★依然、精力的・多角的・野心的な活躍を続けている急進派・個性派のユニークなトランペッター:デイヴ・ダグラス(1963年ニュージャージー州イースト・オレンジ生まれ)の、本盤は、ジョン・イラバゴン(ts)をフィーチュアした鉄壁のレギュラー・クインテットによる、2015年11月19日から同月22日にかけてNYCのクラブ:Jazz Standardに出演した折のライヴ音源、=4日間で全8セット、をアルバム化する強力4連作シリーズの一つ、→11月20日金曜日の2セットを収めた2枚組の濃密盤。
★フロント2管が色彩鮮やかにコントラストを成しながら、ソウルフルでアーシーなブルース由来の吟醸っぽさ・芳醇さやバップ的渋味と、より奇異で頓狂な怪しい風合いや飄々さ(或いは祝祭性)、とを縦横自在に交差させた、現代流・ダグラス流のフリー・バップorニュー・ジャズ型熱演が精悍かつスリリングに綴られてゆく、決して予断を許さないシャープなサスペンスと昂揚感に満ち満ちた充実の敢闘内容。
★リズム・スタイルは今風らしく刻々と多様に変移する、苦味走ったシリアスな、それでいてしっかり醸造され熟成されたコクっぽい旨みにも事欠かない、基本はコンテンポラリー・ポスト・バップの一種(一部にはM-BASEファンクに似た行き方とかもある)、風の、そして随所にフリー寄りのアナーキーさ・ゲリラティックさ・ダークネスも適宜散りばめられた、メリハリある躍動的グルーヴィー快演が中々に晴々朗々と力強く展開され、フェイント的意表性も充分ではあるが同時に、ほぼ一貫してスピリチュアル&エモーショナルな、わりかしストレートに興奮させてくれる快活闊達なる道程の中で、ダグラス(tp)やイラバゴン(ts)らの腰を据えて悔いなく完全燃焼するアドリブ奮戦が、スカッと壮快にタフ&ストロングそしてテイスティーな盛り上がりを見せて好調だ。
★ダグラス(tp)の、奔放苛烈でいて軽やかに宙を飄遊するかのような無重力的不思議ブロウであったり、暗影濃く重厚に地を這いずり回るアヤしいミステリアス・アクションであったり、かと思えば、朗らか&おおらかにごく親しみやすい唄心を全開させた牧歌的アプローチであったりと、その実に流麗で鮮やかな、終始嬉々溌剌とした多角的快進撃ぶりがゴキゲンに冴え渡っており、一方イラバゴン(ts)の、武骨でマッチョな、ひたすらヘビーウェイトにウネり、転げ回るアグレッシヴこの上なしのハード・ドライヴィング咆哮も、豪傑然たる質実剛健の魅力を放って好インパクト。
 1.Hawaiian Punch 07:30	
 2.Little Feet 14:25	
 3.Wake Up Claire 05:59	
 4.Be Still My Soul 07:28	
 5.Brazen Heart 15:20	
 6.Whither Must I Wander? 07:05	
 7.Beware of Doug 09:16	
 8.Bridge to Nowhere 16:48	
 9.Variable Current 06:17	
10.This Is My Father's World 08:25	
11.One Morning 09:32	
12.Middle March 10:25	
13.God Be With You Till We Meet Again 08:01
Personnel: 
Dave Douglas (trumpet) 
Jon Irabagon (tenor saxophones)
Matt Mitchell (piano) 
Linda Oh (bass) 
Rudy Royston (drums)
*All compositions Dave Douglas Music / BMI or Traditional except Whither Must I Wander? by Ralph Vaughan Williams 
2015年11月20日 Jazz Standard NYC ライブ録音 
在庫有り
紙ジャケット仕様CD