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ホーム2024年4月REVIEWアンニュイ&スモーキーでレイドバックしたリラクゼーションと夢幻性漂う滑脱テナー吹奏が幽玄深い妙味を揮った寛ぎコンテンポラリー・モード・ジャズの逸品 輸入盤CD MELISSA ALDANA メリッサ・アルダナ / ECHOES OF THE INNER PROPHET
商品詳細
★NYブルックリンを拠点に飛ぶ鳥も落とす破竹の勢いの活躍を続ける、Inner Circle Music、Concord、Word of Mouth Music、Motéma Music、Blue Note等よりの過去作品群も高い評価を得ていた、進取性に富む個性派女性テナーサックス奏者:メリッサ・アルダナ(1988年チリのサンティアゴ生まれ)の、Blue Noteからの2作目となる本盤は、前作でも組んでいた人気ギタリスト:ラーゲ・ルンドとのコンビネーションを核としたクインテット(但し、おぼろに聞こえてくるキーボードらしき音はAlmazanか?或いはルンドのギター・シンセとかか?それとも6人目か?不明)による一編。

★鋭い締まりとソフトな丸みが渾然一体化した感じのニュアンスに富むトーンのテナーが、翳りあるビタースウィートな歌性を渦巻くようなスムースさと重厚なハード・ドライヴ感の中に悠然と発揮しきった、ちょっと物憂くけだるいスモーキー・プレイを滑脱に綴って余情豊かで渋味漂う華を成し、きめの細かいコンテンポラリー・タイプのファンタジック・ドリーミーなギターや半幾何学的ダイナミズム表現でキレと弾みを齎すピアノ、らの活躍も上手くツボにハマり的確に興・色彩を散らして見せた、全体を通じ今日流モード・ジャズ=ポスト・バップの正統らしいシリアスでいて旨味溢れる快演が続いて、中々心地よく酔わせてくれる好投内容。

★現代感覚を豊富に反映したリズミカル・ビートの上で、硬派な迫真力はあるものの主役アルダナ(ts)の芸風に象徴される一定の抒情性とリラクゼーションを保持しつつの躍動型リリカル妙演、がゆとり+繊細さをもって流麗に展開してゆき、リズム・セクションの堅実にして芸の細かい、安定律動しつつ不意に横槍を入れてくるところもある機略縦横のバックアップに適宜触発されながら、アルダナ(ts)らの腰の据わった伸びやかなアドリブ奮戦がマイルド・ムーディーに盛り上がりを見せて素晴らしい。

★アルダナ(ts)の、少なくとも今作に限っては、故ウェイン・ショーターの芸風・作風をアルダナ流に新解釈した、とでも云えそうな、半ば幻想的に心象風景をスケッチしてゆく風なアンニュイでややミステリアス&イリュージョナルなアプローチにほぼ終始しており、もっとも本家ショーターほどの複雑で神秘的な難解さはなく、ショーター・スタイルをよりシンプルに明快娯楽化したようなそのアップデートされた脱力調子のレイジー節が何とも味わい深く含蓄豊かな(マーク・ターナー辺りとはまた違った)独自の妙味をゆったりと放っていて秀逸で、音空間・道程はアルダナの一人勝ち的な様相を呈しているものの、それに果敢に(と云うより結構マイペースでレイドバックした息遣いを感じさせるが)拮抗するルンド(g)の、全編エレクトリックを弾いているのにどこかアコースティックっぽい清澄感があり、ノルウェー出身ながらしっかり"アメリカーナ"寄りの歌いっぷりを披露するセンシティヴな機微ある助演も光っている。

1. Echoes Of The Inner Prophet For Wayne Shorter (Melissa Aldana)
2. Unconscious Whispers (Aldana)
3. A Story (Aldana)
4. The Solitary Seeker (Aldana)
5. Ritual (Pablo Menares)
6. A Purpose (Aldana)
7. Cone Of Silence For James Farber (Aldana)
8. I Know You Know (Lage Lund)

Melissa Aldana (tenor saxophone)
Lage Lund (guitar)
Fabian Almazan (piano)
Pablo Menares (bass)
Kush Abadey (drums)
Unknown (keyboard? on 1, 2, 3, 4, 6, 7?, 8)

米ニューヨーク市クイーンズ区アストリアのSamurai Hotel Studios録音
2024年アメリカ作品

レーベル:Blue Note

在庫有り
見開き紙ジャケット仕様・輸入盤CD

↓参考動画

アンニュイ&スモーキーでレイドバックしたリラクゼーションと夢幻性漂う滑脱テナー吹奏が幽玄深い妙味を揮った寛ぎコンテンポラリー・モード・ジャズの逸品 輸入盤CD MELISSA ALDANA メリッサ・アルダナ / ECHOES OF THE INNER PROPHET[BLUE NOTE 582 7747]

販売価格: 2,350円(税込)
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商品情報
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BLULE NOTE

★2013年度のセロニアス・モンク・ジャズ・コンペティションで優勝し翌年メジャー・デビュー、その後グラミー賞にもノミネートされるなど破竹の勢いでニューヨークのジャズ・シーンを駆け上がっているサックス奏者/作曲家のメリッサ・アルダナのブルーノート・デビュー作となった2022年のアルバム『12 Stars』に続くブルーノートから2作目が登場。

■メリッサが大きな信頼を寄せているギタリストのラーゲ・ルンドとの共同プロデュースとなった本作は、ウェイン・ショーターへのオマージュも含むメリッサ自身の書き下ろし曲8曲を収録。ピアノにファビアン・アルマザン、ベースにパブロ・メナレス、そしてドラムにクシュ・アバディを迎えてレコーディング。数々のツアーを共にこなしてきたメンバーとの録音となり、バンドとしての一体感が見事に捉えられている。柔らかくも鋭いアレンジやサウンドも非常に印象的で、強い個性を持つ注目作品だ。

■自身の精神的な部分の深いところまで旅をすることがコンセプトだったという本作について、メリッサ自身は「このアルバムは、内省的な視点を持った個人的な旅のようなもので、『内なる預言者』(inner prophet)とは、年齢を重ね、自らの人生についての知識や直感、真実を持っている自分自身です。」と語っている。また、1曲目の「Echoes Of The Inner Prophet For Wayne Shorter」でオマージュを捧げたウェイン・ショーターについては、「年齢を重ねるにつれて、若い頃はできなかったかもしれないやり方で、彼の音楽や演奏に共感できるようになったと思います。彼の空間の使い方、ストーリーの語り方、コミュニケーションの方法、そして絵の描き方などです。そしてウェインのことを考えるとき、私は色のことを思い出します」とコメントしている。(新譜インフォより)
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