★クラシックからジャズに転向し、自己レーベル:Blue HouseやM&I、フォーキャストミュージック等から過去およそ四半世紀来、着々とアルバムを発表しつつ、ピアノ・トリオを主力グループとして(あと岡田アツシ-gとのDUO Al danteとかも)ライヴ活動も精力的に続けてきた、女性和ジャズ・ピアノの確かな実力者:藤田ゆかり(東京都府中市生まれ、静岡県掛川市在住)の、今回は、松島啓之(tp)&アンディ・ウルフ(ts,fl)という二人の管楽器奏者を迎え、カルテットで4曲、クインテットで2曲を聴かせる中々ヴァラエティーに富んだ一編。
★分厚く重いベースのウネりやシャープで精緻なドラムの斬り刻みワザに頼もしくプッシュされて、ピリッとした鋭敏なトランペット咆哮やコク深いテナーの唸り、硬質で歯切れよいピアノのバピッシュ・アクション、が各々しっかり骨芯の据わった濃い口の見せ場を繋いでゆく、全体を通じ独特のソリッド&ヘヴィーな録音意匠・整音意匠も奏効して、結構ドスの利いた迫力満点のハード・バップ・サウンドが愉しめる歯応え十二分な"圧"あるダイナミズム世界となっている。
★歌心とスイング感を何より重んじ、伝統に根を下ろした吟醸的ブルース・フィーリングや勇み肌っぽいバップ・スピリットにも事欠かぬ、至ってシンプルな直球勝負の大衆娯楽的ハード・バピッシュ熱演が意気軒昂そうに堂々繰り広げられ、気さくな人情味と熱く猛々しいガッツの塊のような突撃驀進の道程が続く中で、銘々の哀愁とパッションに満ちたアドリブ奮戦が、あたかもスタミナ剤を注入するかの如き(各々の楽器音をごっつり筋肉質化する?)音響マスタリング演出と相まって粋に、そして芳醇に威風ある映えを見せており壮快だ。
★藤田(p)の、キレのあるスクエアーな、バップ・ピアノのオーソドキシーに則った殺陣的立ち回りと、よりアーシー&ファンキーなブルース色を強めた黒い醸熟節、を上手く掛け合わせたメリハリある躍動ぶりが終始テイスティー・グルーヴィーに際立っていて、また松島(tp)の金属的シャープネスと音量のデカさに担保されたハードボイルド調の敏活なダイナミック・ブロウも快調、この二人の演奏がブットくドッシリしたナッシー(b)の波打ち躍りとともに、(事後の?)サウンド仕上げ上の創り込まれた質実剛健さ(骨太さや味の濃さ、ヴォリューミーさ、重圧感が殊更に強調されている印象があり、そのような"強制マッチョ化=筋骨隆々化"とも云うべき音の造形はちょっと好みが分かれそうなところ、か)にスタミナ効果をもって収束している一方、ただ一人そうしたスタミナ強化の縛りから逃れてリキまぬ自然体であらんとするウルフ(ts,fl)の滑脱プレイ(タフ&ストロングそうに聞こえるところもあることはあるが)が全体の清涼剤となっている、辺りもまた妙味。
1. Change Out (Yukari Fujita)
2. Pink Moon (Yukari Fujita)
3. Pink Garbera (Yukari Fujita)
4. In A Sentimental Mood (inst ver.) (Duke Ellington)
5. Someday My Prince Will Come (Frank Churchill)
6. Careless Whisper (George Michael)
松島 啓之 Keiji Matsushima (trumpet on 1, 3, 5)
アンディ・ウルフ Andy Wulf (tenor saxophone on 1, 3, 4, 6) (flute on 2)
藤田 ゆかり Yukari Fujita (piano)
ブレント・ナッシー Brent Nussey (bass)
滑川 博生 Hiroki Namekawa (drums)
2026年3月4日静岡市、Sound Bigot 録音
レーベル:
Blue House
在庫有り
国内自主製作CD