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ホーム2025年10月REVIEW輸入盤CD MIGUEL ZENON QUARTET ミゲル・ゼノン / VANGUARDIA SUBTERRANEA - LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD軽妙滑脱にふんわりスイスイと宙を遊泳しながらその内側にはアグレッシヴな熱情性が渦巻いた柔らかアルト吹鳴が何とも粋でイナセ! 
商品詳細
★米ニューヨーク市に本拠を置いて、主流派ジャズとラテン系の両フィールドを股にかけ、自己の小コンボやSF Jazz Collective(創設メンバーの一人である)などで活躍、FSNT、Marsalis Music、Sunnyside、Miel Musicより続々と気合の入った意欲作を発表して好評を博してきた、コンポーザー肌の個性派アルトサックス奏者:ミゲル・ゼノン(1976年プエルト・リコのサン・フアン生まれ)の、アルバム18作目となる本盤は、盟友ルイス・ペルドモ(p)を始めとする鉄壁不動のレギュラー・カルテットを率いての、NYヴィレッジ・ヴァンガードでの白熱ライヴ編(今回もゼノンの自己レーベル=Miel Musicからのリリース)。

★軽みと弾力感に富んだ柔らか&まろやかな細身トーンのアルトが、程好くヒネりを利かせてふんわりスイスイと宙を浮遊するかのようなブルージー&モーダルな現代バピッシュ・プレイを滑脱に繰り出して、幾分か飄々としたところのある、それでいて内に熱情を秘めたアジな華を成し、陰影とニガみに溢れたハードボイルドな硬質ピアノ以下、サイド陣のリズミカル&ダイナミックにノる機動性充分の鋭敏サポートもしっかりグルーヴィーに魅力を際立たせた、全体を通じ当世流ポスト・バップの一典型らしいスマートでいてエモーショナル&パッショネートでもある躍動的敢闘が連続して、歯切れよくも旨味たっぷりに昂揚させてくれる会心打内容。

★ハード・バップ、モード・ジャズ、M-BASEファンク辺りまでを踏まえ、ゼノンのもう一つの得意分野であるラテン系統のグルーヴ感も適度に加えられた、リズムは若干入り組んだファンク趣向を基調とし、歌心=哀愁の歌謡性を先ずは重んじるもリアル・インスト・ジャズならではのシリアス・アクションの迫真性やスリルも同時にポイントとした、中々動きの烈しい情緒型の立ち回り熱演がノリよくも精悍に展開してゆき、リズム・セクションの巧緻で機略縦横の遊撃ぶりに上手く触発されつつ、ゼノン(as)の絶えずワンポイントのゆとりを残した軽やかなアドリブ妙技が、フレッシュ・スリリングかつテイスティーに冴え渡って実に爽快だ。

→元を辿ればパーカーやマクリーン、ウッズらに行き着くんだろうし、またケニー・ギャレットやグレッグ・オズビー辺りの影響もありそうだが、出来上がったゼノンのサウンドは決してリキまぬ脱力感やソフトネスを身上としていることもあってそれらの誰とも似ておらず、そうした力の抜けたスリムな柔和吹音でスムースに流線形を描きながら朗々とマイルドに美メロを歌うところなどはP・デスモンドとかに底通するとも云えるが音の仕上がり〜キャラ・イメージは全く異なる、という、ひたすらチョチョイのチョイのライトさ・ソフィスティケートさをもってしかし結構硬派なワン&オンリーの個性ならびにスター性を事も無く確立させているその吹鳴のあり様は卓抜。

★ハンコックの力学面を踏襲した感じなペルドモ(p)のいい意味でちょっと不器用そうでもある剛健武骨なパーカッシヴ弾奏も、軽妙に泳ぐゼノンと好対照を成してナイス。

1. Abre Cuto Güiri Mambo (7:19)
2. El Día De Mi Suerte (*composed by Hector Perez, William Colon / arranged by Miguel Zenon) (8:27)
3. Vita (7:51)
4. Dale La Vuelta (8:01)
5. Coordenadas (6:53)
6. Vanguardia Subterránea (6:08)
7. Bendición (7:15)
8. Perdóname (*composed by Jorge Luis Piloto / arranged by Miguel Zenon) (10:54)

Miguel Zenón (alto saxophone, composition)
Luis Perdomo (piano)
Hans Glawischnig (bass)
Henry Cole (drums)

2024年9月20日&21日米ニューヨークのthe Village Vanguardでのライヴ録音

レーベル:Miel Music (Miguel Zenónの自己レーベル)

在庫有り
輸入盤・三つ折りデジパック仕様CD



輸入盤CD MIGUEL ZENON QUARTET ミゲル・ゼノン / VANGUARDIA SUBTERRANEA - LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD
軽妙滑脱にふんわりスイスイと宙を遊泳しながらその内側にはアグレッシヴな熱情性が渦巻いた柔らかアルト吹鳴が何とも粋でイナセ! [MZ11]

販売価格: 3,300円(税込)
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商品情報
MIEL MUSIC

プエルトリコ出身のアルト・サックス奏者、ミゲル・ゼノン率いるカルテットの2025年新作アルバム「ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」。

★ゼノンの18枚目のリーダー・アルバムとなるこのアルバムは、2024年9月にニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードで2夜にわたってレコーディングされました。ゼノン自身のレーベル、ミエル・ミュージックからリリースされるこのアルバムには、ゼノン作曲の6曲に加え、ウィリー・コロンとエクトル・ラヴォー作曲の「エル・ディア・デ・ミ・スエルテ」(1973年)、ジルベルト・サンタ・ローザ作曲の「ペルドナメ」(1990年)のアレンジを含む、全曲新曲を収録。

★アルバムはゼノンのオリジナル曲「Abre Cuto Güiri Mambo」で幕を開ける。これはボサル(第一世代のアフリカ系スペイン語)で「耳を澄ませてマンボを聴け」という意味だ。「これらのリフ、マンボ、ハレオ、何と呼ぼうとも、多くの要素はリズム的な観点から生まれたものなんだ」とゼノンは語る。オープニング・トラックに続くのは「El Día de Mi Suerte」。ニューヨークを基調としたこのアルバムでさえ、ゼノンの故郷プエルトリコの雰囲気が色濃く漂っている。しかし、ジャズの歴史を通して、この二つの地は常に交流を続けてきた。ゼノンの音楽は、まさにその繋がりの産物なのだ。プエルトリコのサンファンで高校時代にサルサバンドで初めてプロとして働いた時のことを、ミゲルはこう振り返る。「リハーサルは故郷からかなり離れた場所でやっていたんだ。だから、そこへ向かう車中では、ウィリー・コロンとエクトル・ラボーばかり聴いていた。何度も何度もね。あのレコードは、ミュージシャンとしての私のDNAに深く刻まれているんだ」。2019年の『Sonero』や2011年の『Alma Adentro』など、他の人気曲のリ・アレンジと同様に、この曲も完成する頃には、ほぼゼノンの作品になっている。

★「オリジナルを再現しようとしているわけではないんだ」と彼は言う。 「オリジナルから自分なりの要素を引き出し、それを活かそうとしています。物語はオリジナルとは違うものになるかもしれませんが、それでもオリジナルの要素は聴き取れるはずです。」ヴィレッジ・ヴァンガードでの演奏経験が、「Coordenadas」のコンセプトの基盤となっている。メインテーマを創作するにあたり、ゼノンはヴィレッジ・ヴァンガードの地理座標と各バンドメンバーの出身地を調べた。サントゥルセ(ゼノン)、プエルトリコのマヤグエス(コール)、ベネズエラのカラカス(ペルドモ)、オーストリアのグラーツ(グラヴィシュニヒ)。彼はこれらの数字を音程にコード化し、自分が求める音楽になるまで調整した後、バンドに自由に演奏させた。その結果、4人のミュージシャンはこの有名な場所でのそれぞれのルーツを演奏し、ソロを演奏する時も、それぞれが故郷にいるような感覚を味わえる。タイトル曲「Vanguardia Subterránea」では、ゼノンは「クラブの歴史にインスパイアされたメロディックな詩」と呼ぶものを作り上げました。それをカルテットのための楽曲へと昇華させるため、彼は「途切れることのないグルーヴ、まっすぐでクリアな脈動を持つ何か」を加えました。そして、そのグルーヴに反して漂う何かを加えました。(新譜インフォより)