CATFISH RECORDS

★蘭アムステルダムで活躍する若手精鋭5人により結成された、アルトサックス、テナーサックス、ギター、ベース、ドラムの2管クインテット：ザ・ダム・ジョーンの、本盤は、米フィラデルフィアへ乗り込み、ヴェテラン・アルトサックス名手：ディック・オーツをゲストに迎えて吹き込まれたデビュー・アルバム。

★威勢よくイナセげに、そしてブルージーに哀感と熱情を抜群の鮮度で活写するアルトのキュキュッと絞りの利いた雄叫びブロウが精悍凛々の眩い輝きを放ち、より太く重厚感あるテナーのアグレッシヴ咆哮や、思索性&熟成感を濃くした第二のアルトの翳りあるハードボイルド吹奏、潤いと旨味に富んだ鋭利なトーンでバップの本道然たる歯切れのいい立ち回りを見せるギターの敏活弾奏、といった辺りもそれぞれ華やいだ存在感たっぷりに味わい濃く追撃してくる、全体を通じピタリと息の合ったカラフルなアンサンブルの美しさ・美味さとブローイング・セッション様のソロ合戦コーナーの清新この上ない盛り上がり、とで胸のすくような晴れ晴れした昂揚感を満喫させてくれる会心打内容。

★歌心とスイング感に重点を絞り、伝統的ブルース・フィーリング&バップ・スピリットも潤沢に備えた、これぞサックス・バトル系ハード・バップの理想形とも云うべきダイナミックかつエネルギッシュな、ひたすら爽やかに青嵐が吹き抜けるかのようなスカッとしたシンプル・ストレート驀進が愉しげに決め込まれ、リズム・セクションの律動性と遊撃力をバッチリ併せ持った機略縦横のバックアップに上手く刺激されながら、一座のトップ花形たるディアス(as)や、強力に追い上げてくるフルネンダイク(ts)、オーツ(as)、フォルト(g)らの手加減なき燃焼ぶりが、何ともフレッシュに隆盛具合を呈してゴキゲンだ。

★ディアス(as)の、パーカーを出発点とするバップ・アルトの正統スタイルや、キャノンボールに底通するファンキー語法、モードと云うよりファンクのテイストを感じさせる今日流アクション、更にはポール・デスモンドを思わせるソフトな軽涼吹奏まで、モダン・アルトの歴史を網羅しつつ当世流らしく鮮やかな"サンプリング"手腕を発揮してのけた、トータルとしては気さくそうで勇み肌のアンちゃん風キャラにすんなり着地させるその朗々吹鳴が殊の外清々しい妙味を振るっており、一方そうしたディアスの器用な振り幅に比してより強固一徹な武骨さで拮抗する御大オーツ(as)のモード色濃い苦味走ったパッショネート・プレイや、幾分荒削りに重みと分厚さをもって体当たりっぽくぶつかってくるフルネンダイク(ts)の熱い砲撃、も各々ディアスとは鮮やかなコントラストを成しながら魅力的好敵手ぶりを見せていてこれまた卓抜。

1. Master Street
2. Venango
3. Racoon's Fight
4. Send In The Clowns
5. NY's Hectic Nature
6. Atlanta
7. Darn That Dream (as-g-b-ds quartet)

＊The Dam Jawn ザ・ダム・ジョーン：
Martin Diaz マルティン・ディアス (alto saxophone)
Frank Groenendijk フランク・フルネンダイク (tenor saxophone except 7)
Joan Fort ジョアン・フォルト (guitar)
Philip Lewin フィリップ・レヴィン (double bass)
Nitin Parrée ニティン・パルレー (drums)

＊featuring フィーチャリング：
Dick Oatts ディック・オーツ (alto saxophone on probably 1, 2, 3, 4)

2022年4月15日米ペンシルヴェニア州フィラデルフィアのボイヤー・レコーディング・スタジオ録音
#7のみ2022年5月4日米ペンシルヴェニア州フィラデルフィアのクリスズ・ジャズ・カフェ(Chris' Jazz Cafe)でのライヴ録音

レーベル：Challenge

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