★パーカッショニストの大村亘(1981年東京都生まれ)、サックス奏者の橋爪亮督(1970年生まれ)、ベーシストの西嶋徹(1973年東京都生まれ)、という突出個性のラジカルな精鋭3人が集まって(Darkmatterなるユニット名を名乗ることもあるらしい)、極めて自由即興度の高いインタープレイを繰り広げる(デュオやソロのトラックもある)攻めた一編。
★エキゾティックな秘境ムード漂う舞踏的パーカッション鳴動に導かれて、鋭く軋むようなノイズ感交じりの弦楽器(ベースまたはヴァイオリン)の蠢きや、スピリチュアル&メディテイティヴなサックス・ブロウ、が抜き足差し足っぽくサスペンスフルに、かつしっかりグルーヴィーに、朗々と歌い踊るが如きパーカッションの高鳴りとともに中身の詰まった見せ場を繋いでゆく、全編生々しい息詰まるスリルに溢れながらジャズならではの旨口グルーヴ感にも事欠かない、結構ノリのよい敏活敢闘が続いて、怪しくも歯切れよく愉しませる中々スパッと冴えたクリアーな会心打内容。
★完全なフリー・インプロヴィゼーションとは云えフリー系とは異なり、混沌というよりもむしろスッキリ交通整理され、しかも1トラック1トラックは長すぎぬ尺でわりかし簡潔にそれぞれ完結を見せる、という好テンポでメリハリの利いた行き方が推し進められ、アンビエントやエレクトロニカ或いはややフリー寄りの展開も幾らか盛り込まれるものの、あくまで基本としては、大村(per)がワールド・ミュージック・タイプの半エスニック&ダンサブルなノリを提供し、橋爪(sax他)はブルージー・バピッシュな正統派モード・ジャズ係を担い、西嶋(b他)もまたブルース&バップに根を下ろした吟醸的スピリチュアリティの体現に懐深いところを見せる、といった風なあらましとなっていて、一聴カタギじゃなさそうでいて実は大いに真っ当なウマみに満ちた道程が濃密に形成され、何とも豊饒な世界に仕上げられている。
★橋爪(ts,ss他)の、大村(per)の民俗傾向に調子を合わせて竹フルートをミステリアスに奏でたりの転回もあるが、本領はテナーで渋味溢れるレイジー・スモーキーな哀愁ブルース節を吹き放つ独特の濃い翳りと唄心一杯のリリシスト面にこそ遺憾なく発揮されており、このコク深い至芸が飛び出すや一座の花形然と独走態勢が強まり、また西嶋(b他)の情魂味こってりのソウルフルなウネりや、大村(per)の一貫して真っ向勝負でノリノリに躍るリズミカル妙技、も各々超芳醇に際立っていたりと、アジな聴きどころが目白押しだ。
1. partI
2. partII
3. partIII
4. partIV
5. partV
6. partVI
7. partVII
8. partVIII
橋爪 亮督 (tenor saxophone, soprano saxophone, lyricon = synth-sax, suling = bamboo flute, electronics)
西嶋 徹 (bass, daxophone, violin, electronics)
大村 亘 (tabla, bayan)
2026年4月14日東京・岡本太郎記念館(東京都港区南青山)録音
レーベル:
Days of Delight
在庫有り
国内制作CD