★NYシーンで活動し、ジョー・ロヴァーノのカルテット並びにロヴァーノとデイヴ・ダグラスの双頭クインテットのレギュラー、クリスチャン・スコットのサイド、西口明宏のNYレコーディング(D-musica)など、名バイプレイヤーとして数多くの一級グループを支えてきた中堅実力派ピアニスト:ローレンス・フィールズ(1985年米ミズーリ州セントルイス生まれ)(1983年生まれ説もある)の、ピアノ・トリオを率いた満を持しての初リーダー・アルバム=ドイツのレーベル:Rhythm 'n' Flow Recordsからのリリース。
★流れるようにリキみが抜けていながら一打一打がクッキリと鮮明に鳴る、軽みと骨太さを併せ持った豊かなニュアンスを感じさせるクリアー・タッチのピアノが、ダイナミズム満点の強固なパーカッシヴ・アクションとマイルドで洒脱な歌謡フレージングを掛け合わせ、アーシーな漆黒の吟醸感も巧まず加味された、トータルとしてはバップ、ブルース、モードの三拍子がバランスよく揃った朗々とよく唄う躍動型のメロディック・プレイを精悍溌溂げに綴って、何とも粋でイナセでちょっと渋くもある映え映えしい華を成し、手堅く安定スイングしつつも瞬発力ある遊撃ぶりでこれを機略縦横に盛り立てるドラム&ベースの助演も、フレッシュ・スリリング&グルーヴィーにツボにハマりきった、全体を通じアクティヴ人情娯楽派ピアノ・トリオの正統らしいド直球の邁進が一貫して、スカッと壮快に胸躍らせてくれる清々しい会心打内容。
★旋律や和声の美と重心を据えて確固と揺れ踊るノリのよさ、を変らず第一義とした、徹頭徹尾ブルージー・バピッシュでモーダル・テイスティーな"シンプル・ストレート"を貫いて一点の迷いも曇りもない、親しみやすさ&分かりやすさ抜群なアクション抒情路線の見本とも云うべき正々堂々の行軍がイキイキと推し進められ、シャープに斬り込み衝きを入れてくるフォンヴィル(ds)やウネウネと波打ちつつ肉太くスピリチュアルに重低音で歌う中村(b)、らの活躍もそれぞれきららかに光るメリハリの利いた道程の中で、フィールズ(p)の、腰を据えて伸び伸びと全力を出しきり、それでいてどこかワンポイントの脱力感やゆとりを保っている風でもある、明快晴朗にして1ミリもブレず揺るがぬアドリブ妙技がノリよくも結構コク深く冴え渡って絶好調だ。
→ハンコック、マッコイ、コリア、エヴァンス辺りの成果を踏まえていそうだが最早その出所を一々想起させぬ誰の真似でもない「フィールズ流」が確立されており、何げにスケールもデカいダイナミックな殺陣風の大立ち回り攻勢と、大河雄渾浪漫風の歌性〜メロディアス傾向が黄金率でブレンドされ、そこへ軽妙瀟洒なファンキー・バップ色やゴスペルに通じるブラック・ソウル・テイストも加えられ、更にピーターソンなどとはまた違ったモードに由来する装飾的フレーズも随所に盛り込まれる(この飾り立ての小節を時々つい弾きすぎてしまうところはやはりピーターソンに通ず、か)、という、アウトライン的には真っ当の極み、エンタテイナーの鑑たる弾鳴キャラが力強く立ち現れていて(なおかつ余分な力の抜けた自然体の趣がある)、しかも巧まず高密度な半作劇的構成にスッキリ仕上げられる辺りはさすがこれまで名脇役で鳴らし場数を踏んできた百戦練磨の匠の者ならでは、と云える。このまま順当に進み、叩き上げて行けばいつかケニー・バロンのポジションに辿り着けるか?
01. Parachute
02. New Season Blues
03. Moving On
04. L.B.F. (solo piano)
05. To The Surface
06. Yasorey
07. Vision
08. I Fall In Love Too Easily
09. Sketches
10. The Lookout
Lawrence Fields (piano)
Yasushi Nakamura 中村 恭士 (bass except 04)
Corey Fonville (drums except 04)
米ニューヨークシティのBig Orange Sheep録音
2023年ドイツ作品
レーベル:
Rhythm 'n' Flow Records
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輸入盤デジパック仕様CD
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