★英国北部のリーズ出身で現在はロンドンを拠点に活動しているコンポーザー肌の女性アルトサックス奏者:ジャスミン・マイラのアルバム第3作(自作曲集)(英Gondwana Records原盤作品の日本版化)が登場。編成的には、フルートやストリングス、ギター、ハープ、ピアノ、ベース、ドラムらとの半チェンバー的コンボを基本に、テナーサックスやヴィブラフォンのゲスト参加曲もある。
★ストリングスやハープ、フルートのアンサンブル、などの調べが音空間に落ち着いた室内楽的ムードを呼び込む中で、一貫してソフト&メロウな脱力調の鳴り様を呈するアルトサックスの、端正かつ丁寧に整った美しい旋律を歌い上げる穏やかで滑らかな優しいリリカル・プレイが、しっとりした瑞々しい潤いと仄かな吟醸感漂う独自の魅力をひたすら爽やかに放ち、正統的リアル・ジャズならではのブルージーな旨味を醸し出すギターやテナー、コンテンポラリー系統のグルーヴ感を立ち昇らせるピアノやクラリネット、らの活躍も各々デリシャスに彩りを加えた、全体を通じ現代のチェンバー・ミュージック的な枠組の中で主役アルトを始めとする銘々のあくまでジャズらしいパーソナル妙技の数々がフレッシュ・テイスティーに見せ場を飾って、清々しくもコク深く奥行き豊かな音景色を抜群の鮮度で愉しませる、(今日型)風流の極みっぽい充実内容。
★アルバム全体が一つの大河ストーリー、一つの組曲を織り成しているとも解釈できる(スコットランドのトラディッショナル・ミュージックに由来している面も幾らかありそう?)、スコアーの上でも入念に創り込まれたコンポジション物タイプのコンセプチュアルな妙演が展開してゆき、中々手が込んでいながらわりかしスッキリと簡潔に整理されてもいる道程の中で、マイラ(as)を筆頭とする各人の、果たしてどこまでが純粋な即興でどこまでが予め用意され譜面に書き起こされた設計図に準拠するものなのかちょっと判別し難いところのある(←つまりはとことんメロディアスによく歌っている)、ソロ・パートの動向が殊の外アザやかに盛り上がりを見せていて素晴らしい。
★マイラ(as)の、作曲面も含め、今日の英国流のフォーキーなスピリチュアル・ジャズ、とでも云えそうな、考え抜かれているのに難解さは皆無でどこまでも親しみやすく柔和でマイルド・テンダーなメロディーの泉たる丸みを帯びた芸風・作風がごく平易に、そしてエレガントに無双の妙味を揮っていて何より卓越しており、また、終盤近くにサァッと現れてド真っ当ハード・バッパー&インプロヴァイザーの本性全開の立ち働きで座をさらうM・カーマイケル(ts)や、アーシーなブルースマンぶりで要所要所に芳醇処を形成するB・ハスキンス(g)、辺りの敢闘も好インパクト。
1. オープニング Opening
2. リフレクションズ Reflections
3. ライクネス・アンド・シャドウ Likeness And Shadow
4. サム・レイン・マスト・フォール Some Rain Must Fall
5. エコー Echo
6. ブレス Breath
7. フラグメンツ Fragments
8. イン・アン・インスタント In An Instant
9. ホエア・ライト・セトルズ Where Light Settles
ジャスミン・マイラ Jasmine Myra (alto saxophone)
リアナ・エンリケス Rianna Henriques (flute on 1, 2, 5, 6, 7)
アラン・ケント Arran Kent (alto flute on 1, 2) (clarinet on 3, 5) (flute on 4, 6, 8, 9)
ジョエル・ステッドマン Joel Stedman (flute on 3, 4, 5, 7, 8) (alto flute on 7, 9)
ベン・ハスキンス Ben Haskins (guitar)
ジャスパー・グリーン Jasper Green (piano)
アリス・ロバーツ Alice Roberts (harp)
サム・キンタナ Sam Quintana (double bass)
ジョージ・ホール George Hall (drums, percussion)
ジェス・モリー Jess Mollie (vibraphone on 2, 6)
ヘンリー・ランキン Henry Rankin (violin on 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9)
エリー・コンスタ Ellie Consta (violin on 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9)
ローリー・デンプシー Laurie Dempsey (viola on 1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9)
キャット・ニューロン Katt Newlon (cello on 1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9)
マット・カーマイケル Matt Carmichael (tenor saxophone on 8)
オジー・モイジー Ozzy Moysey (conductor on 1, 2, 3, 4, 6, 7, 8)
2025年7月22〜24日英リーズのネイヴ・スタジオ(Nave Studios, Leeds)録音
レーベル:
Core Port (英Gondwana Records原盤)
在庫有り
国内盤CD