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ホーム2023年3月REVIEWクール・メロウでロマンティックな哀愁歌謡的情緒とバピッシュ&ブルージーな粋渋グルーヴ感をしっかり兼備した現代スウェディッシュ超絶ハーモニカ会心の爽やか名演! CD FILIP JERG with CARL BAGGE TRIO フィリップ・イェーシュ / IN THE SPIRIT OF TOOTS
商品詳細
★2005年=18歳の時にドイツのトロッシンゲンで行われた国際ハーモニカ・フェスティヴァルに出場してワールド・チャンピオンに選ばれ、以降、全世界を渡り歩きながら幅広いジャンルで精力的に演奏、その後、自国スウェーデンの王立ストックホルム音楽大学のジャズ科修士課程を修了して修士号を取得し(2011年)、ヤン・ルンドゥグレーン、ヤン・アッラン、ゲオルグ・リーデルらと共演を重ねてきた、スウェディッシュ・ジャズ・ハーモニカ新世代の逸材:フィリップ・イェーシュ(イェルシュ?)(1986年スウェーデンのルンド=Lund生まれ)の、本盤は、カール・バッゲ(p)・トリオを伴ったカルテットによる、敬愛する故トゥーツ・シールマンスへのオマージュが込められた一編。

★柔らかな丸みと鋭い締まりやキレが自然に交差し、スッキリとした清澄さに溢れた美味トーンのハーモニカが、哀愁の歌謡性とバピッシュなグルーヴ加えてブルース由来のウマみを黄金率で掛け合わせた詩情豊かなメロディック・プレイをひたすら流暢に、滑り泳ぐが如く悠然と紡いで、何とも爽やかでいてちょっぴり物悲しさ仄めくアジな華を成し、一方、硬派で堅牢な鋭角的バップ技を粛々と繰り出すピアノ以下、リズム隊の手加減抜きのストレートアヘッドな助演もしっかり粋渋なる魅力を際立たせた、全体を通じソフト&ウォームな優しいリリシズムとリアル・ジャズならではのハードなグルーヴが絶妙のバランスで並立する音世界に、心地よく浸らせてくれるホッと安心の豊饒内容。

★編成的には所謂ワンホーン・カルテットの体を成していて、バッゲ(p)以下のピアノ・トリオは極めて真っ当にメインストリーム街道を突き進むハード・バップ演奏に終始し、ソリッド&スクエアーで極めて強固なキレのいいノリ〜ダイナミック・スイング感がシッカと齎されるが、主役を張るのがハーモニカということもあって、トータル・サウンドにはサックスとかとは違った独特のソフトネスやメロウ・ムーディーさ、ポップさが程好く漂う、基本はあくまで歌心や抒情性を大切にした親しみやすくも居心地のいい半ラウンジ的音空間が軽やかに創出されており、バッゲ(p)の正攻法を貫くちょいシブめのアクション弾奏も随所で頼もしげに芳醇な妙味を煌めかせる中、イェーシュ(hca)の、テンダーでハートウォーミングそれでいて引き締まったジャズの本道らしいシャープなグルーヴィーさにも富む、何げに研ぎ澄まされた変幻自在のアドリブ至芸が実に鮮麗に、テイスティーに冴え渡っていて卓抜だ。

→ハーモニカ特有のクール&マイルド或いは幾分ライトなロマンティックさ・ファンタジックさ〜快適ムードに溢れる反面、そのフレージングには中々深く濃いブルース・フィーリングやバップ・スピリットが確固と顕れていて、そうした、クーリッシュ・スウィートな感触の内側から結構熟成した吟醸感が立ち昇ってくる辺りのイキな風情には大いにウナるものがあり、また十全に鍛え抜かれた圧倒的超絶技巧を有するもののそれと意識させることもなくチョチョイのチョイの朝飯前さが一貫して保たれ、T・シールマンスの影響を受けながらも独自の北欧的フォーキー・センスの発露やカントリー・ウェスタン系統っぽい牧歌的ブルージー文体、などに唯一無二の魅力を発揮したりと、そのサウンドには決して真似事でない揺るぎなく骨芯の据わったユニークな個性があり、説得力も格別。お見事。

01. Days Of Wine And Roses (Henry Mancini / Johnny Mercer)
02. Waltz For Sonny (Toots Thielemans)
03. Sultry Serenade (Duke Ellington)
04. Midnight Cowboy (John Barry)
05. Sophisticated Lady (Duke Ellington) (hca & p duo)
06. Empoli (Filip Jers)
07. Toots Blues no.442 (Filip Jers)
08. For My Lady (Toots Thielemans)
09. Dansen På Sunnanö (Evert Taube)
10. Lite Grann Från Ovan (Lasse Dahlquist)
11. Vem Kan Segla Förutan Vind (traditional)
12. Bluesette (Toots Thielemans)
13. Hard To Say Goodbye (Toots Thielemans)
14. Jätten Jorms Sång (Toots Thielemans)

Filip Jers フィリップ・イェーシュ (harmonica)
Carl Bagge Trio カール・バッゲ・トリオ:
Carl Bagge カール・バッゲ (piano)
Martin Höper マッティン・ホーペル (double bass except 05)
Chris Montgomery クリス・モントゴメリ (drums except 05)

2023年スウェーデン作品

レーベル:Prophone

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します

デジパック仕様CD


クール・メロウでロマンティックな哀愁歌謡的情緒とバピッシュ&ブルージーな粋渋グルーヴ感をしっかり兼備した現代スウェディッシュ超絶ハーモニカ会心の爽やか名演! CD FILIP JERG with CARL BAGGE TRIO フィリップ・イェーシュ / IN THE SPIRIT OF TOOTS[PCD 319]

販売価格: 2,380円(税込)
数量:
商品情報
PROPHONE

フィリップ・イェーシュ Filip Jers(1986‒)は、18歳の時、2005年にドイツのトッシンゲンで行わた国際ハーモニカ・フェスティヴァルに出場してワールド・チャンピオンに選ばれました。以来、録音セッションに参加したりハーモニカを教えたりと、フリーランスのミュージシャンとして活動、ヨーロッパとアメリカ、日本、カナダなど30カ国をツアーで訪れました。2011年、初のハーモニカ奏者として学んだ王立ストックホルム音楽大学のジャズ科修士課程を修了して修士号を取得しました。ジャズ、ブルース、フォークとトラッド、ポップ、クラシカルとさまざまなジャンルを行き来する作曲と即興をこよなく愛していると言い、ヤン・ルンドグレーン、ヤン・アッラン、ゲオルク・リーデルたちスウェーデンを代表するミュージシャンと共演を重ねてきました。

カール・バッゲ・トリオ Carl Bagge Trio と共演した『In the Spirit of Toots』は、「トゥーツの精神で」のタイトルの示すとおり、スウェーデンでも愛されたベルギーのハーモニカ奏者、トゥーツ・シールマンス Toots Thiele-mans(1922‒2016)へのトリビュート・アルバムとして作られました。ヘンリー・マンシーニとジョニー・マーサーの《酒とバラの日々》、デューク・エリントン、ジョン・バリーの《真夜中のカウボーイ》、シンガー・ソングライターのエーヴェット・トーブの《Dansen på Sunnanö(スンナノのダンス)》、ラッセ・ダールクヴィストの《Lite grann från ovan(上からちょっとだけ)》、伝承曲《Vem kan segla förutan vind(風がなくて誰が船を出せるだろう)》、トゥーツ・シールマンスの《Jätten Jorms sång(イェッテン・ヨルムの歌)》など5曲にイェーシュの自作を加えたプログラムで演奏されます。(新譜インフォより)