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ホーム2025年2月REVIEW力八分目で悠々と波に乗る流線形的ドライヴィング・ブロウや黒っぽいソウル・フィーリングを全開させたホンカー寄りのブルース・プレイなど、長年鍛え抜き磨き込んだE・アレクサンダーの得意ワザの全てが詰まった充実のカルテット作 輸入盤CD ERIC ALEXANDER エリック・アレクサンダー / CHICAGO TO NEW YORK
商品詳細
★一段と熟味&威風を増してきた現代正統派ハード・バップ・テナーの横綱スター:エリック・アレクサンダー(1968年米イリノイ州ゲイルズバーグ生まれ)の、今回は、馴染みのマイク・ルドン(p)をフィーチュアしシカゴのリズム・セクション2人を迎えたワンホーン・カルテットによる真っ向勝負の一編。

★アーシーとモーダルの間を自在に往来する結構饒舌なピアノや、鋭く空を斬り刻み同時に体当たりっぽく分厚いアタックをカマしてくるドラム、落ち着いた調子でおぼろに唸りを上げ精確に律動ドライヴするベース、らに頼もしくプッシュされながら、リキみなくゆったり伸び伸びと構えた息遣いでハード・ドライヴィングとソフト・リラクシングを表裏一体化させたような渦巻きブロウを繰り出すテナーが、泰然自若の安定感と風格ある華を堂々と成し、かと思えばより甲高く尖った音色のソプラノがエネルギッシュに攻勢をかけてきて熱く昂揚させもする、といった具合で現代流硬派旨口ハード・バップの正統らしいメリハリある奮戦が続いて、しっかりテイスティー・グルーヴィーに愉しませる快演内容。

★歌心とスイング感に変らず重心を置いた雄々しく渋味あるブルージー・バピッシュ演奏が、ひたすら骨太く揺るぎなげに展開してゆき、冒頭ではアレクサンダーがいきなり2曲連続でソプラノを吹き強気に攻めたところを見せるが、それも含めて今作ではアレクサンダーの巧まぬ"自然体"の魅力をクローズアップした、とでも云えそうな、得意とする幾つかの引き出しを悠々と披露してさすが1ミリもブレない絶好調の円熟ぶりがおのずと顕示されるところに醍醐味アリ、の至って真っ当な行き方が貫かれてゴキゲンな豊饒世界を創出している。

★3曲目以降のテナーを吹くトラック群では、概ね力は八分目ぐらいでしなやかな伸張力を示しつつ抵抗なく波に乗るような流線形っぽい吹奏スタイルを頻用、そうした中に、しかしリラクゼーションと同時に力強いダイナミズムやハードなドライヴ感も見て取れ、そのごくナチュラルなバランスのとり様にはさりげない醸造性と練達が滲んでいて秀逸(大方、出だしはけっこうモードっぽくてそういう熱めの路線かと思わせるが、いつしかそれが丸みを帯びた純正ハード・バップ調のマイルド・テンダーな行き方に様変りしている、というのが基本パターン)。

★加えてブルース・ナンバーの#5とかではホンカーとまでは行かないもののわりかし泥臭いダウン・トゥ・アースな漆黒のソウル・フィーリングを露わにして泣きの吟醸節を堪能させ、またソプラノを吹く2曲では演目の上でももろにコルトレーンだがコルトレーンとは微妙に異なった筆致で、エッジを効かせてシャープにえぐり込んでくるアグレッシヴなアプローチに新味を見せたりと、アルバム全体が現在進行形の「エリック・アレクサンダー・カタログ」風の中身になっている辺りに豊かな興趣と美味しさがある。エネルギッシュ&パッショネートにモード色濃く疾駆驀進したかと思えば軽妙小粋に寛ぎファンキー節も唄うルドン(p)の活躍もナイス・アクセント。

1. Afro Blue
2. Wise One
3. This Is Always
4. Only The Lonely (ts-b-ds trio)
5. Hittin' The Jug
6. The Lamp Is Low
7. Angel Eyes

Eric Alexander (tenor saxophone on 3, 4, 5, 6, 7) (soprano saxophone on 1, 2)
Mike LeDonne (piano except 4)
Dennis Carroll (double bass)
George Fludas (drums)

2024年5月7日 米ニュージャージー州イングルウッド・クリフスのVan Gelder Studios録音
2024-2025年カナダ作品

レーベル:Cellar Music (Cellar Live)

在庫切れ
再入荷予定
輸入盤・見開き紙ジャケット仕様CD


力八分目で悠々と波に乗る流線形的ドライヴィング・ブロウや黒っぽいソウル・フィーリングを全開させたホンカー寄りのブルース・プレイなど、長年鍛え抜き磨き込んだE・アレクサンダーの得意ワザの全てが詰まった充実のカルテット作 輸入盤CD ERIC ALEXANDER エリック・アレクサンダー / CHICAGO TO NEW YORK[CM 050724]

販売価格: 2,200円(税込)
数量:
商品情報
Cellar Live

ニューヨークのサックス奏者、エリック・アレクサンダーの新作は、シカゴとニューヨークの間に今も存在する交差点と相互作用に敬意を表している。

★暖かく、きめ細かく、艶やかで力強いメロディとハーモニーを誇るテナー・サックス奏者、エリック・アレクサンダーは、当初から新しい音楽の世界を探求してきた。 彼の新しいアルバム「Chicago to New York」は、シカゴとニューヨークの間に今も存在する交差点と相互作用に敬意を表している。 アレクサンダーが2014年に発表したアルバム『シカゴ・ファイア』では、ニューヨークのリズム・セクションをフィーチャーしていたが、この新作では、マイク・ルドンとアレクサンダー自身がニューヨークを代表し、かたや、ボビー・ブルーム・トリオのメンバーとしても知られるシカゴ在住ベーシスト、デニス・キャロルとドラマーのジョージ・フルダスが参加。シカゴを代表するダイナミックなリズム・セクションとニューヨークの豪華なキャスティングが融合し新鮮なメインストリーム演奏を聴かせてくれる。

★このレコードのテーマは、遠く離れた2つの都市間で共有される相互関係を巧みに探求しており、4人全員が音楽的アプローチ、楽器における最高の達成感、グルーヴ、スウィング、そして最高のジャズの特徴である「ギブ・アンド・テイク・インタープレイ」というグループ美学へのこだわりという点で共通している。ジョン・コルトレーン、マット・デニス、モンゴ・サンタマリアなど、思慮深い選曲と相まって、このレコーディングのレパートリーは、アレキサンダーとその仲間たちに、この2つの偉大なアメリカン・ジャズの都市を隔てる約800マイルを巧みに横断するための、素晴らしい即興演奏の乗り物を提供している...ドライブを楽しもう!(レーベルインフォより)

Executive Producer: Cory Weeds
Produced by Eric Alexander and Cory Weeds
Recorded at Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, NJ on May 7th, 2024
Engineered, mixed and mastered by Maureen Sickler
Photography by William Brown
Design and layout by John Sellards