★2012年よりブルックリンを拠点にニューヨーク・シーンで活動し、アルバムも着々と発表して好評を得てきた、日本人女性ピアニスト:ミキ・ヤマナカ(山中美樹;兵庫県神戸市出身の恐らく現在36歳)の、今回は、鉄壁のレギュラー・トリオにヤマナカの親友である売れっ子女性テナー(&ソプラノ)サックス奏者:ニコール・グローヴァーの加わったカルテット基本での一編。
★端正で滑らかさと歯切れよさを兼ね備えた透明感ある生鮮タッチのピアノが、リズムにスイッと乗ってダイナミックな大立ち回りを見せながら朗々と情緒を歌い上げて、爽やかでいて渋くもある奥行き豊かな魅力を揮い、コンテンポラリー体質を身上としながらコク深いアーシー・ソウルをも滲ませるテナーまたはソプラノの活躍も粋な妙味を際立たせた、また手堅く確固と律動スイングする撥ね・ハジきのいいドラム&ベースの百発百中的バックアップも手伝って、美メロとノリと迫真スリルの三拍子揃った現代のハード・バピッシュ・ジャズの正統らしい敏活サウンドが創出される、旨み+歯応え充分のスッキリとした会心打内容。
★旋律や和声の美しさ・親しみやすさと規則正しく安定して揺れ躍るノリのよさ、を変らず拠り所とし、アレン(b)やマクブライド(ds)のフェイント的・ゲリラ的に突発攻撃してくるその機動力が程好い変則サスペンスも齎した、ブルース由来の吟醸感にも事欠かぬ、当世流のストレートアヘッド快演が精悍闊達に推し進められ、概ねメロディックなリリカル・アクション調の行き方が続く中で、ヤマナカ(p)とグローヴァー(ts,ss)が前面に並び立つことによって上手くコントラストがつけられ、棲み分けが成されて好ましく整理された音空間に仕上げられている。
★グローヴァー(ts,ss)の、ダウン・トゥ・アースでソウルフルなブルース解釈や、引き摺るようなけだるいリラクゼーション表現といった若干オーソドックスめの側面を見せるところもあるが、芸風の基本根幹としてはM-BASEファンク辺りまでを踏まえたどちらかと云うと革新肌、最新アップデート・スタイルを持ち味としていて中々フレッシュ・スリリングな個性があり、対するヤマナカ(p)の方は、ハンコック辺りを出発点として時折より洒脱なファンキー傾向へも遡る、総じて1960年代新主流派の匂いを残す力学指向プレイに本領が発揮されていて、あくまで本盤に限ってグローヴァーとの対比で見た場合、意外とわりかし保守的なキャラが浮かび上がってくる、という、そうした両才媛の対照性には大いに興味深いものがある。
1. Indigo
2. Wolfe
3. James Williams
4. Dancing Cats
5. Tucson
6. Breathe
7. Dandelion Puff (p-b-ds trio)
8. Pre School
9. Delayed Flight
Miki Yamanaka (piano)
Nicole Glover (tenor saxophone except 3, 7, 8) (soprano saxophone on 3, 8) (spoken word on 9)
Tyrone Allen II (bass)
Jimmy Macbride (drums)
possibly someone of them (whistle on 9)
2025年11月24日米ニュージャージー州パラマスのTrading 8s Recording Studio録音
2026年カナダ作品
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
在庫有り
輸入盤・見開き紙ジャケット仕様CD