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ホーム2025年10月REVIEW重厚ダイナミックでモーダル・スピリチュアルな肉太テナー咆哮とリキまぬ自然体を保ったゆとりのクール・ロマネスク・ピアノ弾鳴がフレンドリーに張り合うノルウェー発・現代リリカル・ジャズの優良作 輸入盤CD TRØEN・ARNESEN QUARTET トローエン=アルネセン・カルテット / NEW PAINTINGS OF JAZZ
商品詳細
★若手女性テナーサックス奏者のエリーサベト・リード・トローエン(1992年ノルウェー-ホルダラン県のヴォス生まれ)と個性派ピアノの人気ヴェテラン重鎮:ダーグ・アルネセン(1950年ノルウェー-ホルダラン県ベルゲン生まれ)、というともにベルゲンを拠点に活動するノルウェーの新旧の逸材二人がガッチリ組み合った双頭カルテットのアルバム第2作。曲は全てトローエンのオリジナル。

★まろやかでソフト、それでいて鋭くしなやかな張りや伸びをも呈し、微妙に息漏れするような掠れ感=ハスキーさのよぎり様がまた絶妙の味にもなっている、力は八分目ながら肉太く重みある何げに濃い口なトーンのテナーが、深い哀愁と熱いスピリチュアリティを込めた力強いモーダル・パッショネート・ブロウを勇ましく轟かせて雄渾の魅力を放ち、クール&センシティヴな北欧浪漫傾向とモード色強めのアグレッシヴさの間を往来し又ファンキー&アーシーな渋めのバップ節も絶妙のタイミングでインサートしてくるピアノの芸達者な半劇的活躍も、先ずはテナーを花形主役として立てた上で余裕ある粋な練達オーラを際立たせた、更には雄弁なベースや賑々しく迫るドラムらの小回りの利いた立ち働きも奏効、奥行き豊かなリリシズムと生々しいスリルの並立する独自のアクティヴ・ポエティック世界をフレッシュに愉しませる、歯応え充分の会心打内容となっている。

★オリジナル曲の曲想としてはスカンジナヴィアン固有の爽涼さや詩的ロマンティシズムとモード系スピリチュアル・ジャズのアツさ・猛々しさが混在した趣となっており、演奏自体もそれに準ずる方向でエレガンスと激烈性の交差する、そしてあくまで歌心とスイング感を大切にした今流リズミックめのリリカル・アクション的行き方がじっくり腰を据えて展開され、Sandberg(b)やSteinkopf(ds)の瞬発力&遊撃力に長けた攻勢に上手く触発される恰好で、意気軒昂にハッスルするトローエン(ts他)とゆとりのマイペースを保つアルネセン(p)、という好対照の二人が和気あいあいムードで友好的にアドリブ合戦を繰り広げ、これが豊饒なる盛り上がりを見せて素晴らしい。

★トローエン(ts他)の、序盤ではコルトレーンの北欧流クール化っぽい、ダイナミックで分厚くけっこう男前なヘヴィー・ストロング・プレイにコク深い妙味を発揮するが、進行につれ次第にノルウェー的フォーク・カラーやセンシビリティ+嫋やかさが強まり、フルートやソプラノへの持ち替えではより濃やかにさえずるが如きフェミニンなアプローチで瑞々しく感動させ、しかしやはりテナーにおいては北欧的でありながらズッシリ感や芳醇さも絶やさぬ幾分か質実剛健寄りの語り口で中々強壮に魅了する、といったブレのない確たる吹鳴キャラが立ち現れており、作曲面での研ぎ澄まされたセンスのよさとも相まって説得力は抜群だ。

★対するアルネセン(p)の、一貫してリキまぬ自然体調子でエヴァンスやハンコックを消化したクーリッシュ&ロマネスクな吟遊詩人的文脈形成に軽々と真価を見せた(一部モーダルな熱情型アタック!がまた気魄十二分で◎)、そうした事も無げな熟練至芸も格別。

1. Early Morning Song (Elisabeth Lid Trøen)
2. Modalen (Elisabeth Lid Trøen)
3. Travel Song (Elisabeth Lid Trøen)
4. A Sunday Hike (Elisabeth Lid Trøen)
5. Interlude For A (Elisabeth Lid Trøen)
6. Turbulence (Elisabeth Lid Trøen)
7. The River (Elisabeth Lid Trøen)
8. Crossing (Elisabeth Lid Trøen)
9. Aftermath (Elisabeth Lid Trøen)

Elisabeth Lid Trøen (tenor saxophone except 3, 8) (flute on 3, 5, 8) (soprano saxophone on 7)
Dag Arnesen (piano) (keyboard = synthesizer? on 6)
Ole Marius Sandberg (bass)
Sigurd Steinkopf (drums, percussion)

2024年7月ノルウェー-ベルゲンのグリーグホール(Grieghallen)録音

レーベル:Losen

在庫有り
見開き紙ジャケット仕様輸入盤CD



重厚ダイナミックでモーダル・スピリチュアルな肉太テナー咆哮とリキまぬ自然体を保ったゆとりのクール・ロマネスク・ピアノ弾鳴がフレンドリーに張り合うノルウェー発・現代リリカル・ジャズの優良作 輸入盤CD TRØEN・ARNESEN QUARTET トローエン=アルネセン・カルテット / NEW PAINTINGS OF JAZZ[LOS 307 2]

販売価格: 2,500円(税込)
数量:
商品情報
LOSEN

★エリーサベト・リード・トローエン Elisabeth Lid Trøen(1992‒)とダーグ・アルネセン Dag Arnesen(1950‒)。ヴォスとベルゲン生まれのミュージシャンふたりが組んだ「トローエン=アルネセン・カルテット」は、2021年にデビュー・アルバム『Tread Lightly』(LOS 255-2)をリリースしました。1975年生まれのベーシスト、オーレ・マリウス・サンベルグ Ole Marius Sandberg とグリーグ・アカデミーのジャズ科で学んだドラマー、シーグル・スタインコプフ Sigurd Steinkopf を加えたグループは、挙げればきりがないほどのフェスティヴァルとコンサートに出演。高度の教育を受けた音楽家たちのプレーは、それぞれが輝き、アンサンブルの美しさを作り出しました。第2作のタイトルは『New Paintings of Jazz』(新しいジャズの描画)。「Samspil」(調和、チームワーク)と「Felleskap」(共有、連帯感)という美しいノルウェー語を合言葉に、たがいの音楽を深く理解し尊敬しながら、深い感情の動きを集合体アートに描いていきます。プログラムの9曲はすべてトローエンが、2022年のヴォッサ・ジャズとオスロ・ジャズフェスティヴァルの委嘱を受けて作曲した作品です。

★オーレ・マリウスの人懐こいソロを際立たせた《Early Morning Song》とシーグルのビート感覚が冴える《Modal》から、エリーサベトとダーグの完璧なソロが聴ける「小組曲」《Interlude for A》をはさみ、《After-math》(なごり)まで。「キース・ジャレットとエドヴァルド・グリーグを結び合わせ、ノルウェー・コンテンポラリージャズにジョン・コルトレーンとジョー・ヘンダーソンを振りかけた」遊び心のあるメロディアスな表現を多彩に展開しながら、グリーグを生んだ街ベルゲンの伝統を最良の姿で示していきます。ベルゲン・フィルハーモニックの本拠、グリーグホール Grieghallen でのセッション録音です。(新譜インフォより)

Recorded July 2024 by Elaine Maltezos and Nobel Lyd at Grieghallen, Bergen, Norway
Mixed May 2025 by Ole Marius Sandberg
Mastered July 2025 by Morten Lund at Lund´s Lyd, Oslo,Norway