CATFISH RECORDS

★伊ペルージャや蘭ハーグの音楽院に学び、現在はベルギーのブリュッセルに本拠を置いて活動しているイタリア人テナーサックス奏者:フィリッポ・ビアンキーニ(イタリアのOrvieto生まれ)の、セカンド・アルバムとなる本作は、カルテットにゲスト=トランペットも交えて(2曲参加)の、ベルギーの人気歌手兼作曲家:サルヴァトール・アダモ作のヒット曲をメイン・レパートリーとした、ソングブック的趣向の一編。
★締まりとユルさが絶妙に合わさった、表情豊かなトーンのテナーが、タフで武骨で逞しいダイナミック・ブロウを豪快に轟かせてスカッとした華を成し、硬派バップ色みなぎる鋭利敏捷なトランペットや、甘さを抑えてハードボイルドに疾駆するピアノ、らの活躍も魅力充分に際立った、正々堂々真っ向勝負の邁進ぶりで清々しく昂揚させる会心打内容。
★単純明快で凛々しく勇ましい、全き正攻法の現代ハード・バップ熱演が意気溌剌と展開され、パワフルでいて安定感も抜群なドラム&ベースの揺るぎないサポート、にガッチリ支えられ、煽られながら、ビアンキーニ(ts)やアンドリオーリ(p)、Estievenart(tp)らの、腰を据えて悔いなく完全燃焼するアドリブ奮戦が、ひたすら晴朗に胸のすくような盛り上がりを、豊作ぶりを呈してゴキゲンだ。ビアンキーニ(ts)の、泥臭いまでの剛健屈強なる猛々しげアクション咆哮や、よりマイルド・スムースな品格or瀟洒味を湛えた寛ぎ調、或いはまた、優しい安らぎ感と苦味走ったシリアスな思索性を交錯させた余情深くモード色濃いバラードなど、按配よく滑脱自在に態様を転じながら、しかしあくまで泰然とブレなげ・迷いなげに王道を突き進むその、メインストリーマー然とした極めてストレートアヘッドな立ち働きが、何とも爽やかに、そして芳醇に冴え渡っており、一方、モーダルとファンキーの間を往来しつつ中々アグレッシヴに追い上げてくるアンドリオーリ(p)や、キビキビしたシャープな動きでピリッと香味を振りまくEstievenart(tp)、らの助演もそれぞれしっかり濃厚に光っている。

1. Perduto
2. Inch' Allah
3. Une Larme Aux Nuages
4. La Nuit
5. Tombe La Neige
6. San Toi Ma Mie
7. Le Voyage

Filippo Bianchini (tenor saxophone)
Nicola Andrioli (piano)
Jean-Louis Rassinfosse (double bass)
Armando Luongo (drums)

special guest:
Jean-Paul Estievenart (trumpet on 2,4)

2017年5月22-23日Studio Ledeberg録音

レーベル：September

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