CATFISH RECORDS

★先年活動を終了した人気グループ:Sweet Jazz Trioのレギュラーを始め、実に膨大な第一線レコーディング群に分身忍者の如く名を連ねてきた、スウェーデンのジャズ界になくてはならない名バイプレイヤー＝オールラウンドな凄腕ベーシスト：ハンス・バッケンルート(1966年スウェーデンのカールスタード生まれ)の、本盤は、アルトサックス(またはクラリネット)＆ギター＆ドラムとのカルテットによる、チャーリー・パーカー・トリビュート編。

★圧倒的なドライヴ感をみなぎらせながらダイナミックに激震スイングし、またブルージーに歌う肉太ベースの、バネとウネりの利きまくった驀進ぶりにガッチリ支えられ、導かれて、威勢よくパンチがあり、またまろやかなソフトネスも備わったアルトの、明るく晴朗この上なしの滑脱メロディック・ブロウ!、が吹き抜ける青嵐の如く実に爽やかに華を成し、一方、豊潤で旨味たっぷりなトーンのギターの、バップ・ギターのオーソドキシーにきっちり則った堅実にして粋渋な立ち回り技や、随所に浮かび上がっては唄センス抜群の雄弁な波打ちプレイで泰然と座をさらうベースの個人芸、といった辺りも各々鮮烈で濃い魅力を際立たせた、全編娯楽派・歌心派ハード・バップの王道を行くおおらか快演が横溢してスカッと昂揚させ、和ませてくれる会心打内容。

★明るく親しみやすいキャッチーな歌謡フィーリングと安定律動的スイング感、そして伝統的なブルース&バップ・スピリット、を変らずキモとした、風通しもよさげでノリにノッた開放感ある純正ハード・バップ・タイプの人情肌エンタテインメント指向演奏、が嬉々として愉しげに、和気あいあいムードで連続し、気さくな大衆芸能性に徹した(軽みある)快進撃コースの中で、銘々の肩肘張らず自然体で伸び伸びと得意の妙技を揮いきる、リキみなくも一定の節度や余裕を巧まず保ったアドリブ奮戦が、簡潔でいて余情豊かに冴え渡って全く見事。

★Lindquist(as)の、生粋バップ・アルトの手習い鑑とも云うべき、パーカーやキャノンボールの流れを汲んだイナセで旨口でイキのいい、ひたすらスウィンギン・グルーヴィー&マイルド・メロディアスな明朗生鮮節が最高に清々しく、最高にフレッシュに堂々見せ場を飾っていて好感度満点、美味さ格別で、かたやSöderlind(g)の、クリスチャン〜ケッセル系バップ・ギターの基本スタイルを律儀に踏襲した軽妙洒脱で燻し銀的滋味あるメロウ・テンダーな立ち働きも、これまた誠に風流でナイス。

01. Au Privave (Charlie Parker) 5:01
02. The Gypsy (Jule Styne) 5:02
03. Moose The Mooche (Charlie Parker) 4:39
04. My Little Suede Shoes (Charlie Parker) 3:44
05. Lover Man (Jimmy Davis / Roger Ramirez / James Sherman) 4:18 (g & b duo)
06. What Is This Thing Called Love (Cole Porter) 5:56 (as-b-ds trio)
07. Yardbird Suite (Charlie Parker) 4:16 (g-b-ds trio)
08. Parkerʼs Mood (Charlie Parker) 4:47
09. Embraceable You (George Gershwin) 5:48 (cl & b duo)
10. Cheryl (Charlie Parker) 3:29 (b & ds duo)
11. Repetition (Neal Hefti) 4:06
12. Segment (Charlie Parker) 4:12

Klas Lindquist (alto saxophone except 05, 07, 09, 10, 11) (clarinet on 09, 11)
Erik Söderlind (guitar except 06, 09, 10)
Hans Backenroth (bass)
Karl-Henrik Ousbäck (drums except 05, 09, 10)

2020年10月20日スウェーデン-Tullinge(トゥリンゲ)のYardhouse Studio録音

レーベル：Prophone

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