渋いブルース節を唄い、またある時はマイルド&テンダーにロマンティックな抒情詩的音景色を映し出す、という、振り幅に富むもトータルなアウトラインとしては真っ当なメインストリーマー気質の硬派にしてメロディー・センス卓抜なるアクティヴ娯楽指向プレイを敏活に綴って、確固たるテイスティー・グルーヴィーな魅力を放ち、ピリッとしたハードボイルド感ハンパないトランペットや重厚肉太なドライヴ感みなぎるテナーらも各々旨味たっぷりに頼もしく主役の座を脅かして、管入りハード・バップの王道らしいスウィンギン&スリリングな鬩ぎ合い活劇エンタテインメントの世界がイキイキと創出された会心打内容。
★歌心とスイング感にポイントを絞った、ブルース色も濃い徹頭徹尾"ハード・バップらしいハード・バップ"大会がダイナミックかつ愉しげに推し進められ、質実剛健のタフネス&ストロングネスが際立つ一方で和気あいあいの打ち解けたムードも漂うバランス絶妙な道程の中、ナスボーム(ds)&リッチモンド(b)の何げに一分の隙もない芸達者な基底ビート演出もノリにノッた鉄板の妙味をクッキリ浮かび上がらせつつ、彼らにガッチリ支えられ、ノセられる恰好で、チェン(p)、ブレッカー(tp)、シェパード(ts)らの気合の入ったソロ活躍が胸のすくような清やかな大豊作ぶりを見せてゆく。
★ブレッカー(tp)の醸熟感に満ちた翳のあるビタースウィートな吹鳴が登場してくると全ての他者を霞ませてしまう圧倒的スター性(〜天下無敵の一強ぶり)が悠々発揮される、辺りはご愛嬌だが、これに負けじと踏ん張るリーダー:チェン(p)の、バラードや寛ぎ路線でのスウィート&テンダーな和みフレージングであったり玉転がしタッチの小粋なファンキー節であったり、モード色濃い局面でのマッコイばりのパッショネートな熱血アタックであったり、更にはエレピに転じてのファンク的ブルース・フレイヴァーこってりのグルーヴ・アクションであったり(エレピ曲はCD版にのみ収録)の、表情多彩に全身全霊で諸先輩に挑みぶつかってゆく肝の据わった奮戦がまた殊の外フレッシュでナイス。真剣勝負の勇猛なハード・ドライヴィング咆哮と脱力したソフト・スムースなリラクゼーション表現を上手く使い分けるテナー(シェパードか?フェルドマンか?)の練達ワザも光る。
Side A:
1. Kismet (tp-ts-ts-p-b-ds)
2. Zhang Fei, Fierce Warrior (tp-ts-p-b-ds)
3. If On A Winter's Night A Traveler (tp-ts-p-b-ds)
Side B:
4. Straw Hat (tp-ts-p-b-ds)
5. Soph, Aeon Of Wisdom (tp-ts-ts-p-b-ds)
6. Stardust (ts-p-b-ds)
Randy Brecker (trumpet)
Bob Sheppard (tenor saxophone)
Lawrence Feldman (tenor saxophone)
Charles Chen (piano)
Mike Richmond (bass)
Adam Nussbaum (drums)
2024年7月8日米ニューヨーク市マウント・ヴァーノンのOktaven Audio録音
2025年カナダ作品
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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