★当初はシカゴで、その後2013年4月からはNYシーンで活躍し、過去OA2やOrigin、Meetinghouse、MaxJazz、Cellar Liveよりの諸作や自主製作盤などで確かな支持を得てきた、キャリアある正統派ピアニスト:ベン・ペイターソン(1982年米ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ)の、ベース&ドラムとのシンプルなピアノ・トリオによる一編。
★歯切れよくコツンと角張った鳴り様を呈す、小石を転がすような芯にブレなきソリッド・タッチのピアノが、伝統的バップ・イディオムに則ったハード&スクエアーな殺陣の型っぽい力学フレージングやアーシー&ファンキーなブルース色濃い粋渋節を先ずは根幹とし、時折転回としてモードの語法をあくまでスマートな洗練さを担保する形で活用した歌謡的リリカル・フレーズも織り交ぜる、といった風な、トータルなアウトラインとしては至ってオーソドックスなハード・バップ・ピアノの典型らしい、陰影にも富んだ硬派筋のメロディック・スインギー・プレイを敏活かつ流麗に綴って、ちょっと燻し銀的吟醸感あるアジな魅力を放ち、ベース&ドラムの堅実にして芸の細かいサポートも安定したノリと適度なスリルを的確に齎した、全編旨口バピッシュ・ピアノ・トリオの見本のような決して本道を外れぬ快演が続いて、ハートフル&テイスティーに小気味よい道程を愉しませ、ホッと一息つかせる安心内容。
★歌心とスイング感にポイントを絞り、ブルース・フィーリングやバップ・スピリットも自ずと豊富に有した、どこを切っても「ハード・バップらしいハード・バップ」に徹してのキレのある快進撃が展開してゆき、マイナー(b)やシーバー(ds)の出しゃばらずしっかりと屋台骨を支え、百発百中の援護射撃を見せるバックアップぶりも頼もしく光る中で、ペイターソン(p)の、徹頭徹尾明快でシンプル・ストレートな人情娯楽体質のウォーム&デリシャス街道を貫いた、雄々しくも洒脱さ溢れるアドリブ妙技が重みと軽みを併せ持った何ともイキでイナセな冴えを、キレを見せて全く鮮やか、全くゴキゲンだ。
→冒頭こそ幾分モード色を加えたジェントルなロマンティストぶりを発揮して以前とは芸風が変わったのかとも思わせるが、実のところそんなことはなくて、その後は、パウエルやB・ハリス辺りの流れを汲みつつそれをちょっとソフト化した感じなバップ・ピアノの真髄スタイルを変らず基軸に据え、味つけとしてR・ガーランドやO・ピーターソンにも通じる寛ぎ小唄的ファンキー・アプローチを潤沢に盛り込んでゆく、という、そうした弾鳴には、はや熟成感さえ漂うシブめソウルフル・バピッシュ・ピアノの理想形が揺るぎなく確固・堂々と示されていて絶品。
01. Cookin' In The Couve
02. Chitlins Con Carne
03. North Pond Stroll
04. 'Tis Autumn
05. This Here
06. Digging Around
07. Chicken 'N Dumplins
08. Up The Exchange
09. Quel Temps Fait Il A Paris
10. Morning Perusal
Ben Paterson (piano)
Neal Miner (bass)
Aaron Seeber (drums)
2024年4月21日カナダ-ブリティッシュ・コロンビア州ヴァンクーヴァーのMonarch Studios録音
2024年カナダ作品
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
御予約商品
CD
入荷予定時期:2024年11月下旬 受注締切:2024年9月19日
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