CATFISH RECORDS

★早ヴェテランの域に入るオランダの人気ピアニスト：ロブ・ヴァン・バヴェル(1965年オランダ-北ブラバント州のブレダ生まれ)の、本盤は、マリウス・ビーツ(b)＆エリック・イネケ(ds)との強力トリオによる、自身が強く影響を受けたという故チック・コリア(2021年2月没)に捧げられた、コリア作の名曲や愛奏曲をレパートリーとするトリビュート・アルバム。

★歯切れよく硬質堅固でいて弾性も備わった、一打一打からポジティヴな活力と旨味が伝わってくるような骨太い鮮明タッチのピアノが、前のめりの勢いをもってモーダル・エネルギッシュにダイナミズム・アタック!を掛けながらメランコリックな美メロやブルース的小節もしっかり歌う、雄々しくも詩情ある躍動的プレイを溌溂と綴ってテイスティー・グルーヴィーこの上なしの華を成し、一方、雄弁で温かなよく跳ねる肉太ベースや、小回り抜群のシャープネスみなぎった敏捷ドラム、らの百発百中のサポートもガッチリ頼もしげにノリノリで魅力を放った、全編を通じ勇壮なる男気と気さくそうな人情味溢れる力強い邁進が連続して、スカッと昂揚させてくれる会心打内容。

★硬派筋モード系ハード・バピッシュ・ピアノ・トリオの本道を真っ直ぐに突き進んで悔いなし!といった感じの、ソリッドでハードボイルドな力学的気魄や推進パワーを満載し、それでいて結構取っ付きやすい「哀愁の歌謡性」や熱いパッションのたぎり様、そして粋でイナセなブルース・フィーリングなども自ずと有した、雄渾でスケール壮大かつおいしさも一杯な大衆娯楽活劇的スウィンギン敢闘、がひたすら屈強に、精悍軒昂にイキイキと展開され、豪快&ワイルドなその威勢〜迫真力で気持ちよく圧倒してくれるノセられっぱなしの道程の中で、ヴァン・バヴェル(p)の、中々にハイ・テンションでエモーショナルでありながらさりげなく細かいニュアンスを感じさせるところもある、一貫して肩肘張らない自然体調子を保って伸び伸びと得意技披露大会を愉しんでいる、如きアドリブ活躍が開放的に冴え渡っていてゴキゲンだ。

→長きに渡ってチック・コリアやマッコイ・タイナー、ハービー・ハンコックらの奏法を充分研究し尽くしてヨーロッパ流に洗練したようなイメージの、パワフル&ダイナミックなアクション攻勢で妥協なくハードに押しまくる反面、その内側から一種哀歌的な情緒や旨口のスピリチュアリティが滲んできたり、時にはちょっとレッド・ガーランド似の軽妙なファンキー節が顔を出したりと、その何げに表情豊かで懐も深い弾鳴のあり様は実にアジな風趣と青嵐を思わせる清々しさに満ちており白眉。要所要所に出張ってきて饒舌に歌うビーツ(b)のソロも好アクセント。

01. Litha ライザ
02. Tones For Joan's Bones トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ
03. Windows ウィンドウズ
04. 500 Miles High 500マイルズ・ハイ
05. Bud Powell バド・パウエル
06. Got A Match? ゴット・ア・マッチ
07. Con Alma コン・アルマ
08. Waltse For Dave ワルツ・フォー・デイヴ
09. Chick's Tune チックス・チューン
10. Pannonica パノニカ
11. How Deep Is The Ocean ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン
12. Blues For Armando ブルース・フォー・アルマンド

Rob van Bavel ロブ・ヴァン・バヴェル (piano)
Marius Beets マリウス・ビーツ (bass, electric bass)
Eric Ineke エリック・イネケ (drums)

2021年10月18日オランダ-ザイスト(ユトレヒト州)のStudio Smederij録音

レーベル：Solid ウルトラ・ヴァイヴ(Ultra-Vybe) Limetree Timeless

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最新リマスターCD
日本語解説書き下ろし
オリジナルジャケット使用