★1990年代前期に母国オランダでキャリアをスタートさせ(精鋭セクステット:The Houdini'sのメンバーであった)、その後ニューヨーク(ジミー・ヒースやジョージ・ガゾーンらに師事し、数多くのビッグネーム陣と共演)、パリへと拠点を移し、2003年よりイタリア-ボローニャに定住、現在もイタリア・シーンで精力的に活動しており、過去A-RecordsやBuzzからリーダー・アルバムを発表している他、グイド・ディ・レオーネのサイド等でも個性を揮っていたテナーサックスの逸材:バーレント・ミッデルホフ、の主導する、トロンボーン&ピアノとの連名トリオによる一作。
★涼やかさとドライヴ感に溢れたテナーサックスの流麗滑脱な立ち回りが、爽快かつ芳醇にスッキリと映え、中々歯切れよく躍動するウォーム&ソウルフルなトロンボーンや、カッチリ強堅でスクエアーなピアノ、らも精悍げに渋い彩りを添えた、実に清々しい明朗旨口な好演内容。
●歌心とスイング感をキッチリ尊守した、2管ハーモニーの色彩美やおいしさも格別の、ごく正攻法なリリカル・バピッシュ奏演が溌剌と綴られ、リズム・セクション的な役割を担うピアノ:メンチの、重心も据わった硬派でダイナミックな立ち働きに頼もしく支えられ、また突き煽られながら、ミッデルホフ(ts)とモルガンティ(tb)の、コントラスト感も絶妙の伸びやかでひたすらメロディアスなアドリブ合戦が、何とも爽やかに豊作ぶりを呈してゆく。
★ミッデルホフの、肩の力は抜けていながら巧い塩梅でパンチが利いている、感じの、概ねレスター〜ゲッツ系統の流線的スムース・スタイルを身上とした、マイルドでおおらかな「哀愁の寛ぎアクション」調のブローイングが実に洒脱に、そしてフレッシュに冴え渡っており、一方モルガンティの、おぼろな温もり感を湛えつつ、何げに精確巧緻な幾何学的ダイナミズム表現に長けたところも見せるその、ドラマツルギーを心得たスモーキー・ブルージーな闊達フレージング、の燻し銀っぽい風趣がまた絶品。ちょっとストイックそうでハードボイルドなメンチの殺陣技職人、的活躍も誠に的確でGOOD。
1. Nothing To Lose (Henry Mancini)
2. Angel Eyes (Matt Dennis)
3. Unison Party (Barend Middelhoff)
4. Big Belly Blues (Barend Middelhoff)
5. Slow White Blues (Barend Middelhoff)
6. Cause Of The Sequence (Barend Middelhoff)
7. Ballad For Anna (Barend Middelhoff)
8. Musiplano (Massimo Morganti)
Barend Middelhoff(tenor saxophone)
Massimo Morganti(trombone)
Nico Menci(piano)
2014年5月30-31日イタリア-VignolaのErmes Studio録音
レーベル:
albore jazz
在庫有り
CD