CATFISH RECORDS

★アヴィシャイ・コーエン(tp)＆アナ・コーエン(cl)＆ユヴァル・コーエン(ss)のお馴染みイスラエル-テルアヴィヴ出身のコーエン3兄弟＝3コーエンズにオデッド・レヴ=アリがコンダクター&アレンジャーとして加わり、ケルンに本拠を置くドイツの歴史ある名門ジャズ楽団:WDRビッグ・バンドとガッチリ組み合った、ケルンでの白熱ライヴ編。

★雄大スケールとゴージャス感あるダイナミックなビッグ・バンド・アンサンブルが精緻に鳴動する中で、アーシー&ソウルフルなトランペットやアグレッシヴなソプラノサックス、クールかつどこか飄々とした洒脱さ漂うクラリネット、らがいずれも千両役者然ときららか&愉しげに見せ場を競い合って力強くも和気あいあいの盛り上がりを呈し、コク旨なテナーや幾分オールド・ファッションめのピアノ、スモーキー&ダウン・トゥ・アースなトロンボーン、などビッグ・バンドのレギュラー構成員の活躍にも適所でスポットが当てられて美味しい好アクセントを成した、基本的にはキッチリ周到に作り込まれたスコアーに沿っての作劇構成的行き方で破綻なく濃密に沸かせ、同時にソロ・コーナーのリアルなエキサイティングさでフレッシュに昂揚させてもくれる、何げに完成度の高い充実内容。

★徹底してメロディアスでリリカルな、ブルース&バップのフィーリングも潤沢に備わった人情娯楽路線の典型たる歯切れのいいスウィンギン快演が進められてゆき、明朗で親しみやすい大衆派エンタテインメントの理想形を示した道程の中で、しかしさりげなく巧妙な理知性や巨大建築っぽい(一糸乱れぬ)様式美を揮って見せるビッグ・バンドの(超緊密なチームワークに確固と裏打ちされた)クーリッシュ妙技のキレと、コーエン連のリキまぬ自然体で伸び伸びとセッションに興じる風なアドリブ奮戦の豊饒具合、とがコントラストも鮮やかにノリよく愉しめる寸法だ。

★アヴィシャイ(tp)の、概ねリラックスした息遣いでブルース・フレイヴァーの強い柔和な抒情派吟醸プレイを聴かせホッと憩わせてくれたかと思えば、#6ではワウワウ的エフェクト(70年代マイルスにちょっと似)をかけての中々攻めたアプローチにも転じたりと、硬軟・剛柔の加減・ツボを心得た立ち回りが抜きん出て華々しい魅力を放っており、また、アナ(cl)のスイングもしくはトラッドに寄った軽妙小粋な舞い泳ぎっぷりが仄々として風流だったり、ユヴァル(ss)の硬派モーダル・バッパーに徹しきった咆哮もバッチリ勇ましかったりと、"コーエンズ・カタログ"的なウマみ溢れる聴きどころが目白押し。

1. Shufla de Shufla 8:49
2. Catch Of The Day (For A&M) 7:11
3. Tiger Rag 8:04
4. Naked Truth Pt.2 7:40
5. Festive Minor 4:18 (tp-cl-ss trio)
6. Trills & Thrills 7:58
7. Footsteps & Smiles 7:03

Avishai Cohen (trumpet, effects)
Anat Cohen (clarinet)
Yuval Cohen (soprano saxophone)
Oded Lev-Ari (conductor)

WDR Big Band：
Andy Haderer (trumpet)
Rob Bruynen (trumpet)
Wim Both (trumpet)
Ruud Breuls (trumpet)
Raphael Klemm (trombone)
Jonathan Böbel (trombone)
Mattis Cederberg (trombone)
Andy Hunter (trombone)
Stefan Pfeifer-Galilea (saxophone)
Johan Hörlén (saxophone)
Paul Heller (saxophone)
Ben Fitzpatrick (saxophone)
Jens Neufang (saxophone)
Billy Test (piano) (electric piano on 2, 6)
John Goldsby (double bass)
Hans Dekker (drums)

2022年6月16日ドイツ-ケルンのKölner Philharmonieでのライヴ録音

レーベル：Anzic

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輸入盤 見開き紙ジャケット仕様CD