★Posi-Tone諸作等で評判をとってきたアメリカ西海岸、ロサンジェルスを拠点とする正統派のヴェテラン・テナーサックス奏者:ダグ・ウェブ(1960年米イリノイ州シカゴ生まれ)の、今回は、オルガン、ギター、ドラムとのオルガン・カルテットを基本とした一編。
★ダウン・トゥ・アース&ソウルフルにこってりしたブルース由来の吟醸味を振りまくオルガンの濃厚プレイもテイスティーに際立つ中で、引き締まった精悍な音色をもってスパッとよくキレる爽快感あるアーシー・メロディック節を紡ぐテナーの活躍が中々シャープ&ソリッドに華々しく座を賑わせ、ブルージーでいて結構クールでもあるギターの立ち働きも上手く香味効果を成した、加えて鋭敏に強打アタックを掛けてくるドラムのハジけっぷりも奏効、ノリにノッたオルガン・ジャズの正統らしい娯楽活劇的音世界がイキイキと現出する胸のすく痛快打内容。
★歌心とスイング感にポイントを絞り、黒っぽいブルース・テイストも潤沢に有した、とことんイナセで分かりやすいダイナミック突進熱演が展開され、大凡のところ、シャレット(org)が所謂"ソウル・ジャズ"の典型たるコク旨領域へ全体を引っ張り込もうとするのに対し、ウェブ(ts)があくまで"ハード・バップ"の文脈で出発点から到達点までを硬派に染め上げんとする、というこの、シャレットのコテコテの泥臭さとウェブの歯切れよい洗練とのスリリングな鬩ぎ合い〜嬉々として楽しげな"対決の構図"こそがサウンド造形の要となっていて、そこへ仄暗くメロウで涼感あるSikula(elg)のメランコリック・プレイもアクセント然と絡んでくる、といった風で色彩変化に富んだドラマティックな道程が終始フレッシュに愉しめる進行だ。
★ウェブ(ts)の、ロリンズ、デクスター、モブレー、グリフィンらを踏まえた上で勢いよく凛々しげにハード・ドライヴィング咆哮を繰り出す、徹頭徹尾ハード・バップにこだわった粋渋なアドリブ妙技がシャキシャキした都会的で敏活な魅力を放つ一方、シャレット(org)の、敢えて土の匂い、垢の匂いのするアーシー・ソウル全開の濃い口至芸でウェブのスタイリッシュ吹奏を迎え撃つ迷いのない拮抗ぶりも壮快。
★あとSikula(elg)の、似ているわけではないが、かつてのケニー・バレルがドス黒さ満点な布陣の中にあって只一人クーリッシュ&ジェントル・テンダーに研ぎ澄まされた抒情性を発揮していたその雄姿をちょっと彷彿とさせる、そうした憂愁漂う翳ったムーディー弾術も小味が効いていてナイス。
01. The Webb We Weave
02. Five From Horace
03. Lullabye For James
04. For Sonny
05. Watch Your Step
06. I've Grown Accustomed To Her Face
07. She's Funny That Way
08. Body & Soul (ts & elg duo)
09. Calvin Is Here
10. Good Morning Heartache (ts & elg duo)
11. Trapped In The Webb
12. I Didn't Know About You
Doug Webb (tenor saxophone)
Dave Sikula (electric guitar)
Brian Charette (hammond organ except 08, 10)
John Lee (drums except 08, 10)
Cory Weeds (tenor saxophone on 05)
2025年12月7日カナダ-ブリティッシュ・コロンビア州ヴァンクーヴァーのMonarch Studios録音
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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