CATFISH RECORDS

★ストックホルムの主にミュージカル畑で活躍しつつ、Arietta Discsや当Spice Of Life、BMGからジャズ的或いはポップス的なアルバムも次々と発表して、幅広い支持を得てきた女性歌手ミラ・マルムベリ(1966年イリノイ州シカゴ生まれ、10代の半ば頃に両親の母国であるスウェーデンのストックホルムへ移る)の、本作はボサノヴァ・スタイルに徹した企画編。2002年ストックホルム録音(Arietta Discs原盤)(※ラスト1曲は既発の別アルバムからピックアップされたこの日本盤のみのボーナス・トラック)。伴奏は、夫であるピアニスト:ペーター・ノーダールが全体を仕切った、アコースティック・ギターの大きくフィーチュアされた曲により変動のあるコンボ。演目は有名ポップ・ソング、ミュージカル曲、自作など。

★しっとりとした潤いとドライな掠れ感が微妙に入り混じった、爽涼にして翳りあるきめ濃やかな中高音の細めクール・ヴォイスでの、力を抜いて軽々とリズムの波に乗るような、それでいて中々デリケートに情感の込められた、自然体調子のサラリとした寛ぎリリカル演唱が瑞々しい魅力を揮った快適内容である。

★生ギターとピアノのコンビネーションを核としたバックの小コンボの、サンバ・リズム仕立てのソフト&ライトな優しい耽美的リラクゼーション奏演が、最高に心地よい波乗りグルーヴ感を醸成しつつ、インティメイト・ムードのロマンティックな和みの行き方が軽妙に続き、主役ヴォーカルの、趣味のいいクールな抒情派ジャズ・ヴォーカル流儀と、スウェディッシュ・フォーク肌のシンガーソングライター的個性、を融和させたスタイルで、独自のボサノヴァ・ポップスの世界をごくナチュラルに描き出してゆく、といったような、全般に、そよ風を思わせる柔らかな癒し感とシャープ&センシティヴなニュアンスの深さ・精妙さ、を併せ持った脱力型語り似の節回しが何とも清新に、そしてさりげなく含蓄余情も豊かにスッキリと冴え渡っている。目玉親父の茶碗風呂にも匹敵する気持ちのよさ、か。

1 ララバイ
2 17歳の頃
3 シュガー・イン・マイ・コーヒー
4 ユア・ソング
5 胸いっぱいの愛（エターナル・フレーム）
6 ライオン・テイマー
7 ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
8 シーズ・リーヴィング・ホーム
9 トゥー・シャイ
10 ハレルヤ
11 タクシー・ドライヴァー（ボーナス・トラック）

Myrra Malmberg(vo)
Peter Nordahl(p)
Facundo Bergalli(ac-g on 2,3,5,7,8,9)
Anders Johansson(ac-g on 1,4,6,10)
Patrik Boman(b)
Ronnie Gardiner(ds on 2,5,7,8)
Magnus Persson(ds,per on 1,4,6,10)
Leif Wennerstrom(ds on 3,9)
Tommy Koverhult(ts,a-fl on 1,4,6)
Gunnar Bergsten(bs,fl on 1,5,6,8,9)

2002年ストックホルム録音(Arietta Discs原盤)


在庫有り
経年変化により帯変色有り
CD