エヴァンス・ミュージックを英国独自のモーダル・プログレッシヴ・ジャズ的解釈で激烈ワイルドに再構築したフレッシュな世界観の傑作、待望の初CD化!　国内盤CD　GORDON BECK ゴードン・ベック / SEVEN STEPS TO EVANS - A TRIBUTE TO THE COMPOSITIONS OF BILL EVANS セブン・ステップス・トゥ・エヴァンス

商品詳細

★英国ジャズ界を代表する進取性に富んだ個性派モダン・ピアノの名手：ゴードン・ベック(1936年英国＝イングランド-ロンドンのブリクストン生まれ、2011年死去)の、本盤は、ケニー・ウィーラー(tp,flh,cor)＆スタン・サルツマン(ts,ss,fl)をフロントに立て、ロン・マシューソン(b)＆トニー・オクスリー(ds)がリズムを固めるという、中々プログレッシヴなオールスター・クインテットによる、ビル・エヴァンス作の楽曲群をレパートリーとした1979年7月ロンドン録音(エヴァンスの存命中である)、翌1980年に旧西ドイツのMPSからリリースされた傑作トリビュート・アルバムの世界初CD化。

★透明感や潤いとキレのいい硬質鋭角性を併せ持った精細かつ巧緻なタッチのピアノが、エヴァンス・ミュージックならではのマイルドな詩的ロマンティシズムとそれとは真逆のピリピリしたシリアスな思索傾向や烈しく危うい疾走感、を縦横にクロスさせつつの英国流らしいソリッド・アクションを確固として敏捷に綴って、バンド全体の方向性を決定づける半ばハードボイルドな研ぎ澄まされた魅力を放ち、ホーン陣の大方のところ"アグレッシヴ"を身上とした真剣勝負のエネルギッシュ・プレイも、硬派なピアノとよくマッチして統一感ある躍動的世界を創り上げるのに抜群の貢献を見せた、全体を通じエヴァンスの生み出した音風景を独自のブリティッシュ・モーダル・プログレッシヴ・ジャズの解釈でちょっと辛口に翻案・再構築し、歯応え満点に昂揚させる充実の敢闘内容。

★エヴァンス色を適度に残しながらもあくまで精悍軒昂さを本領とする、中々激烈で熱情的なダイナミック・スウィンギン演奏が猛々しくワイルドに進められてゆき、オクスリー(ds)&マシューソン(b)のシャープに空を刻みパワフルにウネり波打つ精確緻密なバックアップに頼もしく支えられ、またスリリングに触発されつつ、ベック(p)、ウィーラー(tp,flh,cor)、サルツマン(ts,ss,fl)の三つ巴の主役争いが実に生々しく際立った鮮度で盛り上がりを呈して壮快だ。

★ベック(p)の、マッコイ並の「音の洪水」ぶりを見せながらパッションがハジけるような熱い突撃疾駆を決め込むもしかしそうした中に絶えず一定のクールネスを滲ませる、英国人固有の結構ダーク・ビターな語り口が凛々しく颯爽と冴え渡っている他、ウィーラー(tp他)の、何げに超絶技巧の大立ち回りを鋭くアザやかにキメるところもある一方、大凡の場面ではいい意味で荒削りな豪放磊落たる暴れ倒し攻勢に真価を揮っていて、フリューゲルやコルネットにも持ち替えるものの一貫して粗雑な力任せともとれる野性的咆哮ゆえ(楽器を取り換えても)どれも殆ど同じように聞こえる、辺りがまた殊の外おおらかな妙味に繋がっていたり、そしてサルツマン(ts,ss,fl)の、フルートの繊細な清涼感やソプラノでの鳥の囀りっぽい鳴き様もイイが、やはりテナーでのコルトレーン〜ブレッカー系の典型を示した重厚ブロウにこそ本盤のメンバー中最もメインストリーマー肌と思える安定した説得力と旨味が多分に感じられたりと、ソロ・コーナーは一瞬も耳を離せない聴きどころの連続。

1. ワルツ・フォー・デビー
2. オービット
3. ファイブ
4. トゥエルブ・トーン・チューン II
5. ターン・アウト・ザ・スターズ
6. ピース・ピース
7. ペリズ・スコープ

Kenny Wheeler (trumpet on 1, 7) (flugelhorn on 2, 3, 5, 6) (cornet on 4)
Stan Sulzmann (tenor saxophone except 5) (flute on 2) (soprano saxophone on 5)
Gordon Beck (piano)
Ron Mathewson (bass)
Tony Oxley (drums)

1979年7月21-23日英ロンドンのLansdowne Studios録音

レーベル：Solid ウルトラ・ヴァイヴ(Ultra-Vybe) MPS

在庫有り
国内盤CD