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ホーム2024年1月REVIEW硬質ダイナミックかつマイルド・メロディックな抒情性に富むピアノ・プレイがギター、チェレスタ、エレピ、シンセ等に紛れ(搔き回され)つつフレッシュ・スリリングに冴えるユニーク編 CD DAVID BRYANT デイヴィッド・ブライアント / COAT OF ARMS -紋章-
商品詳細
★NY時代はマイロン・ウォルデンやマーカス・ストリックランド、デズロン・ダグラス、ルイス・ヘイズらのサイドで辣腕を揮い、ここ最近は東京のジャズ・シーン第一線で活躍し先頃出た西口明宏のDOD盤でも好プレイを聴かせていた米黒人ピアニスト:デイヴィッド・ブライアント(1983年米NYブルックリン生まれ)の、初のスタジオ録音盤となる本作は、マーティー・ホロベック(b,elb)&石若駿(ds)とのトリオに、井上銘(g)&エルムホイ(vo)のゲスト陣も加わりつつの一編。

★歯切れよくも端正で潤いや透明感に富んだ硬質タッチのピアノが、一定のスマートさを保ちながらしかし結構烈しくダイナミック・アクションをぶつけてきたりクール&エレガントに詩情を映したり等の躍動型メロディック・プレイを綴って、爽やかでいて甘すぎないキリッとした華を成し、コンテンポラリー感覚溢れるブルージーなギターや、清涼でクリーンな冷風を吹きかけるかのような女性ヴォーカル、らも各々存在感充分に魅力的な彩りを添えた、全般に極めてアップトゥデイトでありつつその奥底にはハード・バップ・ジャズの伝統もしっかり覗かせる、一本ビシッと骨芯の通った闊達演奏を歯応え満点に愉しませる快投内容。

★オーソドックスなブルース&バップのフィーリングに今日らしい変幻自在のリズミカル・グルーヴ性=ノリのよさ、そしてこれまた当世流の幾分ポップな歌心の加えられた、概ねリリカル・アクション・タイプの進歩的だがあくまで親しみやすい快活奏演が展開され、ホロベック(b,elb)や石若(ds)の機動性&遊撃力に長けた縦横無尽のサポートに上手く煽られる恰好で、ブライアント(p他)の、ハードな力学理念とソフィスティケートな美旋律センスに根ざしたアドリブ妙技がフレッシュに冴えていて清々しい。

→ごく普通にアコースティック・ピアノを弾く場面ではハンコックやエヴァンスらの成果を踏まえた、時にパーカッシヴ、時にマイルド・クーリッシュなアクティヴ抒情派の正統然たる滑脱ワザを繰り出して中々堅実にバピッシュ景色を活写する(一部では現代音楽を思わせる荘厳なアプローチを見せて絶妙のスパイス効果も上げる)が、そこへ度々チェレスタやエレピ、シンセ等によるクセ球を投入して聴く者をちょっと煙に巻くが如くトータル・サウンドの色彩に変化を持たせる(→揺さぶりをかける?攪乱する?)、辺りの自在でドラマティックな文脈形成にこそワン&オンリーの本領が揮われている感があり、これに更に井上(g)のロック&ファンク感覚全開のゲリラ攻勢が加わることでまた一段とカラフルさ・賑々しさ(+渾沌さ)が増しているところも、独自の揺るぎない作風のキレと云えるだろう。

01. Coat Of Arms
02. Reliquiae
03. Imbue
04. Morning Sunrise
05. Proliferation
06. Concatenation
07. Mesba's Mind
08. Immaculation
09. Aberration
10. Ultimation

David Bryant (piano except 07) (electric piano on 02,03,05,07,10) (celeste on 03,04) (synthesizer, electronics? on 03,05,07)
Marty Holoubek (bass on 01,04,06,08,10) (electric bass on 02,03,05,07,09,10)
石若 駿 (drums)
井上 銘 (guitar on 01,03,05,07)
Ermhoi (vocal on 03,05)

2023年4月9日-10日NK SOUND TOKYO(東京都新宿区四谷4丁目)録音

レーベル:Days of Delight

在庫有り
国内制作CD

硬質ダイナミックかつマイルド・メロディックな抒情性に富むピアノ・プレイがギター、チェレスタ、エレピ、シンセ等に紛れ(搔き回され)つつフレッシュ・スリリングに冴えるユニーク編 CD DAVID BRYANT デイヴィッド・ブライアント / COAT OF ARMS -紋章-[DOD 041]

販売価格: 2,640円(税込)
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商品情報
Days of Delight

日本のジャズシーンに新風を吹き込むピアニスト DAVID BRYANT 初のスタジオ録音作 『COAT OF ARMS』

★日本のジャズシーンでいま最も注目を集める NY ブルックリン出身のピアニスト、デヴィッド・ブライアントの新譜『COAT OF ARMS』発売決定。

★本作は、マーティ・ホロベック(b)、石若駿(ds)というリーダートリオのメンバーに ermhoi(vo)と井上銘(g)を加えたスぺシャル編成のプロジェクト。デヴィッド・ブライアントによる初のスタジオ録音作品です。わが国の誇るトッププレイヤーたちが世界最先端のジャズを繰り広げます。(新譜インフォより)

★「『COAT OF ARMS』(=紋章)というタイトルが暗示するとおり、この作品は David の表現世界=“David's World”へのゲートウェイであり、David Bryant という音楽家の音楽的紋章=アイデンティティの結晶です。ここに記録されているのは世界にひとつの「David Bryant の音楽」なのです」
――Days of Delight ファウンダー&プロデューサー 平野暁臣