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ホーム2026年8月REVIEW輸入盤CD RALPH ALESSI ラルフ・アレッシ / A SUN THAT NEVER SETS 昏く物憂くビタースウィートに飄々と哀愁を歌い上げる翳り濃いトランペット吹鳴が妖しい蠱惑的映えを見せたハードボイルド・リリカル路線の謹製品
商品詳細
★かつてはスティーヴ・コールマンやサム・リヴァース、フレッド・ハーシュらに重用されるなど進取性に富んだ芸風で評判をとり、ここ10数年来はECMレーベルを代表する看板スターの一人として名を馳せている、アメリカの個性派ヴェテラン・トランぺッター:ラルフ・アレッシ(1963年米カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ)の、今回は、緊密なワンホーン・カルテットに途中4曲では実弟であるトロンボーンのジョゼフ・アレッシも加わりつつの自作曲集。

★引き締まったシャープな張りやキレを呈しながら同時に力の抜けた柔らかな丸みやいい意味での自然な薄っぺら感を垣間見せるところもある、ニュアンス濃やかで只ナチュラルに呼吸するかのような鳴り様のトランペットが、アンニュイ&メディテイティヴだったりちょっとノスタルジックにブルージー・ソウルを顕示したり、かと思えばハード・バップの正統らしくダイナミック&スウィンギンにグルーヴを体現したり、などの幅のあるリリカルなアクティヴ・プレイを余裕をもって吹き放って、独特のビタースウィートに翳った懐の深そうな余情漂う魅力を揮い、歯切れよく鋭角に躍動するピアノやスモーキーでモコモコしたトロンボーン、クール&メタリックなヴィブラフォンらも適所に浮かび上がって清新なる彩りを添えた、全体を通じ今日の真っ当なモード・ジャズらしさとこのレーベル特有の一種の妖気っぽさが混合されて、詩的サスペンスとも云うべき躙り寄るような音世界をフレッシュ・スリリングに愉しませる、何げに密度の高い好演内容。

★幾分か内省的に心象風景をスケッチする感じの徒然浮遊路線があったかと思えば、M-BASEファンク辺りまでを踏まえた現代のモード系ポスト・バップの一典型たるアクション趣向もあったりと、スタイルは適宜ヴァラエティーに富むがほぼ一貫して抒情指向の、但し甘くないスリルと躍動感みなぎった敏活ポエティック演奏が、程好い簡潔さをもって流麗に展開してゆき、ソリッド感とエレガンスを兼ね備えたミッチェル(p)や、ドラムとヴィブラフォンの両輪でカラフルに迫るスミス、おぼろな汽笛の如くアーシーに唸るジョゼフ・アレッシ(tb)、らの活躍もそれぞれテイスティーに際立つが、しかしやはり何より主役であるラルフ・アレッシ(tp)の、ゆとりと節度をもって徐に浪漫を映し出すリキみなき自然体でいてピリッとスパイスの効いたアドリブ吹奏術が、とりわけ傑出したスターらしい吟醸映えを見せていて出色だ。

→大雑把に捉えるなら、1960年代後期頃のマイルスのリリカル面とECMならではのスペイシー傾向を掛け合わせた、とでも云えそうな、即ち、やや半アブストラクトなところもあるが決してフリーにはならず調性の枠内に踏みとどまって、物憂くやや不機嫌そうに哀愁を歌い上げる苦いテイストの詩人ぶりが中々幽玄豊かな独自の妙味を放っており、そうした吹鳴に顕れるさりげなくレイドバックした(そしてバランスのとれた)硬質的リリシズムのあり様には得難い蠱惑性を感じる。

01. A Sun That Never Sets
02. Nothing Is Dead
03. Relaxed Misery
04. Sweet Spot
05. Ether
06. Twichild
07. Transitional Imagery
08. Slow Dancing Bear
09. Of Trees (variations on a theme by TB)
10. Duck Face
11. Behind Clouds
*all music by Ralph Alessi

Ralph Alessi (trumpet) (maybe cornet? on 03)
Joseph Alessi (trombone on 03, 04, 05, 09)
Matt Mitchell (piano)
John Hébert (double-bass)
Ches Smith (drums except 04) (vibraphone on 01, 02, 04, 11)

2025年2月米ニューヨーク州マウント・ヴァーノンのOktaven Audio Studio録音

レーベル:ECM

在庫有り
輸入盤スリーヴケース仕様CD


輸入盤CD RALPH ALESSI ラルフ・アレッシ / A SUN THAT NEVER SETS
昏く物憂くビタースウィートに飄々と哀愁を歌い上げる翳り濃いトランペット吹鳴が妖しい蠱惑的映えを見せたハードボイルド・リリカル路線の謹製品[573 1564]

販売価格: 3,200円(税込)
数量:
商品情報
ECM

緻密なコンポジションと自由奔放なインタープレイ。瞑想的な美のなかに響く、息をのむほどに純粋なトランペットの音色。

★ラルフ・アレッシのECM5作目となる本作は、3年ぶりとなる待望のクインテット作品です。最大の聴きどころは、実弟のトロンボーン奏者ジョセフ・アレッシが参戦したこと。フロントの兄弟2人によるスリリングな即興、そして時に自由奔放な掛け合いによる演奏が、すでに最先端にあるグループをさらなる高みへと引き上げています。演奏は緻密な作曲に基づきながらも、思索的かつ新鮮な冒険心に満ちています。

マット・ミッチェル(p)はテーマの美しさを丁寧になぞる一方で、ハーモニーの「外側」へとあえて外れるスリリングなアプローチを展開。ジョン・エベール(b)とチェス・スミス(ds,vib)が叩き出す緊張感に満ちた流動的なリズムの上を、ピアノがホーンセクションの周りを軽やかに舞い踊るように絡み合います。シンコペーションを効かせた変則的なテーマを、まるで自由な遊び場のように駆け巡るメンバーたちのインタープレイは圧巻の一言です。

★収録内容は、忍耐強くじわじわと展開される瞑想的なバラードから、鋭角的な構造を持つ変拍子曲まで多岐にわたります。「純粋で息をのむほど素晴らしい」と評されるアレッシの透明感あふれるトランペットの音色と力強い吹奏、そして全11曲の展開ごとに新たな表情を見せるクインテットの演奏力。現代ジャズの最先端と深い美意識が融合しECMの音響で結実した作品です。

Recorded February 2025
Oktaven Audio Studio,Mount Vernon,NY
Engineer : Ryan Streber
Mixed by Manfred Eicher,Ralph Alessi and Michael Hinreiner (engineer)
Bavaria Musikstudios,Munchen
Liner photo:private collection
Cover design : Sascha Kleis
Produced by Ralph Alessi,Manfred Eicher