CATFISH RECORDS

★NYブルックリンで生まれ育った生粋のニューヨーカーであり、バリー・ハリス、チャールズ・マクファーソン、ゲイリー・スマリアンらに師事して、主流派シーン第一線で旺盛に活躍している若手アルトサックス期待の新星：ニック・グリーンの、ジョー・マグナレッリ(tp)、ジェブ・パットン(p)、マイク・カーン(b)、ケニー・ワシントン(ds)、と強力な面々がサイドを固めたクインテットによるファースト・アルバム。

★締まりと勢いに富んでいながら半ば脱力したかのような自然体のソフトネスも巧まず備わった、ニュアンスある端麗にして旨口なトーンのアルトが、明るい歌謡性と伝統的バップ・スピリットそしてブルース・フィーリングを黄金率で掛け合わせた滅法イキのいいメロディック・アクション・プレイを軽やかに、滑脱に紡いで晴れ晴れとした爽快この上なしの華を成し、バップの権化然たるソリッド&スクエアーな立ち働きで歯切れよく追撃してくるトランペットやピアノの活躍も頼もしい魅力を放った、全編ド真っ当・ド直球な小細工一切なしのハード・バップ大会が続いて、その陽気で朗らかかつ粋渋な音世界に清々しく浸らせ、フレッシュに昂揚させてくれる会心打内容。

★歌心とスイング感に重点を絞り、気さくそうな人情味にも溢れた、モダン・ジャズ黄金時代にタイムスリップした気分の大衆派娯楽活劇路線の鑑たるストレート・バピッシュ快演、が嬉々溌溂と展開され、風通しもよさげでおおらかな開放感に貫かれた道程の中、カーン(b)やワシントン(ds)の猛烈にスイングし精確に律動するリズム演出(→ただならぬ中々壮絶なハッスルぶり!大攻勢!!!)もノリノリで際立ちながら、彼らに上手く触発される恰好で、グリーン(as)の腰を据えて悔いなく伸びやかに燃え盛り舞い泳ぐ"メロディーの泉"たるアドリブ奮戦が、ひたすらスカッとした突き抜ける青空の如き冴えを、映えを見せて全くゴキゲンだ。

→パーカーやキャノンボールの流れを汲んだバップ・アルトの正統らしいスタイルを基本身上とし、威勢よくも小気味よく軽快に躍動し突撃して何ともイキでイナセな妙味を揮うが、並行して、幾分かレスター系のアルト化っぽくもあるソフト・スムースな独特の余裕&気品を残した悠々たる流線形的フレージング、を繰り出すところもあってこれがまた爽やかに好アクセントを成し、トータルとしてはどこまでも晴朗で瀟洒味溢れるアジな吹鳴キャラが堂々確立されており、好感度抜群、説得力も絶大。結構武骨に純正バッパーになりきった硬派プレイを貫くマグナレッリ(tp)や、ちょっとストイックに粛々と陰影濃い硬角質弾奏を繰り出し続けるパットン(p)、らの質実剛健なる助演(＝猛攻!!)もバッチリ芳醇に光っている。

1. Red Cross
2. Cheatin
3. Horizons
4. A Handful Of Stars (as-p-b-ds quartet)
5. The Song Is You
6. All The Things You Are
7. You-Kraine (Song For Ukraine)
8. A Tear And A Smile
9. Barry

Nick Green (alto saxophone)
Joe Magnarelli (trumpet, flugelhorn except 4)
Jeb Patton (piano)
Mike Karn (bass)
Kenny Washington (drums)

2022年7月5日米ニュージャージー州イングルウッド・クリフスのVan Gelder Recording Studio録音

レーベル：Cellar Music (Cellar Live)

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見開き紙ジャケット仕様CD