CATFISH RECORDS

★Challenge諸作に好評を得る登り調子の女性歌手：キアラ・パンカルディ(1982年イタリアのボローニャ生まれ)と、Via Veneto Jazzや澤野工房、Somethin' Cool、寺島レコード等よりの作品群に絶大な支持を得てきたキャリアある個性派ピアニスト：アレッサンドロ・ガラーティ(1966年イタリアのフィレンツェ生まれ)、という、ともにイタリアのジャズ・シーン第一線で旺盛に活躍する人気スター2人が、初めてのコラボに臨んだ寺島レコード制作による夢のデュオ・アルバム。

★まろやかでしっとりとした爽涼な潤いや透明感に溢れ、かつ落ち着いた重心の安定性をも呈する中高音の艶やかヴォイスによる、一語一語・一声一声をじっくり噛み締めながら丁寧に語りかけてくるようなテンダーなリリカル面と、より奔放自在にリズムに乗ってダイナミックに機動しつつ器楽的にグルーヴを体現する半本格派面、とを巧みに掛け合わせて(基本はあくまで前者)滑脱に歩を進めてゆくハートフルな演唱が、清やかに華を成し、一方、極めて陰影濃く岩石を転がすような骨太い重厚タッチで、地の底を匍匐する(或いは深海を遊泳する)ような、あくまで「伴奏者」に徹した渋〜い立ち振る舞いに終始し、しかも一切の無駄なくリズム・和声・メロディーを的確に表出するピアノの助演も、実に含蓄豊かな魅力をじんわり醸し出した、全編小気味よく瀟洒でいて思わずホッと温かに心和む快適内容。

★インティメイトな寛ぎや和気あいあいの親睦ムードに溢れる反面、軽やかに跳ねるような敏活なノリのよさやダイナミズムも自ずと備わった、ハートウォーミングでありながらイキよく歯切れよくもあるバランス絶妙の闊達な行き方が続き、花形主役を担うパンカルディ(vo)の、腰を据えて伸び伸びと、遺憾なく本領を発揮しきった、表情多彩でドラマティックな歌い回しが誠に鮮やかに冴え渡って爽快だ。→歌詞とメロディーを大切にして丹念かつストレートに歌曲世界を創出する、心暖まるようなほっこり効果抜群のマイルド・リラクシング節と、躍動的・遊撃的に溌剌とジャンプし踊るような勢い&パンチあるスキャット熱唱、を好バランスで交差させ、トータルとしてはあくまで軽妙洒脱な、シャレたウィットある粋筋小唄っぽい趣にすんなり収束させて見せるその巧まざるストーリーテラーぶりは卓抜で、かたやガラーティ(p)の、質素で控えめながら何とも云えぬ雅趣めいた行間余情を浮かび上がらせる熟練妙技も秀逸。

1. Easy To Love
2. Just One Of Those Things
3. Night And Day
4. So In Love
5. All Of You
6. My Heart Belongs To Daddy
7. It's Delovely
8. Let's Do It
9. Dream Dancing

Chiara Pancaldi キアラ・パンカルディ (vocalヴォーカル)
Alessandro Galati アレッサンドロ・ガラティ(piano ピアノ)

2019年1月-5月 録音

レーベル：寺島レコード

在庫有り
セミW紙ジャケット仕様CD