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ホーム2022年3月REVIEWテンダー&ロマンティックな抒情派ジャズ・ヴォーカルの本道たる寛ぎ軽妙瀟洒路線と、エスニック・フォーキーな現代SSW流スピリチュアル色がフレッシュにクロスする劇的高密度編 CD CECILE McLORIN SALVANT セシル・マクローリン・サルヴァント / GHOST SONG
商品詳細
Mack Avenueよりの諸作等に圧倒的支持を集めてきた、現代ジャズ・ヴォーカルのカリスマ的最高実力者:セシル・マクローリン・サルヴァント(1989年米フロリダ州マイアミ生まれ、父はハイチ人、母はフランス人)の、Nonesuchへの移籍第一弾となる本盤は、変動的な小編成による色彩感溢れる気合の一編。演目はオリジナル7曲とカヴァー5曲。しなやかな張りとキレそして弾性があってよく通りよく伸びるトーン高めの爽涼透徹な美声による、ブルース色や黒さを隠し味として絶妙に仄めかしながら、基本はあくまでクール・エレガントでセンスのいい洗練性ある、しっとり語りかけてくるメロウ・テンダーな寛ぎ傾向と、大きく抑揚をつけてダイナミックに躍動するドラマティック面、とが自然に掛け合わされた、ニュアンスにも富む現代流SSW派ジャズ・ヴォーカルの正統らしい行き方、もしくはよりオールド・ファッションなバップ系リリカル・ヴォーカルの歴史をしっかり踏み締め噛み締める風な瀟洒な節回し、が局面に応じて滑脱自在に繰り出され、瑞々しくも吟醸感充分に実に鮮やかな華を成した、全編を通じその堂々とした風格ある歌声に気持ちよく圧倒されるスッキリ度満点の会心打内容。極めてオーソドックスな抒情派モダン・ジャズの王道を行くバラードがあったかと思えば、当世風のフォーキー・ポップな牧歌的ブルージー路線があったり、トラッドorスイング系統のレトロなアプローチもあったり、更には、エスニックな秘境儀式っぽい妖しさ漂う瞑想的あるいは祈るような熱唱が現れたり、パイプオルガンが荘厳に響く一種の宗教歌曲の如きスピリチュアル趣向も出てきたりと、曲毎に趣を違える様々な意匠の凝らされた超カラフルな万華鏡的歌景色が好テンポで小気味よく創出されてゆくが、どの行き方にあっても主役セシルの歌には一切ブレるところがなくビシッと一本太い骨芯の通った感じな語り口の妙、が清々しい青嵐のように爽やかに冴え渡っていて見事。→サリヴァン・フォートナーやアーロン・ディールのひたすら真っ当なコンテンポラリー・バピッシュ・ピアノ弾奏と渡り合いつつ粋に、洒脱に哀歓を映し出す軽み&ウィットに富んだ抒情指向の優しいリラクシング節や、独特のエキゾティズムを絡めて力強く切々とスピリチュアリティ(=霊魂?)を歌い上げる「魂の叫び」めいた濃厚演唱、といった辺りにとりわけ泰然自若たる本領あり、か。

01. Wuthering Heights
Cécile McLorin Salvant (vocal)
Paul Sikivie (electric bass, synthesizer, producion)

02. Optimistic Voices / No Love Dying
Cécile McLorin Salvant (vocal)
Alexa Tarantino (flute)
James Chirillo (banjo)
Sullivan Fortner (piano)
Keita Ogawa (percussion)

03. Ghost Song
Cécile McLorin Salvant (vocal)
Marvin Sewell (guitar)
Sullivan Fortner (piano, electric piano, vocal)
Burniss Travis (bass)
Keita Ogawa (percussion)

featuring
Brooklyn Youth Chorus (Dianne Berkun Menaker, founder and artistic director)

04. Obligation
Cécile McLorin Salvant (vocal)
Sullivan Fortner (piano)
Paul Sikivie (bass)
Kyle Poole (drums)

05. Until
Cécile McLorin Salvant (vocal)
Alexa Tarantino (flute)
James Chirillo (banjo)
Sullivan Fortner (piano)
Keita Ogawa (percussion)

06. I Lost My Mind
Cécile McLorin Salvant (vocal, piano)
Aaron Diehl (pipe organ)

07. Moon Song
Cécile McLorin Salvant (vocal)
Aaron Diehl (piano)
Paul Sikivie (bass)
Kyle Poole (drums)

08. Trail Mix
Cécile McLorin Salvant (piano)

09. The World Is Mean
Cécile McLorin Salvant (vocal)
Alexa Tarantino (flute)
James Chirillo (banjo)
Sullivan Fortner (piano)
Keita Ogawa (percussion)

10. Dead Poplar
Cécile McLorin Salvant (vocal)
Daniel Swemberg (lute, theorbo)
Aarpm Diehl (piano)
Paul Sikivie (bass)
Kyle Poole (drums)

11. Thunderclouds
Cécile McLorin Salvant (vocal, piano)
Violette and Iris McLorin Picot (vocal)
Marvin Sewell (guitar)
Sullivan Fortner (piano, background vocal)
Burniss Travis (bass)
Keita Ogawa (percussion)

12. Unquiet Grave
traditional arranged by Cécile McLorin Salvant, Violette and Mimi Publishing (BMI)
Cécile McLorin Salvant (vocal)

2020年12月8日,2021年2月9日NYブルックリンのThe Bunker Studio録音
2021年1月31日NYCのSt. Malachy's Church録音

レーベル:Nonesuch

在庫有り
デジパック仕様CD


テンダー&ロマンティックな抒情派ジャズ・ヴォーカルの本道たる寛ぎ軽妙瀟洒路線と、エスニック・フォーキーな現代SSW流スピリチュアル色がフレッシュにクロスする劇的高密度編 CD CECILE McLORIN SALVANT セシル・マクローリン・サルヴァント / GHOST SONG[7559791467]

販売価格: 2,380円(税込)
数量:
商品情報
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NONESUCH

様々な感情を豊かに表現する最高級のジャズ・ヴォーカルが、今亡霊の物語を語り始める…
3度のグラミー賞を受賞する現代ジャズ・ヴォーカリストの最高峰、セシル・マクロリン・サルヴァント。伝統的なジャズ・ヴォーカル・スタイルを継承し、発展させていくこの歌姫が、Nonesuch移籍第一弾作品となる最新作『GHOST SONG』を発表する! 幅広い音楽性を持つオリジナル楽曲や見事な独自解釈によるカヴァー曲など、亡霊やノスタルジア、憧れをテーマにした彩に満ちた全12曲を収録。

グラミー賞ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム部門で3度の受賞を誇る、多彩な感情と卓越した技術を組み合わせる現代ジャズ・ヴォーカリストの最高峰、セシル・マクロリン・サルヴァント。彼女のNonesuchレーベル移籍第一弾作品『GHOST SONGS』がここに届けられることとなった。このアルバムは、亡霊、ノスタルジア、憧れをテーマとした作品で、7曲のオリジナル曲と、彼女による独自の解釈を加えられた5曲のカヴァー曲からなる、多彩な楽曲ばかり全12曲を収録した作品となっている。「これまでの私の作品とは異なり、折衷的なキュレーターとしての私の個性を反映した作品になっています。私はこの作品で、自分自身の奇妙さを受け入れたのです!」

現在公開されているアルバムのタイトル・トラック「Ghost Song」に関して、セシルはこうコメントしている。
「もし愛が消えてしまったら、もし愛があなたのもとを去ってしまい、あなたの周りにはまだその感情が残っていて、その愛の亡霊とずっと関わりを持っているとしたら…? 表現するのにとても辛い曲もありますが、この曲はすぐに私の中から出てきました。この2、3年の間に、祖父や私のバンドのドラマー(ローレンス・レザーズ)など親しい人がこの世を去ってしまったので、その想いをこの曲で綴っています」

このアルバムのオープニングとエンディングには、アイルランドの伝統的な無伴奏ヴォーカル・スタイルであるショーンノス(sean-nos)が取り入れられている。オープニングのショーンノスからスムーズな形でケイト・ブッシュのカヴァー、1曲目の「Wurhtering Hights」へと移行していく。聞きなじみのあるメロディが現れた瞬間の高揚感は、あまりにも素晴らしい。「"Wuthering Hights"は、このアルバムを制作していた時であるパンデミックの最中で、私の心を強くゆすぶった本でした。そして、この小説の最高の解釈が、ケイト・ブッシュのこの曲なのです」 ─ セシル・マクロリン・サルヴァント

このアルバムに収録されている全ての曲は、それぞれお互いを反映していると言えるだろう。セシルは、この奇妙な対称性をサウンドで描き出そうとしているのだ。まるでロシア人形のようにすべてが連なっているアルバムの中心に位置するのが、「I Lost My Mind」という楽曲。この曲に関してセシルは、「この曲もパンデミックの最中に書きました。その間、ただただ叫びたいと思った夜もありましたが、私の中のより深い部分から、"この曲が完全に狂っているように聞こえても大丈夫、完全に狂ったことをしたって大丈夫、それをやることで人に彼女は気がふれたのか、と思われたとしても、気にしなくてもいい"という言葉が聞こえてきたのです」

「バンドも、最初から最後まで、お互いを反映しているのです。楽器編成も含め、その全てにおいて。だからこそ、その関係性の中に曲があるのです。お互いにマッチしていて、二卵性双生児のようでもあり、片方がもう片方の邪悪な双子のようでもある…。生者である私のもとに幽霊に会いにきて、そして今度は私が幽霊に会いにいく。私は幽霊に取りついて、幽霊を困らせているみたいに、"ここから出ていきなさい、出ていって生きるんです"と言っているようです」 ─ セシル・マクロリン・サルヴァント

RECORDED OCTOBER 7,2020
DECEMBER 8 2020 AND FEBRUARY 9,2021
AT THE BUNKER STUDIO,BROOKLYN NY AND JANUARY 31,2021 AT ST.MALACHY'S CHURCH,NEW YORK,NY,
RECORDING ENGINEERS : TODD WHITELOCK (TRACKS 1,3,4,6,8,10-12)
PATRICK DILLET (TRACKS 2,3,5,9)
ASSISTANT ENGINEERS,WES WHITELOCK (TRACKS 1,6,12),ALEX CONROY (TRACKS 2-11)
ALL TRACKS MIXED BY TODD WHITELOCK
AMPLIFIED ART & SOUND,CRANFORD,NJ,FEBRUARY MAY 2021
MASTERED BY CHRIS MUTH,TALOOWA CORPORATION,YONKERS,NY
CREATIVE DIRECTION & ILLUSTRATION BY CECIL MCLORIN SALVANT
PHOTOGRAPHY BY SHAWN MICHAEL JONES
ART DIRECTION & DESIGN BY BEN TOUSLEY
EXECUTIVE PRODUCER : ROBERT HURWITZ