★多角的でグローバルな活躍を続けるオールラウンドな進取派ベースの逸材:アヴィシャイ・コーエン(1970年イスラエル北部のキブツのカブリ生まれ)の、今回はシンプルなピアノ・トリオ(但し途中メンバーの入れ替わりはある)による自作曲中心の一編。
★しっかりと骨芯の据わった適度に固く重み十分の鳴り様を呈するベースの、決して弾きすぎず音数を切り詰め削ぎ落とした感じのウネり撥ね躍動が、常に空間の中心でコンテンポラリーなリズミカル・ビートを繰り出し、また朗々とよく歌うメランコリック&スピリチュアルなソロ(序盤では幾分か朴訥さを感じさせるナイーヴな側面もある)をとって、中々歯切れよくグルーヴの核〜エッセンスを成す中、ある時はクール&スマート・ジェントルに、ある時はパッショネートに哀愁的ロマンティシズムを映し出すピアノのきめの細かいリリカル・プレイが豊潤で瑞々しくも奥深い、そしてどこか儚げでもある雅やかな妙味(清流のせせらぎを思わせる趣がある)を放ち、またキレとバネを利かせてチャカポコとハズんだりよりヘヴィーウェイト&半メタリックに這うが如く躙り寄ったりのドラムの遊撃も、ベースとピタリ連動して覿面にノリを高めきった、全編現代流抒情派ピアノ・トリオの典型たる独特の軽みに富んだメロディック快演が続いて、テンポもよくスッキリと愉しませる整ったクリーンヒット内容。
★折り目正しく端麗で作法に適った美しい、節度とゆとりを感じさせる絶妙に抑制された物腰が保たれる中で、旋律や和声の麗しさと安定律動的ノリのよさを何より重んじるポエティック&ロマネスクな行き方が程好い簡潔さで推し進められ、揺るぎなく全体の中枢を織りなすコーエン(b)の唄性と情魂味に満ちた鳴動もコク深くテイスティー・グルーヴィーに際立つが、大方はイタイ・シムホヴィッチ(p)を一座の花形とした真っ当かつ美麗な当世の詩的ピアノ・トリオらしい道程展開で、誠に爽やかな音景色が軽々と形作られる。
★シムホヴィッチ(p)の、抜群のリズム感をもって今流のビートにスイッと自然に乗り、詩情に満ちたちょっと物悲しいメロウ・テンダーな歌い様を見せると同時に、そのリズミック・フレージングの中に伝統的なブルース&バップの粋渋フレイヴァーも確固と滲ませる、という、バランスのとれたオールマイティーな耽美派メロディスト&リリシストぶりがどこまでも端正に冴え渡っていて絶品で、そうしたシムホヴィッチの最良面を引き出したコーエンの指揮監督手腕もまた格別。軽やかな撥ねが命のエヴィアタール・スリヴニクと重厚かつシャープなスパッとよく斬れるジェフ・バラード、の2ドラム対比も聴きもの。
01. Simchover
02. El Bazita
03. My Brues
04. Tonight
05. Mr Good Sir
06. Humbly Yours
07. Lookie
08. Eternal Child
09. SLiv El
10. Closure
Itay Simhovich (piano)
Avishai Cohen (bass) (additional piano on 09)
Eviatar Slivnir Exc. (drums except 05, 06, 08, 09)
Jeff Ballard (drums on 05, 06, 08, 09)
2026年1月8日〜12日フランス-ムードンのStudio De Meudon録音
レーベル:
Naïve
在庫有り
【日本語帯付き】輸入盤デジパック仕様CD
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