CATFISH RECORDS

★オーストラリアのシドニーを主たる拠点として活動し、過去に出た自主製作のアルバム2作品が好評を博していた、ソングライター・タイプの女性歌手：ケイト・ウェイディーの、小コンボ伴奏によるアルバム第3作。

★澄んだクリーンな透明感とクール・スウィートな潤いを湛えた、きめの細かい中高音の端麗ヴォイスによる、優しくナチュラル・リリカルであり同時にブルージー・テイスティー&スウィンギン・グルーヴィーでもある、按配絶妙の演唱が何とも小粋に清新なる華を成し、コク味こってりの豪快なテナーや折り目正しくソリッド&スクエアーなピアノら、インスト陣の正攻法勝負のバピッシュ演奏もアジな彩りを添えた、全体を通じ和気あいあいのリラクゼーションとハートウォーミングな落ち着いたムード溢れるラウンジ的音空間に心地よくハマらせてくれる好演内容。

★インティメイトな親しみやすい憩いの気分と歯切れのいい敏活なスイング感に貫かれた、殊の外居心地のよい、そしてホッと安心できる、加えて瀟洒なセンスのよさも光る抒情指向の行き方が小気味よく続き、演奏サイドの吟醸感あるマイルド風味のハード・バップ(またある時はモダン・スイング)・プレイも渋旨な魅力を絶えず際立たせる中で、ウェイディー(vo)の、穏やかで柔和な気品や節度そしてゆとりを保ちながらメロウ・テンダーかつリズミカルに語りかけてくる感じの、リキみも気負いもない自然体調子の、それでいて巧まず機智っぽさの効いたしっとりまろやかな歌い回しが、瑞々しく可憐に映えて素敵だ。

→何より歌詞とメロディーを大切にして一語一句を丁寧に噛み締めるが如き情緒性最重視の誠実真摯な優しさ&落ち着きに満ちたロマンティック節を変らず根幹とし、繊細に、丹念にニュアンスを込めて囁く感じの、しかもその語調には自ずとブルースに由来した旨味やバピッシュなグルーヴも淡く仄めく、という、極めてオーソドックスな抒情派ジャズ・ヴォーカルならではの軽み・洒脱さに富む歌声のあり様は、声色そのものの爽涼さと相まって生鮮度抜群の輝き・煌めきを放っており、トータルなアウトラインとしては清楚さあるキュート・キャラを身上としているが端々に大人の色香も立ち昇ってきたりと、中々懐深い個性がさりげなく確立されていて見事。

★けだるくも武骨&豪放磊落でソウルフルなO'Dea(ts)、一貫してジェントルマンなスコット(p)、ホット&アーシーな勇み肌のKoopman(g)など、インスト面の聴きどころも充実している。

1. If Only (Wadey, Fermino) (vo-ts-p-b-ds)
2. Forever Like This (Wadey, McMahan, Dvorak) (vo-p-b-ds)
3. Tell You How I Feel (Wadey, Dobson) (vo-g-p-b)
4. Silence (Wadey, Scott) (vo-p-b-ds)
5. One More Chance (Wadey, O'Dea) (vo-ts--p-b-ds)
6. Expecting Song (Wadey, Panucci) (vo-g-p-b-ds)
7. Another Shade Of Blue (Wadey, Sutherland) (vo & p duo)
8. Heart Out On The Floor (Wadey, Washington) (vo-g-p-b-ds)
9. Slow Down The Time (Wadey, Koopman) (vo-g-b-ds)

Kate Wadey (vocal)
Andrew Scott (piano except 7,9)
Samuel Dobson (double bass except 7)
James Waples (drums except 3,7)
Chris O'Dea (tenor saxophone on 1,5)
Peter Koopman (guitar on 6,9)
Arthur Washington (guitar on 3,8)
Harry Sutherland (piano on 7)

2022年オーストラリア作品

レーベル：自主製作

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