CATFISH RECORDS

★自身のロック・バンド:Kira & Kindred Spiritsを率いての、またソロ・シンガーとしての活動や、The Gospel、Ghost Ridersといったグループへの参画、など、母国デンマークのロック〜ポップス・シーンで過去10年来(それ以前は英・米で活動)、ライヴにレコーディングに精力的な活躍を続けてきた人気女性歌手:キラ・スコーフ(1976〜)の、強力な顔ぶれのジャズ・コンボをバックにしたビリー・ホリデイ愛唱曲集。

★スモーキーな渋い翳り・濁りを微妙に含んだ、線は細め、トーンは高めの妖艶ヴォイスによる、落ち着いた調子で優しくもちょっとけだるく憂愁を映し出した、語り節タイプのニュアンス濃やかなリリカル歌唱が、切々と胸に迫ってくるような奥深い魅力を放った快投内容。

★バック陣の、本気度全開の燻し銀的ハード・バップ演奏も、こってり濃い口な醸熟オーラを発し続けて頼もしく際立ちつつ、バラードやミディアム・スローがわりかし頻出する穏やかな寛ぎムードの行き方(=インティメイトなミッドナイト・セッション風)、が決め込まれ、スコーフの、歌詞と旋律を一つ一つ慈しむような、丹誠こもった実に真摯な、品格と含蓄ある節回しが安定して冴え渡っている。

★和み系抒情派ジャズ・ヴォーカルの正統スタイルを基軸として、ビリー・ホリデイ特有の発声や唱法に似せる演出も適度に盛り込み、ちょっとデカダン・レイジーな揺らめきor引きずり感を垣間見せつつあくまで優しく丁寧に、じっくりと詩の情景を描き込んでゆくそのひたむきで誠実そうな語り口、には感動的なまでの確固たる説得力があり、しかしそれでいて、ポップス系シンガーならではの「爽やかクール」な軽みや開放感が声音に顕れる面も多々あり、結果、トータル的には結構サラッとした、淡麗で洗練味溢れる歌声イメージとなっていて好感度も絶大。

SIDE A
1. I'll Be Seeing You
2. Good Morning Heartache
3. Am I Mad?
4. Four Women
5. Gloomy SundayMe, Myself And I

SIDE B
1. Flower Of The Evening
2. My Man
3. God Bless The Child
4. YOU LET ME DOWN
5. Don't Explain

Kira Skov キラ・スコーフ(vo)
Mads Hyhne(tb)
Jakob Dinesen(ts)
Heine Hansen(p)
Nicolai Munch-Hansen(b)
RJ Miller(ds)

2011年9月デンマーク作品(Stunt原盤)

在庫有り
輸入盤(見開き)LP
ジャケット上部一部破れ有り
(12曲入りCD付)