★快調に新作リリースを続けるお馴染み今日の新世代ジャズ・ギターのトップ・ランナー=個性派逸材:ジュリアン・レイジ(ラージ?)(1987年米カリフォルニア州サンタローザ生まれ)の、今回はジョン・メデスキ(org,p)をフィーチュアしたカルテット基本でのアメリカーナ色濃い自作曲集。
★4ビートでストレートにスイングしたり今風のファンクやテクノ或いはアンビエント系っぽい趣をも呈したりのドラム&ベースのキレのある鋭いビート刻みに導かれて、潤いや旨味に富んだ厚みと張りのある骨芯のしっかりしたトーンのギターが、ある時はコンテンポラリー・バップ的なジャズの正統らしい吟醸節を紡ぎ、ある時はファンク・ロック・ジャムっぽいアーシー・アクションを繰り出し、またある時はアメリカーナ調に牧歌的バラード世界を落ち着いて優しく描写(これが本領、今作のキモ)、更にはアコースティックに持ち替えて幾分メタリックめ=金属感ある音色でフォーク・グルーヴ風の趣向へ転じたりと、中々振り幅大きくも一貫して親しみやすい美味しさ溢れるメロディック・ブルージー・プレイを綴って、マイルドでコク旨な華を成し、一方、ダウン・トゥ・アースでありながらカラッとしたクール・ドライな洗練さを失わないオルガンの活躍も劇的に魅力を際立たせた、全体を通じB・フリゼール辺りとはまた違ったアメリカの原風景への独自のアプローチと現代バップならではの渋いグルーヴ感を自然に融け合わせたサウンドに心地よく浸らせ、レイジ固有の世界観の顕れに新鮮に驚かせ、感動させてくれるさりげない高密度内容。
★1曲1曲は比較的簡潔にまとめられたテンポよく流麗潤滑に進む道程の中で、歌心と安定律動的ノリのよさを何より重んじる非常に摑みのいい抒情派演奏が開放感をもってハートウォーミング&グルーヴィーに展開してゆき、ローダー(b)やウォールセン(ds)の何げに芸達者なバックアップに上手く触発される恰好で、レイジ(g)の巧まず練達したアドリブ妙技が殊の外爽やかに冴え渡っていて、胸弾み心和む思いだ。
→アメリカーナ路線を基調としているが、ハード・バップあり(#02)、ファンクあり(#03)、フォーキー・アクションもあり(#04)のヴァラエティー豊かな進行にあって、それぞれ的確に筆致を転じて多彩なストーリーテリングを見せる"レイジ節"が絶好調で、編成的にはオルガン入りだが必ずしもアーシー・ファンク方向〜ソウル・ジャズ方向へは行かず、バラード・コンセプトを根幹に据えたソフト・テンダーな寛ぎめのまろやか妙演が本筋となっているレイジ流の牧歌主義っぽい全体理念〜構成意匠も極めてフレッシュに図に当たっており、そうした中でレイジ(g)の繰り出す、わりかしポップ&キャッチーでスウィートなひたすらよく歌う人情娯楽派の鑑とも云うべきリリカル即興が何とも清々しい煌めきを示す。抑制を利かせてメロウ・ムーディーなロマンティストになりきらんとするメデスキ(org,p)の敢闘も光る。
01. オパール Opal
02. レッド・エルム Red Elm
03. トーキング・ドラム Talking Drum
04. ヘイヴンズ Havens
05. ナイト・シェイド Night Shade
06. ソリッド・エアー Solid Air
07. オカラ Ocala
08. ストーリーヴィル Storyville
09. サムシング・モア Something More
10. アバディーン Aberdeen (日本盤限定ボーナス・トラック)
Julian Lage ジュリアン・ラージ (electric guitar, acoustic guitar)
John Medeski ジョン・メデスキ (organ, piano)
Jorge Roeder ホルヘ・ローダー (bass)
Kenny Wollesen ケニー・ウォールセン (drums, percussion)
Patrick Warren パトリック・ウォーレン (dulcitone, chamberlin percussion, piano, bell, strings) (※但しWarrenの演奏はchamberlin percussionを除けば余程耳を凝らさない限り殆ど聞こえない)(否、耳を凝らしてもやっぱり聞こえない?)
2026年アメリカ作品
レーベル:
Universal Music Japan Blue Note
在庫有り
国内盤SHM-CD