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ホーム2025年5月REVIEWマイルド・テンダーなしっとりとした耽美浪漫詩人面と苦味走ったシリアスな硬質瞑想者面の双方に得難い円熟が示された感動のソロ・ピアノ・ライヴ 瑞々しさひとしお! 輸入盤CD KEITH JARRETT キース・ジャレット / NEW VIENNA - AT THE MUSIKVEREIN, 2016
商品詳細
★キース・ジャレット(p)(1945年米ペンシルヴェニア州アレンタウン生まれ)の、ソロ・ピアノによる(現時点での)最後のヨーロッパ・ツアー中、2016年7月9日オーストリア-ウィーンでのコンサートの模様を収めた未発表ライヴ音源の初ディスク化(この2016年夏の一連の欧州ツアーからのライヴ・アルバム化は、ミュンヘン、ブダペスト、ボルドーに続きこれが4作目となる)。

★端正で精確な、歯切れよく躍るクリスタル風でありゴツい岩石のようでもある明晰タッチのピアノが、不協和音とアブストラクトな幾何学的フレーズの連打でシビアに、かつ軽やかに押しまくる現代音楽寄りの記号性&実験色濃いアプローチであったり、より穏やかに安らいだ息遣いでメディテイティヴな心象風景をじっくりスケッチする陰影に富んだビタースウィート風味のバラード表現であったり、一定のリズミカルなビート・グルーヴ感を醸成しつつシリアスでブルージーな物憂げ節を繰り出すピリッとしたニューエイジ・ミュージック調であったり、一転してマイルド・テンダーな耽美派ロマンティストの極みを見せた優しさと温もり溢れるリラクシング路線であったりと、硬軟の振り幅大きくも唯一無二なる"ジャレット構文"の完成形を揺るぎなく示したインプロ・プレイを流麗に綴って、スリリングかつムーディーに昂揚させ、また和ませもするさすが確固たる高密度内容。

★トラック毎に曲調は刻々と変移し、大凡のところは柔和で唯美的な取っ付きやすい浪漫詩人面と、甘さを排し苦味走ったスパイス感ある辛口の硬質的瞑想者面、の両極端を自在に往来する、しかもその両方に共通して独特の奥深い"詩情"が失われることのない結構ドラマティックな半内省型大河ストーリー風の流れが精細に、緻密に形作られており、聴く者は瑞々しい緊張をもって実に豊かな感動が味わえるという寸法だ。

★端麗優美で雅やかな吟遊牧歌調のロマネスク・ポエット体質っぽい側面(例によって「待ってました!」のゴスペル・フォーキーな節回しとかもちゃんと出てきて、そこら辺では聴者をキッチリ安心させてくれる)も殊の外爽やかで素晴らしいが、本盤における独自性、その真価はむしろより辛辣めのハードな局面にあっての、現代クラシックに接近したメカニカルな行き方や、(アコースティック・ピアノ1台を思うままに駆使しての)ジャレット流アンビエント・ミュージックを目指したともとれるミニマルな語り口、にこそ遺憾なく発揮されている感があり、加えて、Part VIIIでの開き直ったかのようなストレートなブルースマンぶり(ド真っ当すぎる!?)にも新鮮にして醸熟なる旨味がしっかり認められて、これがまた好インパクト。

01. Part I
02. Part II
03. Part III
04. Part IV
05. Part V
06. Part VI
07. Part VII
08. Part VIII
09. Part IX
10. Somewhere Over The Rainbow

Keith Jarrett (solo piano)

2016年7月9日オーストリア-ウィーンの学友協会黄金大ホールでのライヴ録音

レーベル:ECM

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します

輸入盤スリーヴケース仕様CD

マイルド・テンダーなしっとりとした耽美浪漫詩人面と苦味走ったシリアスな硬質瞑想者面の双方に得難い円熟が示された感動のソロ・ピアノ・ライヴ 瑞々しさひとしお! 輸入盤CD KEITH JARRETT キース・ジャレット / NEW VIENNA - AT THE MUSIKVEREIN, 2016[758 9792]

販売価格: 3,100円(税込)
数量:
商品情報
ECM

★キース・ジャレットの80歳の誕生日を記念し、ウィーンで2016年7月に行われたソロ・ライヴ録音の新作がリリース!

★ソロ・ピアノでのライヴ演奏の可能性、概念をも大きく変え、『ケルン・コンサート』をはじめとする数々の名盤を世に送り続ける孤高のピアニスト、キース・ジャレットが5月8日に80歳の誕生日を迎えたことを記念し、最後のヨーロッパ・ソロ・ツアーからのライヴ・アルバムが急遽リリース。

★本作は、キース・ジャレットの最後のヨーロッパ・ソロ・ツアーからリリースされる4枚目のライヴ録音作品で『ミュンヘン2016』、『ブダペスト・コンサート』、『ボルドー・コンサート』に続くもの。すでに伝説的な『ウィーン・コンサート』(ウィーン国立歌劇場で1991年に録音)というライヴ作品があり、本人はかつてその作品を「長年の“炎の求愛”の末に“炎そのものの言葉”を語った」と主張していたというが、本作では2016年にウィーンに再び訪れ、インスピレーションの炎は、活気に満ちた音響特性を持つもうひとつの歴史的な場所、ウィーン楽友協会黄金の間にもたらされたものとなっている。

★本作は、その瞬間に新しい音楽を形成しており、その範囲はほぼ百科事典的である。『ブレーメン/ローザンヌ』、『ケルン・コンサート』から『ウィーン・コンサート』に至るまで、ジャレットの初期のソロ・コンサートを代表する長大な形式は、彼の演奏人生の最終段階に入ったこの時期には、短い、自己完結的で対照的な曲で構成されるショーに取って代わられた。そして、2016年7月9日のウィーン楽友協会での公演がそうだった。 「パート 1」は、自然発生的な音の渦であり、渦を巻き、濃密で複雑である。「パート 2」は静寂の中で和音が浮かび上がり、ゆったりとした旋律が引き出される。 リズムが前面に押し出された「パート3」では、ジャレットがそれぞれの手で別々のパターンを展開し、それを織り交ぜる能力が際立っている。「パート4」は讃美歌的で、栄光の雲をたなびかせ、「パート5」はエーテルからの純粋なバラード。「パート6」は叙情的な衝動を屈折させてより抽象的にし、「パート7」はジャレットのヨーロピアン・カルテットのために書き直されたような優しい曲だ。「パート8」はブルースで基本に立ち返り、「パート9」はゴスペルとカントリーのヒントを含み、ジャレットの音楽的ヴィジョンがいかに包括的であったかを思い起こさせる。アンコールに選ばれた「虹の彼方に」は、『ラ・スカラ』、『ア・マルティテュード・オブ・エンジェルズ』、『ミュンヘン 2016』で聴かれた素晴らしいヴァージョンとは少し異なるフレージングで、ジャレットはまたもや類まれな演奏を締めくくっている。(新譜インフォより)