CATFISH RECORDS

前作「Openings」(2003年)が好評だった、ボストンの人気ピアニスト:バート・シーガーを主役とし、日本人ドラマー:池長一美がリーダーを務める3人ユニット(今回はシーガー主導か?)の第2作。2006年2月マサチューセッツ州ボストン録音。折り目正しく端麗な、しっとり感ある仄暗めアンニュイ・テイストの抒情派奏演が滑脱に展開される美味内容である。落ち着いたバラードや一転キビキビと駆け躍る快速疾走調など、緩急のメリハリにも富んだ、全体を通じて歌曲的ロマンティシズム〜メロディーの美しさを肝とする繊細で小気味のいい行き方が続き、主役pの、潤いや滑らかさと堅い角張り感を併有した味のあるタッチでの、硬軟・明暗(濃淡)を濃やかに使い分けた、中々ニュアンスの深いアドリブ・プレイが冴えている。→エヴァンスの流れを汲みつつより線を細めて陰影味やレイジーな憂い感を強化したような、半内省的で奥行きの豊かなしんみりとした哀愁フレージング、に得難い真価(深い行間余情)が発揮される他、よりシンプルに甘美さ・明朗さを追究したような優しいおおらかムードの歌謡的ロマンティック節や、苦味走ったハードボイルドめの硬質的バップ・イディオム・アクション、にも中々の妙味があり、また随所に浮上してくるb者の、強烈にバネの利いた熱い立ち回りソロ、もシャープ&スピリチュアルな魅力的彩りを添えている。デリカシーある高密度作品。

1.Don't Go
2.I Remember You
3.My Romance
4.Summer Night
5.O Grande Amor
6.Three Candles
7.All Or Nothing At All
8.Bolivia

Bert Seager(p)
John Lockwood(b)
Kazumi Ikenaga(ds)

2006年2月 マサチューセッツ州ボストン録音

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