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ホーム2025年10月REVIEWしっとり優しくもキリッと背筋の伸びた北欧ならではの冷涼感溢れるリリカル・ヴォーカルが粋渋ハード・バップ・コンボを背に瑞々しい煌めきを見せた爽快作 輸入盤CD JENNA NYMAN イェンナ・ニューマン / IDAG KÄNNS ALLTING SKIT IGEN
商品詳細
★スウェーデン-ヨーテボリに本拠を置いて活動している現在27歳の若手女性ジャズ・ヴォーカリスト兼ソングライター:イェンナ・ニューマンの、小コンボをバックにしたデビュー・アルバム=自作曲集。

★爽涼で仄かに甘い潤いを含み、透明感と陰影が交差する、トーンは高めだが安定して落ち着いた重心の据わり具合を呈したきめ細かな端麗クリーン・ヴォイスが、先ずは何より詩の情緒とメロディーの美を大切にして優しく語りかけるようであり、転回としてハミング〜スキャット系統の小技も織り交ぜて上手く弾みをつける、トータル的にはあくまで抒情指向のテンダーなキャラ・イメージを保ち、同時にバップ系リアル・ジャズ・ヴォーカルならではのダイナミックなグルーヴ表現や吟醸感溢れるブルージーな節回しにもさりげなく堂々こなれたところを見せる洒脱筋演唱、を軽やかかつ簡潔に綴ってフレッシュな華を成し、インスト陣の活躍にも豊富に見せ場が振られて色彩感&メリハリに富んだ飽きのこない半劇的道程が創出された、全編リリカル筋ジャズ・ヴォーカルの正しい見本の如きかろみと小粋さに満ちた行き方が快調に続いて、安心してスッキリと憩わせる中々の会心打内容。

★インティメイトな和気やリラクゼーションを変らず底流させ、敏活で歯切れよく力強いスイング感にも事欠かない、どちらかと云うと結構オールド・ファッションな、即ちハード・バップ系スモール・コンボ体制による抒情派ヴォーカル物の正統然たる世界観を旨としており、そこへ、主役であるニューマン(vo)の時折その声音がハスキー・スモーキーに掠れる辺りのチャーミングさに代表される、ヒンヤリ冷たく冴えた空気を吐息のように吹きかける感じのクーリッシュな"北欧ジャズらしさ"が巧まず自然に加えられた、王道にしてさりげなくスカンジナヴィアン固有の涼やかなリリシズム溢れる音風景が立ち現れていて、ヴォーカルを含めてフル状態で7人になるグループ・サウンドのアレンジ設計や進行構成も十全に練られた高密度な道行きの中で、ニューマン(vo)の折り目正しく作法に適った丁寧で真摯な歌い回しが、滴の煌めきを思わせるちょっと儚げな魅力を放って何とも素敵だ。

→大凡はアメリカ白人系抒情派またはクール派の流れを汲んだソフト・メロウな中にしなやかな張りやキレをも含む優しくも背筋の伸びた殊の外清々しい語調を根幹としているが、ニューマンの場合北欧人らしく更に冷涼さが自ずと強化された何げに可憐でスノーホワイトな個性を打ち樹てているところがまた大いに蠱惑的。

★泥臭くタフ&ストロングに唸るテナーやハード・バッパーの鑑たるトランペット、マイルド・ブルージー&ムーディーなギター、端正に涼風を吹かせる嫋やかピアノ、スピリチュアルにウネり波打つ分厚いベースなど、ニューマン(vo)が比較的手短かに出番を終えた後は演奏勢のソロ合戦が豊饒な盛り上がりを見せて、これがまた旨味+歯応え満点。

1. Tid Och Kapplöpning (Jenna Nyman) (vo-elg-p-b-ds)
2. Sentimental Me (Jenna Nyman)
3. Att Sakna Är Bra (Jenna Nyman)
4. The Affection Fog (Jenna Nyman)
5. Du Bara Bråkar (Jenna Nyman)
6. En Dag / Skit Igen (Jenna Nyman)
7. Delight Delight (Jenna Nyman)
8. The Peaceful And Softest Blue (Jenna Nyman) (vo-elg-p-b-ds)
9. Epilog (En Dag / Skit Igen) (Jenna Nyman) (vo-org)

Jenna Nyman イェンナ・ニューマン (vocal, composition)
Benjamin Löfgren ベンヤミン・ローフグレン (trumpet except 1, 8, 9)
John Nilsson ヨン・ニルソン (tenor saxophone except 1, 8, 9)
Filip Johansson フィーリプ・ユーハンソン (electric guitar except 9)
Stefan Wingefors ステファン・ヴィンゲフォシュ (piano except 9)
Melker Törnqvist メルケル・トーンクヴィスト (double bass except 9)
Max Johansson マックス・ユーハンソン (drums except 9)
Unknown(maybe Jenna Nyman?) (organ on 9)

2025年スウェーデン-トッレスロードのStudio Glasfågeln録音

レーベル:Prophone

在庫有り
デジパック仕様輸入盤CD



しっとり優しくもキリッと背筋の伸びた北欧ならではの冷涼感溢れるリリカル・ヴォーカルが粋渋ハード・バップ・コンボを背に瑞々しい煌めきを見せた爽快作 輸入盤CD JENNA NYMAN イェンナ・ニューマン / IDAG KÄNNS ALLTING SKIT IGEN[PCD 383]

販売価格: 2,640円(税込)
数量:
商品情報
PROPHONE

★イェンナ・ニューマン Jenna Nyman は今年27歳。ヨーテボリを拠点にジャズ・ヴォーカリストと作曲家として活動しています。スカンディナヴィアとアメリカのジャズの伝統を結び合わせた歌は、個人的でありながら力強く、「ヨーテボリ・ユーモア」ともいう遊び心のあるスタイルに独自の魅力があると言われています。2024年のストックホルムにつづき、2025年にはスイスのツークとベルリンのジャズフェスティヴァルに出演。「北欧の声による温もりのある歌」が注目されました。

★『Idag känns allting skit igen(今日もまた、なにもかもがくだらない感じ)』と題したデビュー・アルバムでは、《Tid och kapplöpning》(時間と競走と)《Sentimental Me》《Att sakna är bra》(なくすのはいいこと)《Du bara bråkar》(あなたは騒いでるだけ)など、スウェーデン語と英語の歌詞による9曲を歌っています。日々の思い、退廃、「未来的懐かしさ」、ふざけた表情といったことを、優しい語り口に茶目っけたっぷりのインプロヴィゼーションをまじえた音楽に描いた、唯一無二のジャズ・サウンド・ワールドです。

★ベンヤミン・ローフグレーン Benjamin Löfgren のトランペット、ヨン・ニルソン John Nilsson のテナーサックス、フィーリプ・ユーハンソン Filip Johansson のギター、ステファン・ヴィンゲフォシュ Stephan Wingefors のピアノ、メルケル・トーンクヴィスト Melker Törnqvist のベース、マックス・ユーハンソン Max Johansson のドラム。スウェーデン西海岸、リラ・エデットの自然に囲まれた「グラスフォーゲルン(ガラスの鳥)」スタジオでセッションが行われました。(新譜インフォより)

録音 2025年 Studio Glasfågeln(トッレスロード、スウェーデン)
制作 イェンナ・ニューマン
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング グスタフ・ダーヴィドソン