CATFISH RECORDS

★今やカナダ・ジャズ界を代表する大物となったヴェテラン敏腕トランぺッター兼ピアニスト(ドラマーでもある)：ブラッド・ターナー(1967年カナダ-ブリティッシュ・コロンビア州ラングリー生まれ)の、今回は、ピーター・バーンスタイン(g)が全面参加しコリー・ウィーズ(ts)も4曲に参加、そして自身は6曲でトランペットを、3曲でピアノを奏するという、中々変化に富んだクインテット＆カルテットによる一編(一部ライヴ音源含む)。

★まろやかなソフトネスとシャープなキレや張りを自然に併せ持った味のあるトーンのトランペットが、バップ&ブルースの定番イディオムに歌謡性を掛け合わせた快活で端正な躍動的メロディック・プレイを朗々と綴って、親しみやすい情味もたっぷりの適宜キリッとしたテイスティー・グルーヴィーな華を成し、一方、野太く重厚な音色で渦巻くようなドライヴ感満点のシブ猛々しい吠えっぷりを見せるテナーや、ある時はメロウ・ムーディーに座を潤ませ、またある時は切れ味鋭くホット&アーシーに吟醸的グルーヴを体現するギター、あくまでソリッド&スクエアーに粛々と殺陣ワザをキメる堅牢ピアノ、らの活躍も各々スター性充分にしっかり濃い彩りを添えた、全体を通じモダン・ジャズ黄金時代を思わせる真っ当筋の驀進が続いて、スカッと壮快にノリとウマみを満喫させてくれる会心打内容。

★歌心とスイング感にポイントを絞った徹頭徹尾「ハード・バップらしいハード・バップ」演奏が溌溂と、意気軒昂げに展開してゆき、律動力とメロディー・センスともに抜群なスウェインソン(b)のコク旨ウネり妙技や、大きく震動するように揺れ暴れながら的確に衝きやパンチ・キックを入れてくるデイヴィス(ds)らの遊撃ぶりもピタリとツボにハマッて頼もしくノリを強化し続ける中で、ターナー(tp,p)、ウィーズ(ts)、バーンスタイン(g)の気合みなぎったアドリブ奮戦が誠に鮮麗かつ芳醇なる盛り上がりを呈してゴキゲンだ。

★ターナー(tp,p)の、トランペットでは殊の外精悍でピリッと背筋の伸びきった勇壮この上なしの、しかも取っ付きやすい旋律美の宝庫でもあるバランスのとれたメインストリーマーぶりを堂々と余裕をもって発揮し、ピアノではパウエルを出発点とした伝統的バップ奏法やハンコック辺りに倣った風なパーカッシヴ・アクション、といった幾分朴訥さを感じさせる力学指向のアプローチでトランペット時の自在雄弁さとは異なる職人面を確固と顕示して上手く変化をつける、といった具合でその中々ドラマティックな立ち働きが実にフレッシュに冴え渡っており、また、そうしたターナーのシャープネスに比してより武骨で図太い豪快さを露呈してみせるウィーズ(ts)や、絶えずワンポイントのゆとりをキープしつつ悠々とマイペースで醸熟の至芸を繰り出すバーンスタイン(g)の生粋バッパー&生粋ブルースマンたる粋渋勇躍、なども超美味しく煌めいていたりと、ソロ・コーナーは充実名場面の連続。

1. You're OK (tp-g-p-ds quartet)
2. Barney's Castle (tp-ts-g-b-ds quintet)
3. Slapped My Mind (ts-g-p-b-ds quintet)
4. Virtue Signals (g-p-b-ds quartet)
5. To Begin, Begin (tp-g-b-ds quartet)
6. Bernice (g-p-b-ds quartet)
7. The Magnificent (tp-ts-g-b-ds quintet) (＊live)
8. Theme For Jocie (tp-g-b-ds quartet)
9. Rosemary (tp-ts-g-b-ds quintet) (＊live)

Brad Turner (trumpet on 1,2,5,7,8,9) (piano on 3,4,6)
Cory Weeds (tenor saxophone on 2,3,7,9)
Peter Bernstein (guitar)
Neil Swainson (bass)
Quincy Davis (drums)

2023年1月16日カナダ-ブリティッシュ・コロンビア州ヴァンクーヴァーのMonarch Studios録音
#7, #9：2023年1月15日ヴァンクーヴァーのFrankie's Jazz Clubでのライヴ録音

レーベル：Cellar Music (Cellar Live)

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します
紙ジャケット仕様CD