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ホーム2022年5月REVIEW荘厳壮麗な折り目正しい様式美と品格に溢れる一方、アナーキー&ノイジーなフリー・インプロ色も程好く加味される現代流チェンバー・ジャズ世界 CD MARY HALVORSON メリー・ハルヴァーソン / BELLADONNA
商品詳細
★ブルックリンを拠点としつつニューヨークの主にアヴァンギャルドなシーンで活躍し、アルバムも着々とリリース、最近では自己の主力ユニット:Code Girlによる第2作「Artlessly Falling」(2019年録音 Firehouse 12)が注目を集めていた、中々トンガった進歩派・個性派な女性ギターの鬼才:メリー・ハルヴァーソン(1980年米マサチューセッツ州ブルックライン生まれ)の、Nonesuchへ移籍しての第1弾=2作同時リリースの組曲作品の一つ、→自身のギター1本とストリング・カルテット(The Mivos Quartet)を嚙ませた5人体制での一編。

★現代クラシックの室内楽物(バロック物?)っぽいストリング・セクションの荘重さ・荘厳さ漂うエレガントな調べと、ジャズならではのグルーヴ感や旨味をベースにフリー即興派タイプのニガく辛い抽象色も適宜盛り込んでくるギターの奔放な立ち回り、とがコントラストも鮮やかに不思議としっくりくる融和具合を見せ、かと思えば時にはストリングス側がギターに呼応するようにノイジー&アブストラクトな鳴動を示したり、ギターの方がチェンバー的様式美を表した端正なバラード・プレイを繰り出したり、などの転回も挿みながらメリハリの利いたドラマティックな流れを形作ってゆく、中々よく練り上げられた妙演内容。

★大方は「今日流のチェンバー・ジャズ」風の壮麗優美にして不穏なサスペンスも仄めく、折り目正しくきめの細かい抒情派演奏が粛々と展開され、ストリング陣の唯美的でムーディーな気品溢れるサロン調のアンサンブルをバックに、張りと厚みとキレある音色のギターが、バップ、ブルース、コンテンポラリー等のスタイルを消化したグルーヴィーなアドリブ・ソロを聴かせる、辺りのテイスティーな趣には実に味わい深い、芳醇なる魅力があるが、このギターは結構なクセ者でもあり、そうした端麗美をブチ破るようなアナーキーな雑音めいた音塊をぶつけてきたりなどの「いきなりスパイス!」的アクセントを悠々つけても見せ、それに乗じて?ストリングスの方も典雅さから一転してカオスっぽい混沌轟鳴に突入して行ったりと、基本はあくまで落ち着いたチェンバー・ミュージック調だが意表を衝く要素も多々用意されて、スリル&清新味が途切れない。

★ハルヴァーソン(g)の、ちょっと奇異で頓狂な実験ノイズ風のフリー・インプロを不敵にカマしてくるところもあるものの、本作ではわりかしオーソドックスなジャズ・ギターの定番ワザがあくまで根幹に据えられており、意外に粋で渋い吟醸的バッパー&ブルース者たる旨口弾奏がしっかり聴ける、のも新鮮な妙味だ。

1. Nodding Yellow
2. Moonburn
3. Flying Song
4. Haunted Head
5. Belladonna

Mary Halvorson (guitar)

The Mivos Quartet:
Olivia De Prato (violin)
Maya Bennardo (violin)
Victor Lowrie Tafoya (viola)
Tyler J. Borden (cello)

2021年9月12&13日ニューヨークシティのSear Sound録音

レーベル:Nonesuch

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します
見開き紙ジャケット仕様CD


荘厳壮麗な折り目正しい様式美と品格に溢れる一方、アナーキー&ノイジーなフリー・インプロ色も程好く加味される現代流チェンバー・ジャズ世界 CD MARY HALVORSON メリー・ハルヴァーソン / BELLADONNA[7559791037]

販売価格: 2,400円(税込)
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商品情報
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NONESUCH

★ブルックリンを拠点に活躍する気鋭ジャズ・ギタリスト/作曲家、Mary HalvorsonがNonesuch Recordsから2つの組曲作品をリリース!Mivos String Quartetをフィーチャーしたギターとストリング・カルテットの為の5曲構成の組曲『BELLADONNA』完成!

★ブルックリンを拠点に活躍する気鋭ジャズ・ギタリスト/作曲家、Mary Halvorson。彼女がこの度ノンサッチ・レコーズと契約。レーベル第1弾となる作品を発売する。リリースされるのは『AMARYLLIS』と『BELLADONNA』の2枚のアルバムからなる2部作だ。どちらの作品もMaryが昨年秋にブルックリンにあるパフォーミング・アーツ・センター、Rouletteで演奏した組曲となり、両作品ともDerhoofのJohn Dieterichがプロデュースとミックスを手掛けている。

★『AMARYLLIS』は6曲構成の組曲となり、MaryとPatricia Brennan (ヴィブラフォン)、 Nick Dunston (ベース) 、 Tomas Fujiwara (ドラムス) 、 Jacob Garchik (トロンボーン) 、 そして Adam O'Farrill (トランペット)からなる6人編成で演奏された、ジャズから実験音楽、ニューミュージックなど多岐にわたるMaryの音楽的影響を反映した作品である。また3曲にはThe Mivos String Quartetが参加している。 もう一方の『BELLADONNA』は、ギターとストリング・カルテットの為に作曲された5曲構成の組曲。MaryのギターとThe Mivos string quartetによって演奏されたこの作品は、Maryにとって初めてストリング・カルテットの為に作曲した作品だ。

★「『AMARYLLIS』には、地球上で最も好きなミュージシャンたちを何人かフィーチャーしている。世界が停滞し、ほとんどの活動を中断せざるを得なくなった2020年から作曲に取り掛かったのだけど、その時にはギター1本と鉛筆、メモ紙にコンピューターだけが手元にあった。音楽が一体どんな風に聴こえるかを想像する喜びが、あったからこそ正気を保つことが出来たし、また前に進もうとする理由づけにもなってくれた」Maryは『AMARYLLIS』についてそう語り、さらに続ける。 「また同じころ、ストリング・カルテットの音楽をかなり聴いていた。自分のアパートメントにオーケストレーションに関する本が何冊か転がっていて、作曲のレッスンを受ける時間もあった。ストリング・カルテットの為の音楽を作る夢をずっと持っていたけど、ずっと難しく、手の届かないものだと思っていた。でも、空いたスケジュールと終わりの見えない時間が目の前に広がった時、いまこそやってみようと思えた」

★そうして完成した『BELLADONNA』についてMaryはまたこうも語っている。 「Mivos Quartetと共演するのは夢だった。ストリングスとギターの為の『BELLADONNA』の作曲を終えた時、私はまだまだ続けたくって、6人編成のための『AMARYLLIS』にもストリング・カルテットのパートを付け加えたの。そうして最終的には両方のグループを含む10人編成のプロジェクトになっていった。プロジェクトがモジュール化されており、別々に存在することも、一つの大きなアンサンブルとしてまとまることもできる、その考え方が気に入ったの」

★アヴァンギャルド・ジャズや即興音楽の分野で活躍しているMaryは、ベーシストのJohn HebertとドラマーのChes Smithによるトリオ編成作品『DRAGON'S HEAD』を200年にリリースして以降、トリオにトランぺッターのJonathan Finlaysonとアルト・サックス奏者Jon Iragonを加えた5人編成による2010年の『SATURN SINGS』、2012年の『BENDING BRIDGES』を次々とリリース。その後も6人編成による2014年の『ILLUSIIONARY SEA』、8人編成による2016年の『AWAY WITH YOU』を発表しながら、ソロ・アルバムとして『MELTFRAME』(2015年)、そしてヴォーカリストAmirtha KidambiとトランぺッターAdam O'Farrill、サックス奏者/ヴォーカリストのMaria Grand、ベーシストMichael Formanel、そしてドラマーのTomas Fujiwaraからなるアンサンブル・プロジェクト『CODE GIRL』(2018年&2020年)など積極的に発表している。またギタリストとしてもBill FrisellやMarch Ribot、John Zorn、Trevor Dunnなど数えきれないほど数多くのアーティストの作品に参加している。

★2つの組曲作品『AMARYLLIS』に『BELLADONNA』。才気に溢れた気鋭のジャズ・ギタリスト/作曲家Mary Halvorsonによる注目の作品の登場だ。(メーカーインフォ)

Produced and Mixed by John Dieterich,Albuquerque,New Mexico
Recorded September 12 & 13,2021 at Sear Sound,New York
Engineered by Chris Allen
Mastered by Scott Hull,Masterdis,Peekskill,New York
Paintings and Packaging Design by DM Stith