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ホーム2024年1月REVIEWスピリチュアルな哀愁的リリシズムと暴虐乱調のアブストラクト大攻勢がフレッシュにクロスする現代和製フリー・ジャズ・ピアノ・トリオの会心打! CD 藤井 郷子 東京トリオ SATOKO FUJII TOKYO TRIO feat. 須川 崇志 & 竹村 一哲 / JET BLACK ジェット・ブラック
商品詳細
★"硬質"を身上とするフリー派で鳴らした突出個性のピアニスト〜独創肌インプロヴァイザーであり、またオーケストラ・コンダクター&アレンジャーとしても非凡な才覚を発揮して高い評価を得てきたヴェテラン異才:藤井郷子(1958年生まれ、東京都出身)の、須川崇志(b)&竹村一哲(ds)と2019年に結成した近年の主力ユニット=藤井郷子東京トリオ、によるアルバム2作目=渋谷公園通りクラシックスでのライヴ編。

★歯切れよくも陰影濃く硬質(おっ出たな!)骨太な、岩石を転がすかの如き安定感ある強固タッチのピアノが、深い哀愁やスピリチュアリティに満ちたリリカルめのアプローチと、幾何学的アブストラクトさ溢れる"乱調"に徹したアナーキーな暴れぶり、とを細かに交錯させつつほぼ一貫して「ダイナミック・アクション」の道を突き進むパワー全開の大攻勢を見せて、こちらも思わず血沸き肉躍るド迫力の魅力(〜凄味)を放ち、一方、律動的グルーヴ演出と並行して弓弾きによる異形な蠢き・絡みもつれ込みにより比重を置く怪しいベースや、色彩感も豊かに様々な音響を駆使して奇襲をかけてくるパーカッシヴ・ドラム、らのゲリラ戦術巧みな意表を衝く遊撃も鮮度抜群に生々しいスリルを強化しきった、全編極めて即興度の高いインタープレイ・バトルの連続で息詰まるような圧倒的サスペンスと昂揚感を満喫させてくれる、ただならぬハイテンションさの維持された敢闘内容。

★情緒性のある所謂フリー・ジャズと、ヨーロッパ系とかに通じるインプロヴァイズド・ミュージック、の間を往来する感じの、妥協なき真剣勝負のぶつかり合い・ど突き合いが超スリリングかつ超パワフルに展開してゆき、情容赦なく正三角形的に交じりクラッシュする三者の、気力もイマジネーションも充実しきった白熱インプロヴィゼーションが鮮烈そして豊饒に盛り上がりを見せて卒倒モノだ。

★藤井(p)の、さぞ過激で抽象主義の極致めいたダダイスティックな爆撃をカマしてくるだろうと思ったら、他の二人と比べると意外にそんなこともなくて、ピアノの内部弦をイジるノイジーな行き方とかもあることはあるが、基本はあくまでポール・ブレイやマリリン・クリスペル辺りに底通する(似ているわけではない)辛口だが抒情性や浪漫のちゃんとあるポエティックな文脈形成、並びにセシル・テイラーや山下洋輔を想起させるところのある不協和音の洪水的な打楽器型のヴァイオレント・アタック、を概ね二本柱の根幹としていて、そういうフリー・ジャズ・ピアノの正統らしい筆運びでグループ全体に上手くバランスを齎しており(演目は全て藤井のオリジナル曲で、自由即興の破壊力は満点ながらあくまで"曲らしさ"を大切にした藤井の演奏姿勢も誠実げで好感が持て◎)旨味も十二分で、その反面、金属的に軋む風な奇音を頻発させる竹村(ds)や、不気味に這い回るイメージの須川(b)のアブノーマルなアルコ技、らの方がむしろ実験色の強い(「曲など何処吹く風」の?)カオスな掻き回し係っぽい役割を担っているのもまた興味深い魅力。

1. Along The Way 6:25
2. Gentle Slope 9:25
3. Sky Reflection 10:58
4. From Sometime 12:22
5. Take A Step 10:54
6. Jet Black 5:52
*all composed by Satoko Fujii (BMI)

藤井 郷子 (piano)
須川 崇志 (bass)
竹村 一哲 (drums)

2023年3月21日渋谷公園通りクラシックスでのライヴ録音

レーベル:Libra

在庫有り
国内制作CD

スピリチュアルな哀愁的リリシズムと暴虐乱調のアブストラクト大攻勢がフレッシュにクロスする現代和製フリー・ジャズ・ピアノ・トリオの会心打! CD 藤井 郷子 東京トリオ SATOKO FUJII TOKYO TRIO feat. 須川 崇志 & 竹村 一哲 / JET BLACK ジェット・ブラック[LIBRA 203 073]

販売価格: 2,420円(税込)
数量:
商品情報
■藤井郷子 東京トリオ Satoko Fujii Tokyo Trio =現代日本の精鋭が結集!

藤井郷子 Satoko Fuji (piano, composition)
「地鳴りするような力強さと緩やかな抑制」ージョヴァンニ・ルッソネーロ
(ニューヨーク・タイムス)
藤井は今日のジャズ界で最も独創的な一人だ。ジャズ、クラシック、ロック、日本音楽をすぐに彼女の作品と認識できるよう革新的に合成する。多作な作曲家、国際的演奏家でもある彼女はその「芸術的知性、独立
性、誠実さ」で 2020 年”Instant Award in Improvised Music”賞を受賞。2022年、リーダーとしてリリースしたアルバムが 100 作を超える。

須川崇志 Takashi Sugawa (bass)
群馬県伊勢崎市出身。11 歳の頃にチェロを弾き始め、18 歳でコントラバスを始める。奨学金を得て渡米、2006 年にバークリー音楽大学を卒業。その直後に移住したニューヨークではピアニストの菊地雅章氏に師事する。2009 年に帰国後、日野皓正バンドに加入(2010-16)現在は自身主宰のトリオ、Banksia Trio(バンクシアトリオ with 林正蔵、石若駿)をはじめ、渡辺貞夫カルテット他多くのグループに参加。

竹村一哲 Ittetsu Takemura (drums)
札幌市生まれ。大山淳氏に師事。中学卒業と同時にプロ活動開始。2011 年より渡辺貞夫グループのレギュラードラマーとして活動し、2019 年の NY ブルーノート公演にも唯一の日本人メンバーとして参加。2016 年より峰厚介カルテットに加入。2021 年、自身のリーダーバンド(井上銘、魚返明末、三嶋大輝)での 1st アルバム「村雨」発売。2022 年 11 月、藤井郷子 Tokyo Trio のメンバーとして、ヨーロッパツアーに参加。札幌と東京を拠点に全国で活動している。

■藤井郷子東京トリオ ライヴ情報
11 月 28 日(火) open 19:00 start19:30 新宿ピットイン 『Jet Black』プレリリースライヴ
11 月 29 日(水) open 19:00 start19:30 稲毛キャンディ 『Jet Black』プレリリースライヴ
2 月 18 日(日) / 3 月 16 日(土) open 14:00 start 14:30 公園通りクラシックス 『Jet Black』リリース記念ライヴ

■藤井郷子年始恒例 特別イベント!
1 月 8 日 (月) 田村夏樹、藤井郷子「あれもこれも 2024」@新宿ピットイン 詳細は→→ http://pit-inn.com/
年始恒例、新宿ピットイン昼夜通しイベント。6 ユニット、のべ 36 名の強者たちによる 7 時間のマラソンコンサート!

藤井郷子、須川崇志、竹村一哲、一瞬を研ぎ澄ます集中力
精緻を極めるアンサンブル、オープンな即興
現代屈指のリズムセクションとの Satoko Fujii Tokyo Trio、進化する第二弾!!


2022 年、リーダー作として 100 作を突破。精力的な活動で走り続ける藤井郷子による最新作品。本作は東京トリオとしての第 2 弾。ベースは須川崇志、ドラムは竹村一哲。ストレートな演奏から、インプロヴィゼーションまで、瞬間瞬間で相互作用を起こす屈指のリズム・セクションとの演奏は、ピアノ・トリオという伝統的なフォーマットで、最高の即興劇を見せる。

結成は 2019年8月。「最初にこのトリオで演奏した時から、すごくいい感じでした」と語る藤井郷子。2020年9月15日、3度目の共演となった新宿ピットインでの演奏が、2021 年 5 月に『Moon on the Lake』となって、リリース。その後、コロナ禍と多忙なスケジュールの都合によって活動は阻まれることになったが、2022 年の秋には、各地メディアで絶賛の評も得るヨーロッパ・ツアーを敢行。続く 2023 年春に日本ツアー。その最終日に録音されたのが本作『Jet Black』となった。

「須川さんも竹村さんも即興演奏がトップ・レベル。最近では作曲部分を減らして、即興による発展性のある展開により重点を置いています」と藤井自身が語る演奏は、Jazzwise 誌で“テレパシーで繋がれたトリオのアンサンブル”と評されたことも象徴的。

3人の演奏は、終始、緊迫した音の交感を続けながら、圧倒的な一体感も創り出す。録音は渋谷公園通りクラシックスにて。結成から 2 年半、一瞬を研ぎ澄まし、進化するトリオ。その勢いは止まることを知らない。(新譜インフォより)

Recorded :Takanori Terabe
Mixed :Masataka Fujikake
Mastered :Mike Marciano (System Two, NYC) June 10, 2023