★夭逝した(29歳の若さで他界)ポーランドの盲目の個性的抒情派ピアニスト:ミェチスワフ・コシュ(1944年ポーランドのAntoniówkaまたはAntoniówce生まれ、1973年ワルシャワで死去)の、本盤は、自己のトリオを率い、1967年と翌1968年のジャズ・ジャンボリー(於ワルシャワ)に出演した折のライヴ音源をまとめた、ポーランド放送(Polskie Radio)所蔵の貴重音源を発掘ディスク化するシリーズの一環としての未発表初出アルバム。
★清流を思わせる滑らかさや潤い、透明感を湛えた端正な生鮮タッチのピアノが、ロマンティック・バピッシュ・ピアノの正統らしい、大凡のところはエヴァンスの流れをストレートに汲んだマイルド・メロディック&エレガントな抒情指向プレイを丹誠込めてきめ細かに、かつ抵抗なく流れるような滑りのよさでもって紡いで、何とも瑞々しく爽やかな鮮度抜群の華を成し、
→ベース&ドラムの安定律動性と機略縦横の遊撃力を兼ね備えた中々スリリングなバックアップも張りのある鋭いグルーヴと生々しい緊迫感を的確に高めきった、全編モード以降の耽美浪漫派ピアノ・トリオの典型たる旋律と和声の端麗さをとことん追究した親しみやすい詩的娯楽演奏が続いて、スッキリと清々しく胸躍らせてくれるフレッシュな会心打内容。
★正三角形的インタープレイ傾向も適所適量盛り込まれつつ、歌心とスイング感そして濃やかな優雅さ〜ジェントルイズムを何より重んじる、ブルース・フィーリングやバップ・スピリットも過不足なく備わったリリカル・アクション・タイプの嫋やかでダイナミックな至って分かりやすい敏活奏演がイキイキ溌溂と展開してゆき、コズウォフスキ(b)&ヘルコフスキ(ds)のスウィンギンにしてゲリラ性ある絡み様に上手く触発される恰好で、コシュ(p)の滑脱自在であり確固としてブレるところのないアドリブ技=語り口の妙が余情豊かに冴え渡って、清新爽快なる感動が満喫できる。
→ビル・エヴァンスの奏法スタイル〜フレージング・パターン、リズムや間の取り方を相当緻密に研究した跡の窺える、アウトラインの基本はエヴァンス・ライクな躍動型ポエティック調のアプローチ、そういうサウンド・イメージでほぼ貫かれているが、しかしエヴァンスのまんまというわけでもなく、バラードにおけるブルース解釈にはエヴァンスとは一味違った翳りあるビタースウィートな哀愁描写に独自性が認められたり、重低音を強打しつつ音数多めに疾駆驀進する立ち回りにあってはマッコイとまでは行かぬものの熱情を秘めたスピリチュアルな殺陣攻勢の気魄が猛々しく炸裂していたりと、決してエヴァンスの模倣に終わらない"コシュ流"がすっくと立ち現れていて新味があり説得力も十二分だ。
1. Israel (John Carisi)
2. Preludium c-moll op. 28 (Fryderyk Chopin)
3. Złudzenie (Mieczysław Kosz) (solo piano)
4. Summertime (George Gershwin, Ira Gershwin) (solo piano)
5. Sygnały (Mieczysław Kosz)
6. Wspomnienie (Mieczysław Kosz)
7. Yesterdays (Jerome Kern, Otto Harbach) (solo piano)
8. Bajka (Mieczysław Kosz)
Mieczysław Kosz (piano)
Janusz Kozłowski (bass except 3, 4, 7)
Sergiusz Perkowski (drums except 3, 4, 7)
1967年10月13日(#1-#4)、1968年10月19日(#5-#8)ポーランド-ワルシャワの国立ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホールで開催された「ジャズ・ジャンボリー」でのライヴ録音(※#5-#8はワルシャワのCongress Hall録音という説もある?)
レーベル:
Polskie Radio
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