CATFISH RECORDS

★富樫雅彦(per)(1940年旧東京府生まれ、2007年神奈川県で死去)の率いる、峰厚介(ts)、佐藤允彦(p)、井野信義(b)という強力な顔ぶれのオールスター・カルテット：富樫雅彦＆J.J.スピリッツは1991年に結成され、「Plays Be Bop Vol.1」並びに「同Vol.2」というアルバムをリリースして(あと1992年のライブ・アンダー・ザ・スカイ実況盤も)好評を得たが、本盤は彼らユニットの集大成とも云うべき、1994年12月22日新宿ピットインでの公演の模様を収めたVenusの傑作ライヴ作品の、待望のアナログLP(2枚組)化。

★分厚い音色で撥ねるようにウネりドライヴするベースや精確かつシャープに色彩感も豊かな速射砲撃的アクションをぶつけてくるパーカッション、らに上手く煽られつつ、骨太くヘヴィーウェイトな隆々トーンで中々壮烈なるアグレッシヴ咆哮を屈強げに繰り出すテナーや、巧緻な鮮明タッチでスピリチュアル&パッショネートにキレのある鋭敏アタックを見せるピアノ、らが殊の外パワフルそして軒昂に密度の濃い見せ場を繋いでゆく、全体を通じタフで雄渾なただならぬ"熱さ"がハジけまくるダイナミック敢闘の連続に問答無用で興奮させられっぱなしの突き抜けた会心打内容。

★武勇肌で烈しいところは多々あるが何より歌心とスイング感を大切にした、ブルース・フィーリングも豊富に備える現代ハード・バップのこれぞ真髄たる人情娯楽活劇調の力強い驀進、がひたすら精悍に、エネルギッシュに展開され、全者一丸となって悔いなく完全燃焼するハイテンションな道程が続く中、正に"スイングの権化"となった富樫(per)の表情多彩なリズミカル躍動ぶりが、終始圧倒的にグルーヴの旨味を放ち、肉太いトーンで執拗なまでに波打ち躍る井野(b)の粘っこい攻勢もコク深く際立ちながら、彼らに頼もしく触発される恰好で、花形役:峰(ts)の逞しき重厚ブローイングや、猛烈に追い上げてくる佐藤(p)のエモーショナルな前のめり弾撃、がちょっと只事でない驚愕級の盛り上がりを呈して、全くゴキゲンだ。

★峰(ts)の、武骨で強靭すぎるほどのタフガイ然とした大立ち回りの吠えっぷり・雄叫びぶりに理屈を越えた無双の真価が遺憾なく発揮されているが、その吹鳴はストロングであるにとどまらず奥深い哀愁ロマンを垣間見せるところもあって何とも味わい豊かなものがあり、一方佐藤(p)の、ガッチリ安定した超絶技巧をもってスピーディーに硬質ダイナミズム表現を押せ押せ気魄で炸裂させ、エキサイトしてくるとややアブストラクトな領域にも突入するその凄味に満ちた燃え様も、デーンと構えた峰とは好対照を成しつつ巧い掻き回し効果を上げていてこれまたナイス。

LP 1
Side A：
1. Monk's Hat Blues 〜 Milestones (M.Togashi & M.Davis) 14:53

Side B：
1. All The Things You Are (J.Kern) 11:33
2. Autumn In New York (V.Duke) 9:10

LP 2
Side C：
1. It's You Or No One (J.Styne) 13:16

Side D：
1. So What 〜 Monk's Hat Blues (M.Davis & M.Togashi) 16:26

峰 厚介 Kohsuke Mine (tenor saxophone)
佐藤 允彦 Masahiko Satoh (piano)
井野 信義 Nobuyoshi Ino (bass)
富樫 雅彦 Masahiko Togashi (percussion)

1994年12月22日新宿ピット・インでのライヴ録音

レーベル：ヴィーナスレコード

※限定枚数に達しました時点で販売終了。

在庫有り
国内制作・限定プレス180g重量盤2枚組LP